不妊症

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腟炎

腟炎

腟炎とは腟が炎症を起こす状態を指します。かゆみやおりものの変化、においの不調などが現れることがあり、放置すると子宮や卵管まで炎症が波及し、不妊や妊娠率の低下につながる可能性があります。
本記事では、腟炎の主な種類、ご自身で気付きやすい症状、治療法、妊娠・妊活との関連についてわかりやすく解説します。

腟炎の症状

腟炎の症状は原因や種類によって異なりますが、次のような変化がみられることがあります。いずれも日常生活の中で気付きやすいポイントなので、症状が続く場合は医療機関の受診をおすすめします。

おりものの量や色の変化

腟炎では、おりものの量が増えたり、色や性状が変化したりすることがあります。白くポロポロとした状態、灰色がかった色、泡状になるなど、原因となる菌や炎症の種類によって特徴はさまざまです。普段のおりものと比べて明らかな変化がある場合は、腟内環境のバランスが崩れている可能性があります。

おりもののにおいが気になる

細菌性腟症などでは、魚のようなにおいを感じることがあります。においは入浴直後や性交後に強く感じられる場合もあり、自覚しやすい症状のひとつです。ただし、すべての腟炎で強いにおいが出るわけではなく、においが目立たないケースもあります。

外陰部や腟のかゆみ・違和感

腟や外陰部にかゆみ、ムズムズする感覚、ヒリヒリとした違和感を覚えることがあります。特にカンジダ腟炎では、強いかゆみを伴うことが多いとされています。症状が強い場合、日常生活や睡眠に影響を及ぼすこともあり、我慢せず早めの対応が重要です。

性交時の痛みや不快感

腟炎があると、性交時に痛みや違和感を覚えることがあります。腟内の炎症や乾燥が影響し、これまで問題なかった行為でも不快に感じる場合があります。妊活中の方にとっては気になりやすい症状であり、無理をせず体調を優先することが大切です。

排尿時のしみる感じや違和感

腟炎の炎症が外陰部に及ぶと、排尿時にしみるような違和感を覚えることがあります。膀胱炎と似た症状に感じることもありますが、原因が異なる場合もあるため、症状が続く場合は検査による確認が重要です。

症状が軽く、自覚しにくい場合もある

腟炎の中には、強い症状が出ず、自覚しにくいケースもあります。軽度の炎症でも、腟内環境の乱れが続くことで妊娠や体調に影響する可能性があるため、違和感が長引く場合や不安がある場合は、医療機関へのご相談が安心です。

腟炎については「腟炎は不妊症の原因になる?症状や種類、治療を詳しく解説」のコラムで詳しく解説しています。

腟炎の主な種類

腟炎にはいくつかの種類があり、原因や症状、妊娠・不妊への影響も異なります。特に妊活中の方や不妊治療を検討している方は、症状が軽くても放置せず、自身の状態を正しく把握し、必要に応じて治療を受ける事をおすすめします。

細菌性腟症(BV:Bacterial Vaginosis)

【不妊・妊娠との関連:高い】
細菌性腟症は、腟内の常在菌バランスが崩れ、特定の細菌が増殖することで起こります。おりものの増加や生臭いにおいが特徴で、自覚症状が軽い場合もあります。
細菌性腟症は、炎症が長引くと子宮や卵管へ影響が及ぶ可能性が指摘されており、不妊や妊娠率の低下、流産・早産との関連が報告されています。
そのため、妊活中や不妊治療を検討している場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

トリコモナス腟炎

【不妊・妊娠との関連:比較的高い】
トリコモナス腟炎は、トリコモナス原虫による感染症で、性交渉を介して感染することが多い腟炎です。泡状のおりものや強いにおい、かゆみなどが現れることがあります。
炎症が持続すると、子宮頸管や子宮内へ影響する可能性があり、妊娠中では合併症のリスクが高まるとされています。妊娠を希望する場合は、パートナーと同時に治療を行うことが重要です。

子宮頸管炎に関連する腟炎

【不妊・妊娠との関連:中〜高】
腟炎が子宮頸管まで波及すると、子宮頸管炎を伴うことがあります。子宮頸管の炎症は、精子の通過や受精の過程に影響を及ぼす可能性があり、不妊の一因となる場合があります。
にしたんARTクリニックでは、腟炎の症状がある場合、子宮頸管の状態も含めて総合的に評価し、治療の必要性を判断しています。

カンジダ腟炎

【不妊・妊娠との関連:比較的低い】
カンジダ腟炎は、真菌(カビ)の一種であるカンジダが増殖することで起こります。強いかゆみや白くポロポロとしたおりものが特徴です。
一般的に、カンジダ腟炎そのものが直接不妊の原因になることは少ないとされています。ただし、症状が強い場合や再発を繰り返す場合には、性交時の不快感や治療中断など、妊活に影響することがあります。

カンジダ腟炎については「カンジダ腟炎は不妊に影響する?妊活中に注意したい症状と治療を解説」のコラムで詳しく解説しています。

萎縮性腟炎(老人性腟炎)

【不妊・妊娠との関連:低い】
エストロゲンの低下により腟粘膜が薄くなり、乾燥や炎症が起こる状態を指します。閉経後の女性に多く見られますが、ホルモン分泌が低下している若年層でも起こることがあります。
直接的に不妊と関係するケースは少ないものの、腟内環境の変化により違和感や痛みが出ることがあります。

非感染性腟炎(刺激・アレルギーなど)

【不妊・妊娠との関連:低い】
洗浄のしすぎ、石けんやナプキンによる刺激、下着の蒸れなどが原因で起こる腟炎です。感染症ではないため、抗菌薬が不要な場合もあります。
生活習慣の見直しで改善することが多く、不妊との直接的な関連は低いとされています。

腟炎と妊娠・不妊との関係

腟炎は多くの女性が経験する身近な疾患ですが、種類や状態によっては、妊娠や不妊治療に影響する可能性があります。すべての腟炎が直接的に不妊の原因になるわけではありませんが、腟内環境の乱れが続くことで、妊娠しやすい状態が損なわれる場合があるため注意が必要です。

腟内環境の乱れが妊娠に影響する理由

腟内には、善玉菌(乳酸菌)を中心とした常在菌が存在し、弱酸性の環境を保つことで外部からの感染を防いでいます。腟炎によってこのバランスが崩れると、炎症が起こりやすくなり、精子の通過や受精、着床の過程に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
特に細菌性腟症などでは、自覚症状が軽いまま炎症が持続することがあり、知らないうちに妊娠しにくい状態になっているケースもあります。

腟炎が不妊につながる可能性があるケース

腟炎そのものが直接不妊の原因となることは多くありませんが、炎症が長期間続いた場合や、子宮頸管・子宮内へ波及した場合には、不妊の一因となる可能性があります。
例えば、子宮頸管の炎症は精子の通過を妨げたり、受精環境に影響を与えたりすることがあり、妊娠率の低下につながることがあります。
にしたんARTクリニックでも、不妊治療を進める前に腟炎や子宮頸管の状態を確認し、必要に応じて治療を行うことで、妊娠しやすい環境を整えることを重視しています。

妊娠中・妊活中に腟炎がある場合の注意点

妊娠中に腟炎が起こると、症状の程度によっては早産や感染リスクが高まる可能性があるとされています。また、妊活中の場合も、腟炎の症状を放置したまま治療を進めると、体外受精や胚移植のタイミングに影響することがあります。
そのため、妊娠を希望している場合や不妊治療を検討している場合は、かゆみやおりものの変化など、軽い症状であっても早めに医療機関を受診することが大切です。

おりものの変化については「妊娠初期のおりものの変化とは?月経前や性感染症との違いを解説」のページで詳しく解説しています。

すべての腟炎が妊娠を妨げるわけではない

カンジダ腟炎のように、直接的な不妊原因になりにくいとされている腟炎もあります。ただし、症状が強い場合や再発を繰り返す場合には、性交時の痛みや不快感によって妊活がスムーズに進まないこともあります。
重要なのは、「腟炎がある=妊娠できない」と過度に不安になることではなく、原因を正しく診断し、必要な治療を受けることです。

妊娠を目指すために大切なこと

腟炎と妊娠・不妊の関係は一人ひとり異なります。症状の有無や種類、炎症の程度によって対応は変わるため、自己判断せず、専門的な視点で評価することが安心につながります。
にしたんARTクリニックでは、妊活や不妊治療を進める中で、腟内環境を含めた体の状態を総合的に確認し、必要に応じて適切な検査や治療を行っています。不安や気になる症状がある場合は、早めに相談することが大切です。

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