妊活
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妊娠すると、体にさまざまな変化が起こります。おりものの変化もそのひとつです。ただ、おりものは妊娠したとき以外にも月経周期や性感染症などで変化が見られるため、「妊娠したのかな?」「それとも病気?」と不安になる方も多いでしょう。
この記事では、妊娠初期に見られるおりものの変化について紹介し、月経前や性感染症で見られる変化との違いについて解説しますので、妊活の参考にしてください。また、妊活で悩みごとがある場合は、早めに不妊治療専門クリニックへ相談することをおすすめします。
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妊娠初期はおりものの量が増える妊娠初期は血が混ざったおりものが出ることもあるおりものの役割妊活中に知っておきたい「伸びるおりもの」妊娠初期と月経前のおりものの違い気をつけたい性感染症時のおりものの状態おりものによる不快感をケアする方法妊娠1ヵ月から4ヵ月頃の妊娠初期には、おりものの量に変化が生じます。
おりものとは子宮頚部、子宮内膜、腟から出る分泌物で、正式名称を「帯下(たいげ)」といいます。エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増え始める初経前に現れ、時期による変化はあっても、閉経後までは常にエストロゲンの影響を受けながら分泌されています。
月経が安定的に来るようになると、排卵のタイミングでエストロゲンの分泌が増え、おりものも増えるのが一般的です。同様に、妊娠中はエストロゲンが継続的に多く分泌されるため、おりものも多い状態が続きます。
ただし、おりものの量が増えただけで妊娠したかどうかを判断することはできません。おりものの変化には個人差があり、月経前のホルモンバランスや疾患によって引き起こされている可能性もあるため、必ず妊娠検査を行って妊娠の有無を確認しましょう。また、妊娠初期には、おりものの量が増えるほかに以下のような変化が見られます。
なお、妊娠した方に必ず生じる変化は、次の月経が来ないことと、基礎体温が二相にならず高温期が続くことの2つです。それ以外の体の変化は個人差が大きく、感じ方は人それぞれなので注意してください。
妊娠初期のおりものは量が増える傾向にあるほか、さらっとしてよく伸びるようになります。色は白っぽかったり、黄色味を帯びていたりしますが、着床出血がおりものに混じったときに、人によってはピンク色や薄い茶色に見えることもあるでしょう。
着床出血とは、受精卵が子宮内膜にもぐりこんで着床した際に出る少量の出血で、子宮内膜の血管が傷つくことによって起こります。月経で出る血液よりも量が少なく、期間も1〜2日程度と短いため、おりものに混じっていても気づかないことも多く、感じ方には個人差があります。着床出血そのものが起こらない人も多くいるため、血が混ざったおりものがなくても気にしすぎないでください。
ここからは、そもそものおりものの役割について見ていきましょう。おりものには、大きく2つの役割があります。
おりものの大切な役割のひとつは、腟に雑菌や病原菌が侵入するのを防ぐことです。おりものの中には「デーデルライン桿菌」と呼ばれる乳酸菌の仲間が存在し、自浄作用をはたらかせて腟内を酸性に保っています。デーデルライン桿菌が減ると、腟内のpHバランスが崩れてトラブルを起こしやすくなります。
おりもののもうひとつの大切な役割は、精子が子宮にたどり着くのを助けることです。排卵期に分泌されるおりものは粘性が高く、伸びやすい性質があり、精子の子宮頚管への侵入と通り抜けをスムーズにする作用があります。
この時期の伸びるおりものについて詳しくは、次で詳しく解説します。
妊活中に妊娠の確率を上げるためには、排卵日を正しく予測し、適切なタイミングで積極的に性交渉をもつことが大切です。排卵日を予測するには、基礎体温の変化を把握する方法が一般的ですが、おりものの変化を見ることで妊娠の兆候を捉えられることもあります。
それが、排卵の2~3日前に現れる「伸びるおりもの」です。伸びるおりものは通常のおりものより粘度があるゼリーのような状態で、指にとるとよく伸びます。
ただし、伸びるおりものはあくまでも「排卵日が近いかもしれない」ことを知らせるもので、いつが排卵日なのかははっきりとはわかりません。より正確に排卵日を知って妊娠の確率を上げたい場合は、早めに不妊治療専門クリニックを受診し、より詳しい検査受けることをおすすめします。
にしたんARTクリニックで受けられるタイミング法(タイミング指導)は、血液検査のほか経腟超音波検査で、卵子が入っている卵胞の大きさを直接測定し、排卵日を予測することが可能です。気軽に受けられる不妊治療なので、早期に妊娠を目指したい方はぜひご相談ください。
伸びるおりものと、その分泌を増やす方法については、こちらのページをご覧ください。
伸びるおりものと妊娠の関係とは?分泌を増やす方法を紹介
おりものの変化は、通常の月経前にも起こります。妊活中の場合、月経前におりものの変化があると、「妊娠した?」「それとも月経が来る?」と、判断がつきにくくもどかしい思いをされることもあるでしょう。
妊娠初期と月経前のおりものの違いのポイントは「量」と「形状」です。
前述したとおり、妊娠初期のおりものは、エストロゲンの影響で分泌量が増加します。色は着床出血で赤っぽくなることがありますが、基本的には白濁またはクリーム色で、酸っぱいにおいを強く感じるでしょう。一方、月経前は黄体期でエストロゲンの分泌が減るため、おりものの量は減り、粘度は高くなるのが一般的です。
妊娠初期 | 月経前 | |
---|---|---|
量 | 多い | 少ない |
色・形状 | 白濁、クリーム色でサラサラとしている | 白濁していて粘り気が強い |
におい | 酸っぱいにおいが強くなる | 酸っぱいにおい |
「おりものがいつもと違う」と感じる場合、妊娠以外の原因も疑う必要があります。特に妊活中は、性感染症には注意が必要です。
性感染症とは、性的接触によって感染する可能性がある感染症の総称で、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒及び淋菌感染症などがあります。最近では、1948年以降は減少傾向にあった梅毒の患者数が急増していることが報告されており、2024年には感染症法に基づく検査が始まって以来過去最高の患者数となっています。
※出典 厚生労働省「性感染症」
性感染症になると、かゆみや痛みといった症状が出ることに加え、種類によっては不妊につながったり、神経や臓器に合併症が発生したりします。特に、妊娠を考えている女性が罹患した場合、母子感染して胎児に先天性障害の原因になることがあるため、予防と早期発見・早期治療が重要です。
また、性感染症の治療は、お互いにうつしあわないよう、ご夫婦(カップル)がいっしょに治療しなければいけません。薬の効き具合などによっては治療期間が長期化する場合もあります。妊活中の貴重な時間をロスしないよう、おりものなどにいつもと違う変化が現れたら、早めに検査を受けましょう。
性感染症時に見られるおりものの変化は下記のとおりです。
おりものの量、色、におい | 代表的な症状 | 性感染症 |
---|---|---|
白くポロポロとしたカッテージチーズ状で、量が多い | ・外陰部や腟の強いかゆみや、焼けるような熱さ ・外陰部の赤み、むくみ | カンジダ腟炎 |
黄色や黄緑色で量が多く、量が多い | 感染しても約半数は自覚症状がない | 淋菌感染症 |
泡状で、色は黄色や緑色、灰色。泡立ちが見られる。「アミン臭」という、魚の腐ったようなにおいがする | かゆみ、痛み(ないことも多い) | トリコモナス腟炎 |
色は黄色や緑色、灰色。生臭いにおい | 軽いかゆみやかぶれ | 細菌性腟炎 |
黄色や緑色で、量が増える | 女性は自覚症状に乏しい | クラミジア |
おりものは、体の中で起きている変化を伝える重要な役割を果たしています。ムレやかゆみ、においなどによる不快感を上手に解消して、うまく付き合っていきましょう。おりものの不快感をケアする方法は、下記のとおりです。
デリケートゾーンは、入浴時にヒダの中まで丁寧に洗い、清潔を保つことが大切です。洗浄力が強い一般的なボディソープではなく、デリケートゾーン専用の弱酸性ソープを使い、指の腹で丁寧に洗いましょう。
ただし、腟の自浄作用を担う常在菌を守るため、洗いすぎは禁物です。洗浄便座のビデ機能も使いすぎには気を付けてください。
デリケートゾーンのムレやにおいは、多湿な環境が原因です。通気性の悪い下着で覆われていると特に気になりやすいので、できるだけ通気性の良い素材の下着を選び、締め付けの少ない服装を心掛けましょう。可能であれば、下着をこまめに変えることによっても不快感を抑えることができます。
特に月経のときは、おりものだけでなく経血や汗が増えてよりムレやすくなるため、ナプキンの交換頻度を上げると良いでしょう。
おりものの不快感には、おりものの吸収に特化したおりものシートの活用がおすすめです。おりものシートはパンティライナーとも呼ばれ、月経用ナプキンのように下着につけて使用します。
月経用ナプキンよりも薄いのでつけていても気になりにくく、おりものによるにおいや下着の汚れを防ぐことができます。ただし、おりものシートもつけっぱなしにすると、よりムレる原因になります。コンパクトで持ち運びもしやすいので、外出時には数枚持ち歩いてこまめに取り換えるようにしてください。
おりものには体の変化が表れるため、普段から様子をチェックすることで変化に気づくことができます。とはいえ、自己流での妊活では判断が難しいため、「排卵期がわからない」「何度かトライしているけれどなかなか妊娠しない」「もしかして不妊症かも」とお悩みの方は、早めに不妊治療専門のクリニックを受診しましょう。
不妊治療専門のクリニックでは、必要な検査を行い、妊娠に影響を及ぼす可能性がある疾患をすみやかに治療して妊娠の可能性を高めることができます。
全国にあるにしたんARTクリニックでは、患者さま一人ひとりのお悩みは思いにしっかり耳を傾け、適切な検査で妊活をサポートしています。少しでも不安があれば、仕事帰りなどにもアクセスしやすいにしたんARTクリニックでぜひご相談ください。
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