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排卵検査薬の種類や正しい使い方のほか使用するメリットを解説

排卵検査薬の種類や正しい使い方のほか使用するメリットを解説

妊娠の成功率を上げるためには、排卵日付近の性交渉が大切だということは、よく知られています。性交渉のタイミングを決めるために、基礎体温やアプリなどで排卵日を予測している方も多いのではないでしょうか。

排卵日をより正確に予測するには「排卵検査薬」が知られています。
この記事では、排卵検査薬の詳細や種類、使用するメリット、使い方を解説します。ご自身で基礎体温やアプリで予測して妊活を行ってもなかなか妊娠に至らないという方は、不妊治療クリニックへの通院をご検討ください。まずは、排卵検査薬を正しく使用する方法を理解しましょう。

排卵検査薬とは、排卵日を予測する検査薬のこと

排卵検査薬とは、最も妊娠しやすい排卵日を予測する検査薬のことです。排卵検査薬は、スティックの先端にある採尿部に尿をかけることで、排卵日がわかる仕組みで、排卵1~2日前に陽性が出ます。最も妊娠の確率が高まるのは排卵の2日前といわれているため、排卵検査薬で陽性が出たら、その当日と翌日に性交渉を持つのがおすすめです。

排卵検査薬は、尿中のLH(黄体形成ホルモン)の濃度を測定して、LHが急激に増加する現象であるLHサージを捉えることで、排卵日を予測する仕組みです。
LHは、排卵に関係なく少量ずつ分泌されています。しかし、排卵の36~48時間前になると、排卵を起こす指令を下すために、脳下垂体から卵巣に向かってLHが大量に分泌され、このLHの分泌量が急増する現象をLHサージといいます。

LHサージと排卵の関係

LHサージについては、こちらのページをご覧ください。
LHサージとは?排卵が起こる仕組みを知って妊娠率を上げよう

妊活において排卵日を予測することは重要ですが、月経周期が安定している方でないと、基礎体温やアプリを使用して排卵日を予測するのは難しいものです。一方で、月経周期とは関係なく使える排卵検査薬であれば、より手軽に正確な排卵日予測ができます。

なお、排卵検査薬は、医療機関でも経腟超音波検査とともに使用し、排卵日を特定することもあり、自身で排卵日を予測する方法の中では、精度の高い予測方法だといえるでしょう。

排卵検査薬の種類

排卵検査薬には、病院で処方されるものと、ドラッグストアなどで販売されているものがあります。排卵検査薬は元々医療用医薬品として取り扱われていましたが、2016年9月から一般用医薬品(第1類医薬品)にカテゴリーが変わり、ドラッグストアでも販売されるようになりました。

市販の排卵検査薬は数種類あり、日本製だけでなく海外製のものもあります。メーカーや商品によって、内容や使用方法が異なるので、説明書等をよく確認してから使用しましょう。

日本製のものは、やや価格が高めながら、プラスチックのスティック状で使いやすいという特徴があります。排卵検査薬を初めて使用する場合は、日本製のものを試してみるのがおすすめです。

海外製のものは、紙製のスティックタイプが多く少し使いにくいものの、日本製に比べて安く手に入り、長期間使用する場合にはコストパフォーマンスの高さで選ばれることがあります。また、日本製よりも海外製の方が、陽性反応が出やすいのも特徴です。感度が高いと早いタイミングで陽性反応が出るので、海外製で陽性が出たら、日本製で確認するという使い方もできます。

病院で処方される排卵検査薬は、購入場所によって保険の適用が変わります。医療機関で医師の判断にもとづいて排卵検査薬を院内で使用した場合は、医療保険の適用対象です。しかし、医療機関を受診して発行された処方箋により、薬局で排卵検査薬を購入した場合は、保険が効かないのでご注意ください。

排卵検査薬を使用するメリット

排卵検査薬の一番のメリットは、月経周期が一定でない方でも、排卵日を予測できることです。周期によって月経開始日が3~4日程ずれる方の場合、基礎体温やアプリによる正確な排卵日の予測は難しいものの、排卵検査薬を使えば、ある程度排卵日を特定できます。

妊娠を望んでいたとしても、男女ともに忙しい現代では、頻回に性交渉を持つことは難しいものです。そうしたカップルでも排卵検査薬を使えば、妊娠の可能性が高いタイミングを知ることができ、効率的に性交渉を持てるようになるため、妊娠も期待できるでしょう。

ただし、不妊治療中の方や、月経不順の方などは、排卵日を正確に予測できないかもしれません。排卵検査薬を使っても、ずっと陽性または陰性が続く場合は、早めに不妊治療専門クリニックに相談してください。全国にあるにしたんARTクリニックでは、カウンセリングで詳しく不妊治療についてお伝えしています。

排卵検査薬の正しい使い方

排卵検査薬は、正しく使用しなければ正確な判定ができなかったり、検査回数が無駄に増えてしまったりするので注意が必要です。ここでは、排卵検査薬の正しい使い方を説明します。

日本製の排卵検査薬のほとんどは、次の月経開始の17日前から使用するよう、説明書に記載されています。月経周期がほぼ一定の方であれば、説明書に沿って使用すれば問題ありません。

月経周期が一定でない方の場合は、2~3周期分の月経周期を確認し、一番短かった周期を目安にします。一番短い月経周期から18を引いた日(28日周期であれば月経開始から10日目)から使用を開始してください。月経周期のばらつきが大きいほど、排卵検査薬を使う回数が多くなります。コスト面や手間などを考え、不妊治療を視野に入れるなら不妊治療専門のクリニックに相談するのもおすすめです。

排卵検査薬の詳しい使い方は、次のとおりです。より正確な判定のため、毎日同じ時間帯に検査するよう意識してください。なお、検査薬によって使い方が異なるケースもあるため、使用の際は必ず説明書を確認しましょう。

1.排卵検査薬に尿をかける

排卵検査薬のスティックの先端にある採尿部に尿をかけます。何秒間かける必要があるかは、製品ごとに違うので、説明書をよく確認してください。清潔な紙コップなどの容器に尿をとり、採尿部をひたす方法でも検査可能です。

2.水平にして結果を待つ

排卵検査薬を水平な場所に置き、判定結果を待ちます。判定までにかかる時間は製品ごとに違うので、説明書を確認しましょう。確認する時間が早すぎたり遅すぎたりすると、判定結果が正しくないおそれがあります。

3.判定結果を確認する

説明書にある判定時間が経過したら、判定窓を観察して陽性か陰性か確認しましょう。判定の表示は、製品ごとに異なりますが、一般的なのは判定窓に、検査が有効かを示す「コントロールライン」と、LHサージを判定する「テストライン」の2本が現れるタイプです。2本の線の有無や色の濃淡によって、陽性か陰性かを判定します。
陽性の場合は、排卵の1~2日前を意味するため、当日または翌日に性交渉を行うことで、妊娠の可能性が高まります。

判定結果の見方

もし、排卵検査薬の判定結果がずっと陽性になる場合は、LHの分泌の多い状態が続いているおそれがあるため、一度婦人科への受診が必要です。LHの数値がずっと高い状態の場合、卵巣内に小さな卵胞がたくさんあることで卵胞が育たないPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)や、40歳未満で卵巣機能が低下して無月経になってしまうPOI(早発卵巣不全)の可能性があります。
一方、排卵検査薬の判定結果が周期内でずっと陰性の場合は、使用した排卵検査薬が不良品の可能性もありますが、排卵障害による無排卵ということもあるので、不妊治療を視野に入れるなら不妊治療専門のクリニックを受診してください。

排卵検査薬を使用しても妊娠に至らない場合は?

排卵検査薬で陽性が出た当日、または翌日に性交渉を行い、半年程経っても妊娠に至らない場合は、不妊治療を視野に入れて、不妊治療専門のクリニックを受診してみましょう。不妊治療のファーストステップとして検討されることの多いタイミング法(タイミング指導)では、クリニックでの検査結果をもとにして排卵日を予測するため、排卵検査薬よりも高い精度で性交渉に適したタイミングを知ることができます。まずは、タイミング法から挑戦し、それでも妊娠が難しい場合は次のステップを検討してみてください。

不妊治療は、不妊症かなと思ったら少しでも早く始めることで妊娠の可能性を高められます。初期検査の結果次第で、すぐに体外受精(IVF/ふりかけ法)や顕微授精(ICSI/イクシー)などの生殖補助医療(ART)から不妊治療を始める可能性もあります。何かの理由で通常の排卵が起こっていなかったり、卵子や精子の状態が良くなかったりする場合は、排卵検査薬の結果をもとに妊活を続けていても、妊娠は難しいかもしれません。自己判断に頼らず、早めに不妊治療専門クリニックに相談してください。

不妊治療のステップ

タイミング法については、こちらのページをご覧ください。
タイミング法は自然妊娠に近い不妊治療。成功率の上げるポイントは?

排卵検査薬を使っても妊娠に至らない場合はクリニックを受診しましょう

排卵検査薬は、排卵を促すLHの上昇を検知して、排卵日を予測できる検査薬です。排卵検査薬を使用して、排卵日を予測してから性交渉を行うことは、妊娠への近道になるでしょう。ただし、半年程使用して、排卵日のタイミングで性交渉を行っても妊娠に至らない場合は、何かしらの不妊リスクが潜んでいる可能性もあります。年齢とともに妊娠率は下がるため、少しでも早く不妊治療を検討することが重要です。自己判断に頼りすぎず、不妊治療専門のクリニックに相談してください。

全国にあるにしたんARTクリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添った治療を心掛けています。正確な排卵日予測によるタイミング法も実施しているので、妊活をスタートした方や、自己流のタイミング予測がうまくいかない方は、一度ご相談ください。なお、にしたんARTクリニックなら、無料のカウンセリングを何度でも受けることができます。妊活や不妊治療に対する不安や悩みに寄り添ったサポートを行いますので、まずは無料カウンセリングをご予約ください。

この記事の監修者

にしたんARTクリニック
カウンセラー

松澤邦子

日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー。にしたんARTクリニックで、多くの患者さまのカウンセリングを担当。患者さまが安心して不妊治療を受けられる体制づくりに従事している。

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