妊活
更新日:
妊娠検査薬は、妊娠の可能性を自宅で手軽に確かめることができる便利な試薬です。正しく使用すれば精度は高いものの、推奨される検査時期よりも早く使用する「フライング検査」をすると、不正確な結果が出る可能性があります。フライング検査をした結果、「陽性だったのに、後日検査したら陰性になった」といった混乱を経験する方も少なくありません。
この記事では、妊娠検査薬の正しい使い方や、フライング検査のデメリット、妊娠検査薬で陽性・陰性の結果が出た後の対応について詳しく解説します。
ページコンテンツ
妊娠検査薬とは、妊娠の可能性を調べるための試薬推奨時期より早い検査をフライング検査と呼ぶ妊娠検査薬のフライング検査のデメリットもう一度検査が必要な可能性がある妊娠検査薬のフライング検査で陽性が出たときの対応妊娠検査薬のフライング検査で陰性が出たときの対応妊娠検査薬での結果が何度も陰性になる方はにしたんARTクリニックへご相談ください妊娠検査薬は、妊娠の可能性を調べるための試薬で、薬局やドラッグストア、インターネットで市販されていて、簡単に購入できます。適切なタイミングで正しく使用すれば、精度は99%と正確な結果が得られるとされています。
妊娠検査薬は、妊娠が成立したときに分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という性腺刺激ホルモンが尿中にあるかを調べて、妊娠の有無を判定します。受精卵(胚)が子宮内膜に着床し、胎盤が作られると、その一部である絨毛組織からhCGが分泌され始めます。尿中のhCGの濃度が一定以上になると、妊娠検査薬が陽性反応を示す仕組みです。
一般的な妊娠検査薬は、hCGの濃度が50mIU/mL以上で陽性となるように作られています。しかし、hCGの分泌量には個人差があり、分泌量が少ない場合や、測定時期が早すぎる場合は、妊娠しているにもかかわらず陰性になることもあります。もし陰性反応が出たとしても、妊娠の可能性がある場合は、産婦人科を受診してみましょう。
なお、一般的な妊娠検査薬の使い方は次のとおりです。商品によって使用方法が異なる場合があるため、必ず各商品の説明書を確認してから検査を行ってください。
hCGについては、こちらのページをご覧ください。
妊娠時に産生されるhCGとは?不妊治療での役割も解説
妊娠検査薬で正しい結果を得るためには、適切なタイミングで検査することが重要です。
一般的な妊娠検査薬は、月経開始予定日から1週間以降に使用することが推奨されています。このタイミングではhCGの分泌量が十分に増えているため、正確な判定がしやすくなります。
ただし、月経不順の方は排卵日がずれている可能性があるため、排卵日付近で性交渉した日から3週間後を目安に検査をするとより確実です。
フライング検査とは、妊娠検査薬の推奨使用時期よりも早く検査を行うことを指します。一般的な妊娠検査薬は、月経開始予定日から1週間以降の使用が推奨されていますが、「少しでも早く結果を知りたい」と気がはやり、予定日より前に検査をしてしまう方も少なくありません。
しかし、フライング検査は、誤判定のリスクが高くなってしまいます。hCGの分泌量には個人差があるため、実際には妊娠していても、フライング検査では陰性と出てしまうことがあるので、各妊娠検査薬が推奨する使用時期を守ってください。
早く妊娠しているかどうかを確かめたい方のために、「早期妊娠検査薬」と呼ばれる製品も販売されています。一般的な妊娠検査薬は、hCGが50mIU/mL以上になった時点で陽性反応を示しますが、早期妊娠検査薬は25mIU/mLで反応するのが特徴です。
しかし、早期妊娠検査薬の精度は通常の妊娠検査薬よりも低いため、月経開始予定日を過ぎてから正しい時期に検査することをおすすめします。
妊娠を望んでいる方の多くは、「できるだけ早く結果を知りたい」と思うものです。特に、月経予定日が近づくと「妊娠しているかを確かめたい」という気持ちが強くなり、推奨時期よりも早く妊娠検査薬を試す方も少なくありません。
しかし、早すぎる検査によって不確実な結果が出てしまい、かえって不安を招いてしまうこともあります。ここでは、フライング検査による主なデメリットについて解説します。
フライング検査では、妊娠の有無を判断するためのhCGの濃度がまだ低い時期に検査を行うため、実際には妊娠しているのに陰性と判定されることがあります。この時点で「妊娠していない」と思い込んでしまうと、必要以上に落ち込んでしまうこともあるでしょう。
反対に陽性と判定されたとしても、その後に月経が来るケースもあります。これは「化学流産」と呼ばれ、受精卵(胚)が一時的に着床したものの、その後成長が続かずに妊娠が継続しなかった状態です。化学流産は決して珍しいことではなく、多くの人が気づかないうちに経験している可能性があり、医学的には一般的な流産とは分けて考えられています。
フライング検査の結果だけを鵜呑みにすると、期待や不安を抱えることになるため、正確な時期に検査を行うことが大切です。
フライング検査で陽性反応が出ると、「すぐに病院で赤ちゃんを確かめたい」「クリニックで判定してほしい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。一般的に、産婦人科では、尿検査や血液検査、そして経腟超音波検査を組み合わせて慎重に妊娠判定を行います。しかし、妊娠5週未満では経腟超音波検査をしても胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)が見えないことも多く、正式な妊娠の診断ができません。
そのため、フライング検査で陽性を確認してすぐに産婦人科を受診したとしても、あらためて後日受診することになるケースがほとんどです。何度も通院する手間が増えるだけでなく、「赤ちゃんはちゃんと育っている?」「流産してしまったかもしれない」といった不安な時間が長引いてしまう可能性もあります。
確実に妊娠を確認するためには、妊娠5週目以降(月経予定日から1週間以降)に受診することが推奨されます。
フライング検査は、hCGの分泌がまだ不安定な段階で検査するため、検査薬の結果が見た目で「薄い陽性」となることがあります。これは、検査薬のテストライン(判定部分)がしっかりと反応せず、わずかに色がつく程度の状態を指します。時間が経つにつれてうっすらと線が見えてくることもありますが、このような場合、陽性かどうかの判断が難しいため、数日後にもう一度検査する必要があるでしょう。
このような曖昧な結果による不安を避けるためにも、適切な時期に検査することが重要です。
フライング検査で陽性反応が出た場合、まずは落ち着いて結果を受け止めることが大切です。フライング検査の結果が誤判定の可能性があることを理解しておく必要があります。
基本的にフライング検査はおすすめできませんが、フライング検査で陽性反応が出た場合は、次のポイントを意識して慎重に対応するようにしましょう。
フライング検査で陽性が出たとしても、妊娠が確定したとはいえません。確実な結果を得るために、月経予定日を1週間過ぎた後に、あらためて検査することをおすすめします。
月経開始予定日から1週間以降であれば、hCGの分泌が十分に増えているため、より精度の高い判定が可能になります。特に、検査薬の陽性反応が薄かった場合は、数日後に再度検査を行うことで、より確実な結果が得られるでしょう。
フライング検査で陽性が出た場合、妊娠の可能性を考え、無理のない生活を心掛けることが大切です。特に、おなかや足元の冷えには注意し、暖かい服装や腹巻き、靴下などを活用して体を温めましょう。
また、締めつけの強い服を避けて血流を妨げないようにすることも重要です。さらに、ストレスはホルモンバランスに影響を与えるため、リラックスできる時間を作り、心身ともに穏やかに過ごすことを意識してください。
基本的に妊娠検査薬で陽性が出た場合、産婦人科を受診して正式に妊娠を確認します。しかし、妊娠5週未満では経腟超音波検査をしても胎嚢をまだ確認できないことが多く、確定診断を受けるのが難しい場合もあります。
そのため、フライング検査で陽性が出ても、焦ってすぐにクリニックへ行くのではなく、月経開始予定日の1週間後まで待ってから受診するのが理想的です。
フライング検査で陰性が出た場合でも、妊娠の可能性が完全になくなったわけではありません。フライング検査は、妊娠判定の鍵となるhCGの分泌がまだ十分でない時期に行われるため、本来は陽性でも陰性と判定されてしまう可能性があります。
ここでは、フライング検査で陰性が出た際に取るべき行動について解説します。
フライング検査で陰性だった場合でも、その時点では妊娠判定が早すぎた可能性もあります。hCGの分泌量には個人差があり、排卵がずれていたり、着床に時間がかかったりした場合、妊娠していても月経予定日より前の検査では、尿中に十分なhCGの濃度が検出されないこともあります。
そのため、月経予定日を過ぎても月経が来ない場合は、月経開始予定日の1週間後を目安に再度妊娠検査薬を試してみましょう。
妊娠検査薬を正しく使用し、再検査をしても陰性の場合は、今回は妊娠していない可能性が高いでしょう。しばらくすれば、次の月経がくるはずです。
月経がこない場合は、産婦人科か婦人科を受診することをおすすめします。月経が遅れる原因はさまざまですが、ホルモンバランスの乱れや無排卵周期、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)などの婦人科系疾患が影響している可能性も考えられます。過度なストレスや生活習慣の変化、急激なダイエットなどが原因でホルモンの分泌が乱れ、一時的に排卵が遅れることもありますが、何度も月経が不規則になる場合は、放置せず医師に相談することが大切です。
特に、妊娠を希望している場合は、月経不順の原因を明確にし、妊娠するために必要な治療やアドバイスを受けることで、妊娠しやすい体づくりにつながります。不妊治療専門クリニックにぜひご相談ください。
もし妊娠していなかった場合は、気持ちを切り替え、次の排卵周期に向けて準備を進めましょう。特に、早期の妊娠を希望する場合や、妊活を1年以上続けても自然妊娠に至らない場合、ご夫婦(カップル)の年齢が35歳以上の場合は、早めに不妊治療専門のクリニックを受診することをおすすめします。不妊症の場合、早めの治療開始が妊娠の可能性を高めるため、少しでも早くクリニックに受診することが、妊娠への近道です。
また、ご自身の排卵のタイミングを把握することも、妊娠の可能性を高めるために重要です。基礎体温を記録する習慣をつけることで、排卵日を予測しやすくなり、妊娠の可能性が高まる時期を見極められます。併せて、排卵検査薬を活用すると、より正確に排卵のタイミングを知ることも可能です。
さらに、妊娠しやすい体づくりのためには、生活習慣を整えることも大切です。栄養バランスの取れた食事を意識し、体を冷やさないように心掛けてください。血行を促進するために軽い運動を取り入れたり、ストレスを溜め込まないようリラックスできる時間を持ったりすることも、ホルモンバランスを整え、妊娠しやすい状態をつくるのに役立ちます。
妊娠検査薬を何度使用しても陰性が続く場合、不妊の可能性を考える必要があります。特に、1年以上妊活を続けても自然妊娠に至らない場合は、不妊治療を検討することが望ましいでしょう。
男女ともに年齢が上がるにつれ、妊娠の可能性は低下していきます。早めに不妊治療を開始することが妊娠への近道となるため、まずはご夫婦(カップル)で不妊治療専門のクリニックを受診するのがおすすめです。
にしたんARTクリニックでは、妊活中の方や妊娠を希望する方に向けて無料カウンセリングを実施しています。治療中は何度でもカウンセリングを受けられるため、不安なことや疑問をその都度相談可能です。
「なかなか妊娠できない」「自己流の妊活では不安」という方は、にしたんARTクリニックへご相談ください。
にしたんARTクリニックでの
治療をお考えの方へ
患者さまに寄り添った治療を行い、より良い結果が得られるよう、まずは無料カウンセリングにてお話をお聞かせください。下記の「初回予約」ボタンからご予約いただけます。