各種検査
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不妊治療を行っていてもなかなか妊娠が成立しない場合や、流産を繰り返す場合は、慢性子宮内膜炎に感染している可能性があります。慢性子宮内膜炎は、一般的な検査では発見が難しいものの、CD138検査を受けることで診断可能です。
この記事では、CD138検査の特徴や対象となる方、検査費用について紹介するとともに、慢性子宮内膜炎が不妊にどのように関係しているかについて、詳しく解説します。
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そもそも慢性子宮内膜炎ってどんな疾患?CD138検査とは、慢性子宮内膜炎の有無を調べるための検査CD138検査の流れCD138検査で陽性だったら?不妊治療の結果が出ない場合は、CD138検査を検討してみてください慢性子宮内膜炎は子宮内膜の深部である基底層に細菌が侵入して、子宮内膜に長期間軽度な炎症が続く疾患です。まれに少量の性器出血や下腹部・骨盤に軽い痛みを伴うことがありますが、症状がほとんどないことから一般的な婦人科検査では見つかりにくいという特徴があります。
慢性子宮内膜炎になると、妊娠における重要なステップである着床を妨げるだけでなく、妊娠後の胎児の成長に影響を与え、流産のリスクを高める可能性があります。自然治癒することはほとんどありませんので、適切な検査と治療を受けることが重要です。
慢性子宮内膜炎は主に細菌感染が原因で発症します。多くの場合、腟から子宮内に細菌が侵入することで感染が起こります。
細菌が腟から子宮内に侵入する主な経路は下記のとおりです。
原因となる細菌には、大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、クラミジア、淋菌などが含まれます。また、分娩後や流産後、閉経後などは、子宮内膜が定期的にはがれ落ちなくなるため、細菌感染が起こりやすい状態になるといわれています。
慢性子宮内膜炎は、不妊症の方に一定の割合で見られる疾患です。特に、着床不全、原因不明不妊症、反復流産の方の発症が多く見られます。
前述のとおり、慢性子宮内膜炎は自然に治ることはほとんどありませんが、適切な治療を受ければ改善する疾患のため、慢性子宮内膜炎だからといって、必ずしも妊娠できないわけではありません。
CD138検査を受け、慢性子宮内膜炎を早期に発見して適切な治療を受ければ、妊娠の可能性を高められます。胚移植を複数回行ってもなかなか妊娠に至らない方や、流産を繰り返している方は、早めに医師に相談することをおすすめします。
CD138検査とは、慢性子宮内膜炎の有無を調べるための検査です。
CD138検査は、子宮内膜の細胞を採取して行う検査です。慢性子宮内膜炎の症状がある際に増加するCD138という形質細胞を染色してその数をカウントし、慢性子宮内膜炎に感染していないか調べます。
具体的には、400倍に拡大した視野の顕微鏡下で観察し、10~20視野あたり5個以上のCD138細胞が確認される場合、慢性子宮内膜炎と診断されます。ただし、この診断基準に関しては、現時点では明確に定義されていないため、検査を受けたクリニックの医師の判断に委ねられる点を知っておきましょう。
CD138検査は、下記のような方を対象に行われます。
慢性子宮内膜炎は自覚症状がほとんどなく、通常の検査では発見が難しい疾患です。不妊の原因が明確にわからない場合は、CD138検査を受けることで新たな治療法を検討できる可能性があります。
CD138検査の費用の一般的な相場は1万~2万円程度です。費用は、各医療機関によって異なるため、検査を検討する際は、事前に費用を確認することをおすすめします。
にしたんARTクリニックでは、子宮内膜炎組織検査+CD138検査を11,000円(自費診療)で実施しています。なお、CD138検査は不妊治療の一環として行う検査のため、CD138検査のみを受けることはできません。予めご了承ください。
CD138検査の費用については、こちらのページをご覧ください。
各種検査費
CD138検査は、子宮内膜の細胞を採取して検査します。ここからは、にしたんARTクリニックでのCD138検査の流れをご紹介します。
CD138検査は内診台で行われます。まずは検査前に、腟や子宮の入り口を洗浄して清潔な状態にします。
子宮内膜採取用の器具を使用して、子宮内膜の細胞を採取します。この過程で、月経痛のような痛みや少量の出血を伴うことがあるため、痛みが心配な方は事前に医師に相談しましょう。
なお、検査自体はスムーズに進めば1分程度で終了します。
検査当日は子宮や腟から出血するおそれがあるため、月経用のナプキンをお持ちいただくと安心です。
採取した子宮内膜の細胞を、CD138細胞だけが識別できる特殊なマーカーで染色し、顕微鏡で観察します。400倍に拡大した顕微鏡下で観察し、10~20視野あたり5個以上の形質細胞が確認された場合、慢性子宮内膜炎と診断されます。
約3週間後に検査結果がわかります。再度来院し、検査結果をもとに慢性子宮内膜炎の治療方針や不妊治療の計画を立てます。
CD138検査で陽性と診断された場合、抗生剤を使った治療が一般的です。この治療では、慢性子宮内膜炎の原因となる細菌を退治するため、抗菌薬を約2週間内服します。適切な治療を受ければ、約90%の方が改善するといわれています。
治療後には、慢性子宮内膜炎が改善されているかを確認するために、再検査が必要です。なお、抗生剤は胎児に影響を与えるリスクがあるため、内服中に性交渉する際は必ず避妊しましょう。
また、抗生剤には副作用が出る場合もあるため、服用中に体調の変化を感じたら、すぐに医師へ相談してください。
不妊治療を続けていてもなかなか妊娠に至らない場合や、妊娠しても流産を繰り返してしまう場合は、慢性子宮内膜炎を発症している可能性があります。もし、不妊治療を行っても妊娠や妊娠の継続が難しい場合は、CD138検査を受ければ、慢性子宮内膜炎の有無を確認できます。発症していた場合は、適切な治療を行えば妊娠の可能性を高められるでしょう。
にしたんARTクリニックでは、全院でCD138検査を実施しています。無料カウンセリングは何回でも利用できるため、不妊のお悩みがある方はまずはお気軽にご相談ください。
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