学会参加レポート

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第24回 日本不妊カウンセリング学会 学術集会 参加レポート

第24回 日本不妊カウンセリング学会 学術集会 参加レポート

5月18日(日)、東京都千代田区の日本教育会館一ツ橋ホールで開催された、第24回 日本不妊カウンセリング学会 学術集会「未来を見据えるプレコンセプションケア」に、にしたんARTクリニックのカウンセラーが参加し一般公演を行いました。発表のテーマは「働く女性に寄り添う不妊治療を目指して~当院の取り組みとその実践~」にしたんARTクリニック名古屋駅前院・京都院・大阪院・うめきた院のカウンセラーたちが協力し合い内容をまとめました。今回のコラムではその内容をご紹介したいと思います。

日本不妊カウンセリング学会とは?

日本不妊カウンセリング学会は、2002年に設立され、不妊で悩む人々が最適な不妊治療を選択できるよう、不妊カウンセリングやケアの発展と普及を目指す特定非営利活動法人です。不妊カウンセラーや体外受精コーディネーターの養成講座の開催や認定も行っています。

発表テーマ「働く女性に寄り添う不妊治療を目指して 当院の取り組みとその実践」

にしたんARTクリニックの発表内容をご紹介します。このテーマを選んだ背景として、日本では働く女性の割合が年々増え、令和5年には75%と過去最高となっている一方、不妊治療と仕事の両立は難しく、通院回数の多さや職場の理解不足などが課題になっています。そのため、両立を支援する仕組みの整備が求められています。
そこで「にしたんARTクリニックの施策が働く女性に特化した医療を実際に提供できているかを検証」することを目的として今回の研究をおこないました。

にしたんARTクリニックの施策とその影響を調べるためのアンケート

現代の日本における不妊治療の課題を踏まえ、にしたんARTクリニックでは、以下の4つの施策を行っています。

  • 平日夜22時まで診療(仕事帰りでも受診可能)
  • 土日祝も診療(忙しい方でも通いやすい)
  • 通いやすい立地(アクセス良好)
  • 夕刻での採卵対応(午後の半休のみで採卵が出来る)

にしたんARTクリニックのこの施策が、働く女性に対してどのように影響しているかを把握するため、2つのアンケートを実施しました。

①満足度アンケート

  1. 現在の就労状況
  2. 平日22時までの診療満足度
  3. 土日祝日診療満足度
  4. 立地満足度

②夕刻採卵アンケート

  • 夕刻採卵満足度

①満足度アンケート

1つ目は満足度アンケートです。
対象者には目的を明示して同意を得た後、メールにて回答を収集しています。患者さまの就労状況とにしたんARTクリニックの施策の満足度を、5を最高評価として5段階で評価していただきました。

「1.現在の就労状況」に関して

88%が就労中という結果が得られました。多くの患者さまが、仕事と両立をしながら治療をしているという現状がうかがえます。

「2.平日22時までの診療満足度」に関して

89%の方が5をつけています。
仕事帰りに通院できることや、有休を取らずに仕事との両立ができる、夜仕事帰りにパートナーと一緒に通院できるといった点も回答に上がっていました。

「3.土日祝日診療満足度」について

91%の方に評価していただいています。
休診日がないため「治療機会を逃さない」というイメージが評価につながっていると思われます。体のリズムに定休日はないので、周期を無駄にすることなく治療に臨める環境は患者さまにとって安心感につながるようです。また、仕事との両立ができる、パートナーと通いやすいといった回答もいただいています。

「4.立地満足度」について

88%の方から高い満足度が示されました。
患者さまにとって通いやすい立地も、治療を受けやすくなるポイントといえることがわかります。
立地が良いため、駅構内から直接向かうことができ、各線からも近いので、市外在住でも通いやすい。また都心に位置しているため、仕事との両立ができる、通院前後に買い物や外食も楽しめるという意見がありました。

②夕刻採卵アンケート

2件目はこちらのアンケートです。夕刻に行う採卵の満足度を、5を最高評価として5段階で評価していただきました。66.7%の方が4以上の評価を付けています。
午前より午後の方が休みやすいという回答が多く、仕事との両立がしやすかったとの回答も多くありました。

診療時間の柔軟性とその影響

  1. 夜間・週末診療による患者さまの負担軽減
  2. 治療機会の増加で早期対応が可能
  3. 夫婦での治療参加の促進により治療継続率向上
  4. 利便性の高い立地による患者さまの通院負担軽減
  5. 午後半休+夕方の処置で会社を1日休まずに治療可能

2つのアンケートから、夜間や週末の診療は患者さまの負担を軽減し、治療機会が増えることで、早期の対応が可能になると考えられます。
さらに、夫婦で治療に参加することで、患者さまの心理的負担が軽減され、治療を継続しやすくなっていることも分かりました。
また、利便性の高い立地により、通院に対して最低限の負担で治療を続けられるという回答もありました。

にしたんARTクリニックの取り組み~カウンセリング体制の重要性と福利厚生導入促進~

にしたんARTクリニックでは、カウンセリングを通じて治療過程における心理的負担を軽減し、継続的なサポートを提供することで、患者さまが安心して治療を継続できる環境づくりに取り組んでいます。
また、企業の福利厚生としてAMH検査(卵巣年齢検査)の導入を推進し、この制度を採用する企業が増加しています。その結果、働く女性が自身の将来の妊娠について早期に考え、適切な選択を行える環境が徐々に整いつつあります。

にしたんARTクリニックのカウンセリング

にしたんARTクリニックでは、患者さまの心理的負担を軽減し、より安心して治療を受けられる環境を整えるために、初診前と通院中の異なった心情の患者さまに対して2つのカウンセリング体制を導入しています。

初診前カウンセリング

医師の診療に先立ち、カウンセラーが患者さまの気持ちを受け止め、治療への不安を和らげます。

傾聴カウンセリング

患者さまの精神的負担を軽減し、自己肯定感を高めることで、夫婦関係の改善につながり、治療継続率の向上も期待できます。

福利厚生としてのAMH検査

にしたんARTクリニックでは、企業向けにAMH検査の導入相談を受け付ける窓口を設置しています。企業の福利厚生としての活用方法や従業員への周知方法についてのサポートも提供しています。

企業側のメリット

従業員の健康とライフプランに配慮した福利厚生を提供することで、働く環境への安心感が生まれ満足度やモチベーションが向上します。

従業員側のメリット

検査結果をもとに、必要に応じて早めに不妊治療や卵子凍結を視野に入れ将来の選択肢を確保できます。情報を得ることで適切なタイミングで行動を起こしやすくなります。

にしたんARTクリニック側のメリット

企業の福利厚生としてAMH検査を提供することで、企業の従業員がクリニックを利用する機会が増え、新規患者の来院が期待されます。

当発表のまとめ

にしたんARTクリニックでは、これまでの内容のまとめとして以下の3点が重要であると考えています。

  • 診療時間の柔軟性は働く女性にとって有効
  • 社会全体で不妊治療支援の強化が必要
  • さらなる改善に向けて今後も取り組みを継続

今後の課題として、医療機関だけでなく、社会全体で不妊治療を必要とする方を支える体制が重要だと考えます。さらに、社会全体の支援があれば、より多くの人が不妊治療に参加しやすくなり、企業の理解により治療を受けながら働くことも可能になってきます。

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