不妊症

更新日:

男性不妊の特徴とは?見た目の違いやなりやすい人のほか治療法を解説

男性不妊の特徴とは?見た目の違いやなりやすい人のほか治療法を解説

男性不妊は、陰嚢や精液の見た目に特徴が現れる場合もあります。自分で気づくことができれば、不妊の早期発見につながり、早く治療に取りかることができます。
不妊のうち48%は男性側に原因があり、男性不妊は決して珍しくありません。「もしかして」と思ったら、早めに不妊治療専門のクリニックを受診し、詳しい検査をして適切な治療につなげましょう。
この記事では、見た目でわかる男性不妊の特徴や自覚症状、治療法などについて広く解説します。男性不妊かもしれない、と感じている方は参考にしてください。

男性不妊とは、男性側に原因がある不妊症のこと

男性不妊とは、避妊をせず定期的な性交渉を1年以上続けても妊娠に至らない場合に、その原因が男性側にあるケースのことです。
男性不妊と指摘されると、「まさか自分が」とショックを受けたり、責任感とプレッシャーに苛まれたりするかもしれませんが、男性不妊は珍しくありません。できるだけ早く原因を突き止めて、治療を開始することが大切です。

男女の不妊原因の比率

見た目や違和感でわかる、男性不妊のサイン

男性不妊は、見た目の変化や違和感で気づける場合があります。ただし、見た目に変化がなくても男性不妊が隠れていることは多いため、なかなか妊娠しない場合は夫婦で相談していっしょに不妊治療専門のクリニックを受診することをおすすめします。
ここでは、自覚しやすい男性不妊のサインについて紹介します。

陰嚢の見た目

男性不妊の原因の多くを占める精巣静脈瘤は、陰嚢の外側に変化が表れやすいです。以下のような変化が見られたら、精巣静脈瘤を疑って検査を受けてみると良いでしょう。なお、精巣静脈瘤は、主に左側に症状が現れることも発見を助けるポイントです。

精巣静脈瘤がある場合の陰嚢の変化

  • 陰嚢に左右差がある
  • 陰嚢が垂れている
  • 陰嚢の表面に凸凹があったり、ミミズが張っているような血管が見えたりする

精液の見た目

健康な成人男性の精液量の平均は約3mLで、自然妊娠が期待できる精液量の基準は1.4mL以上とされています。精液量が1.4mLより少ない場合、精液に含まれる精子の数も少ないことが予想され、不妊の原因になる逆行性射精なども疑われます。
また、精液の色も男性不妊を見つける方法のひとつです。

赤っぽい場合

精液の通り道にある腫瘍からの出血、血管が破れることによる出血などが考えられます。腫瘍は直接的な不妊の原因になるため、手術をして取り除かなければなりません。良性の出血であっても、精液に血液が混じると、精子の運動率低下につながることもあります。

濁っていない場合

通常、精液は白く濁っています。精子が少ないと精液が透き通ることがあり、注意が必要です。

精巣静脈瘤のよくある自覚症状

精巣静脈瘤は見た目に変化が現れやすい疾患ですが、初期段階や軽症の場合は特徴的な変化が見られないこともあります。
腫れや凸凹が見られない場合も、以下のような症状があれば、精巣静脈瘤や炎症をはじめとした何らかの不妊原因が隠れているかもしれないため、早期の受診をおすすめします。

精巣静脈瘤のよくある症状

  • 陰嚢が熱を持っている
  • 陰嚢の痛み
  • 陰嚢の違和感
  • 陰嚢の熱感や痛みから始まる全身の発熱、陰嚢の膿
  • 性欲減退
  • 勃起障害(ED)

男性不妊を引き起こす原因

男性不妊の原因は多岐にわたり、障害の種類によって大きく以下の4つに分類されます。

造精機能障害

造精機能障害は、男性不妊の原因の大半を占める障害です。精子をつくる機能に障害が起き、精子の減少、運動率や質の低下が起こります。造精機能障害を引き起こす要因は、主に以下の通りです。

造精機能障害を引き起こす要因

  • 精巣静脈瘤
  • ホルモン値異常
  • 染色体異常、遺伝子疾患
  • 感染症(性感染症など)
  • 他の疾患などで服用している薬剤の副作用

なお、男性不妊の多くは原因不明の造精機能障害です。検査で精子が少なかったり動きが悪かったりしても、上記に該当する原因がない場合、環境(喫煙、過度のアルコール、肥満、ストレス、サウナなど高温の環境)が影響している可能性があります。

造精機能障害

精路通過障害

射精までの通路に何らかの異常があり、射精した精液の中に精子が確認されない状態です。先天性の疾患のほか、鼠径ヘルニアの手術で精管がふさがって起こることもあります。

精路通過障害

性機能障害

身体的・精神的な理由で勃起できない、勃起できても維持できない、勃起はするが射精に至らない、といった状態を性機能障害といいます。性機能障害には、性交渉を持つために十分な勃起がなされない、あるいは持続できない状態である勃起障害(ED)のほか、マスターベーションでは射精できるが腟内では射精できない腟内射精障害、射精したはずの精液が膀胱内に流れ込んでしまう逆行性射精といった射精障害があります。

そのほかの男性不妊の要因

本来なら異物を排除する役割を持つ自己免疫が、自分の正常な細胞や組織に反応して攻撃してしまう自己免疫性疾患も男性不妊の原因のひとつです。自己免疫が抗精子抗体を作り出すと、精子の形成が妨害されたり、精子の動きが悪くなったりします。

男性不妊になりやすい人の特徴

男性不妊は、生活習慣や病歴などからなりやすさを推測できます。ここからは、男性不妊になりやすい人の特徴を紹介します。男性不妊になりやすい方の特徴は、下記のとおりです。

精巣に悪影響を及ぼす生活をしている方

後天的な男性不妊の要因のひとつに、生活習慣があります。喫煙や過度な飲酒、ストレスの多い生活をしている方は、改善を心掛けましょう。
改善すべき生活習慣について、詳しくは後述します。

該当する病歴がある方

次に挙げるような病歴や手術歴がある場合、精子の通り道や精子の数に影響が出るかもしれません。

男性不妊につながりやすい既往歴

  • クラミジア
  • 尿道炎
  • 鼠径ヘルニアの手術

男性ホルモンが低下している方

加齢などで男性ホルモンが低下し、バランスが乱れると、造精機能に影響が出かねません。ホルモンバランスの変化は、いわゆる「男性らしさ」を象徴する筋肉や、体毛などに注目するとキャッチしやすいでしょう。筋肉が減ってきている、体毛が薄くなってきた、といった場合は、男性ホルモンが減少しているサインかもしれません。

体調不良やストレスが慢性化している方

精巣は高温に弱いため、インフルエンザなどの高熱は精子数の減少に関与します。通常は一時的なもので、数カ月で改善することが多いため、回復を待ってから再度検査をしてください。
血流の悪化も、精巣の温度の上昇を招きます。ストレスや体調不良が慢性化していると血流が悪化しやすいため、軽い運動などで血行を促進すると良いでしょう。

特定の薬を服用している方

薬剤の種類によっては、男性不妊につながる可能性があります。
AGA治療薬のプロペシア、前立腺肥大症の治療薬であるデュタステリドなどを服用している方は、かかりつけ医に相談しましょう。

男性不妊の治療

精子の数が少ない、運動率が極めて低いといった男性不妊は、自然妊娠やタイミング法での妊娠はかなり難しいといえるでしょう。原因が明らかな場合は手術やホルモン療法で治療をした上で、人工授精(AIH)、体外受精(IVF/ふりかけ法)、顕微授精(ICSI/イクシー)などに進むのが一般的です。ご夫婦(カップル)でどのような妊活、不妊治療をしていきたいかを話し合い、情報を集めて早期に行動に移すことをおすすめします。

いずれの治療も、にしたんARTクリニックで受けることができます。それぞれの不妊治療法について、下記で解説します。

人工授精(AIH)

精子を採取して洗浄・濃縮した後、妊娠の可能性が高い日を選んで子宮へ注入します。「人工」といっても、医療的な介入は精子が子宮に到達するのをサポートするだけなので、自然妊娠に近い方法だといえます。

体外受精(IVF/ふりかけ法)

体外受精は、取り出した卵子に精子をふりかけて受精を促し、受精卵を卵巣に戻す方法です。
男性不妊が明らかな場合は、体外受精から始めることが多いでしょう。

顕微授精(ICSI/イクシー)

顕微授精は、体外受精で妊娠が成立しないときに選択される方法です。顕微鏡下で卵子1個に精子1個を注入し、培養させた受精卵(胚)を卵巣に戻します。卵子1個に対して質の良い精子が1個あれば受精が望めるため、男性不妊にも有効です。

いずれの方法も、治療すれば必ず妊娠するわけではありません。妊娠の可能性を高めるためにも、早期にクリニックに相談することをおすすめします。

にしたんARTクリニックの不妊治療については、こちらのページをご覧ください。
治療・検査

男性不妊の方におすすめの生活習慣の改善

男性不妊には、生活習慣も深く影響しています。男性不妊とわかったら、不妊治療と並行して生活習慣を改善しましょう。具体的には、下記のような取り組みがおすすめです。

禁煙する

喫煙は精子の質を低下させるほか、副流煙を吸い込むパートナーの健康にも悪影響を及ぼします。妊活を始めたら禁煙が必須です。

節酒・禁酒する

アルコールと男性不妊の関係に明確なエビデンスはありませんが、過度な飲酒は精液量や精子の正常形態率を低下させるとの報告もあります。
飲酒は適量を心掛けましょう。

バランスの良い食生活を心掛ける

食生活を見直し、体に良い栄養素をバランスよくとりましょう。精液量の増加につながる栄養素の積極的な摂取もおすすめです。

精液量を増やすには?妊活のために質の良い精子を作る方法

適度に運動する

適度な運動は、精子の質の改善につながります。ウォーキングやストレッチなど、軽めの運動を継続するようにしてください。また、適切な筋トレは男性不妊の改善に有効といわれ、精子の質を向上させ、妊娠率と出産率を高める可能性があります

ストレスを溜めない

ストレスは、勃起障害や射精障害などの機能不全の原因になります。趣味や良質な睡眠で、うまくストレスを解消しましょう。

高温環境を避け、下半身を涼しく保つ

長時間高温環境下にいると、精巣の機能が低下します。妊活中はサウナなど高温の環境を避け、精巣の温度を体温より2〜4℃低い状態に保ちましょう。

また、下半身の圧迫も精巣機能を悪化させます。座りっぱなしは避け、締め付けのない下着を着用してください。

質の良い睡眠をとる

質の良い睡眠は、男性ホルモンの分泌を促し、精子の質や量を改善する重要な要素です。睡眠不足や不規則な生活は、ホルモンバランスを崩し、精巣機能の低下につながる可能性があります。

特に深い眠り(ノンレム睡眠)の間にホルモンの分泌が活発になるため、暗めの照明や快適な室温、静かな環境を整え、毎日同じ時間帯に寝るなど規則正しい生活を心掛けてください。

育毛剤の使用を控える

一部の育毛剤には、男性ホルモンに影響を与える成分が含まれており、精子の質や量に悪影響を及ぼす可能性があります。不妊治療を考えている場合は、育毛剤の使用を見直すことが大切です。

不妊治療中の場合は、AGA治療を一時的に中断するか、代替方法を検討しましょう。頭皮マッサージや栄養バランスの取れた食事、ストレス管理などで育毛をサポートするのもおすすめです。ホルモンに影響を与えにくい、天然由来の成分を含む製品を選んでください。

「不妊かも?」と思ったらおふたりでにしたんARTクリニックにご相談ください

男性不妊は、原因を明らかにした上で適切な治療をすれば改善が見込めるほか、早期に治療すれば改善が可能です。ご夫婦(カップル)で妊活や不妊と向き合うことを決めたら、お近くの不妊治療専門クリニックに相談することをおすすめします。

不妊治療を選ぶなら、おふたりで通いやすいクリニックを選ぶことが大切です。全国にあるにしたんARTクリニックは全院が主要駅から歩いてすぐで通いやすいのが特徴です。患者さま一人ひとりの不妊の原因や背景に寄り添い、それぞれに合った治療法を提案いたします。初期検査で男性不妊が認められた場合は、専門の泌尿器科を紹介し、治療完了後に不妊治療がスタートします。はじめての不妊治療で不安な方も、まずは無料のカウンセリングをご予約ください。

にしたんARTクリニックでの
治療をお考えの方へ

患者さまに寄り添った治療を行い、より良い結果が得られるよう、まずは無料カウンセリングにてお話をお聞かせください。下記の「初回予約」ボタンからご予約いただけます。

初回予約