人工授精

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人工授精から10日目に妊娠初期症状はある?検査薬を使うタイミング

人工授精から10日目に妊娠初期症状はある?検査薬を使うタイミング

人工授精(AIH)を行ってから、どれくらいの日数で妊娠が確定するのか、待ちきれないという方は少なくありません。人工授精から1週間、あるいは10日程経って、妊娠検査薬を使ってみようかと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、結論からお伝えすると、その頃にはまだ妊娠を判定することはできません。それでも、体の中では妊娠に向けてさまざまな変化が起こっています。

この記事では、人工授精から10日目に体の中で起こっていることや、妊娠初期に見られる症状、妊娠検査薬を使用するタイミングなどを解説します。

人工授精から10日目は着床が完了する頃

人工授精から10日目は、ちょうど受精卵(胚)の着床が完了する頃です。

妊娠は、卵子と精子が無事に受精しただけでは成立しません。受精卵(胚)が子宮内膜に着床することで、初めて妊娠が成立します。着床は、細胞分裂をしながら子宮へ移動した受精卵(胚)が、子宮内膜に絨毛を刺して根を下ろし、もぐり込んでいく現象です。受精卵(胚)は、着床することでようやく母体から栄養を受け取れるようになります。なお、受精から着床までは通常1週間から12日程かかるといわれています。

人工授精の場合、排卵前に精子を注入するのが一般的です。卵子が受精できるのは排卵から約24時間のあいだとされているため、実際に受精が完了するのは人工授精を行った日から数日ずれている可能性もあります。人工授精が月経周期の12~14日目に行われたとすると、そこからさらに1週間から12日経った頃、月経周期の3~4週目が着床完了時期の目安となるでしょう。ただし、妊娠の判定ができるようになるにはもう少し時間がかかります。

人工授精から10日目以降に表れる妊娠の超初期症状

人工授精を行ってから10日目頃、つまり着床が完了する妊娠4週目(月経開始日から4週程度)までの期間は、医学的に確立された専門用語はないものの、一般的に「妊娠超初期」と呼ばれます。妊娠超初期には体に妊娠の兆候が表れる場合があり、その兆候を知っておきたいという方も多いでしょう。ここでは、妊娠の超初期症状について詳しく紹介します。

まれに出血することがある

妊娠の超初期といえる着床の前後では、少量の出血をすることがあり、これを着床出血といいます。着床出血は、受精卵(胚)が着床する際、絨毛によって子宮内膜が傷つけられてしまうために起こる出血です。次の月経開始日と近い時期に起こるため、月経と混同するかもしれませんが、着床出血は微量なので、量に注目してみてください。出血する期間も着床中の1~2日程度と、とても短い期間です。
なお、着床出血は必ず起こるわけではないので、出血がなかったからといって、妊娠していないのではないかと不安に思う必要はありません。

受精から着床までの流れと着床出血

基礎体温が上がり、高温期が続く

受精卵(胚)が着床した妊娠の超初期には、基礎体温が上昇し、その後に高温期が続きます。
これは、妊娠を継続させるために、子宮内膜の環境を維持するプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が続くからです。
女性の体温は高温期と低温期を繰り返しており、通常は月経の3~4日前から体温が低下し始めます。そのため、次の月経周期が始まる頃でも高体温が続くようであれば、妊娠超初期に入っている可能性があります。普段から基礎体温を測ることで、変化に気づきやすくなるでしょう。

妊娠した場合の基礎体温の変化

次の月経が来ない

妊娠超初期の終わり頃は、通常であれば次の月経開始予定日にあたる時期です。この頃に月経が来ない場合は、妊娠の可能性があります。ただし、月経開始予定日に月経が来なかったからといって、すぐに妊娠だと決めつけることはできません。月経開始予定日から1週間程度は様子を見るようにしましょう。

おりものが増え、水っぽくなる

妊娠超初期には、おりものの量が増え、状態も水っぽくなります。これは、妊娠によってE2(エストロゲン/卵胞ホルモン)の分泌が増加するためです。人によっては、おりものの色が白濁したり、黄色っぽく変化したりするほか、酸っぱいにおいを感じるようになることもあります。

常に眠気を感じる

妊娠超初期には、プロゲステロンの分泌が増加し、日中にも強い眠気を感じることが多いといわれています。プロゲステロンには、妊娠を継続させるために子宮の環境を整える作用があり、子宮内膜を厚くしたり、体温を上げたり、乳腺を発達させたりします。通常、体温は夜になるほど下がり、体を深い眠りに導きますが、妊娠すると夜になっても体温が高いままになり、睡眠の質が下がって、日中に眠気を感じてしまうのです。また、プロゲステロンそのものに催眠効果があるともいわれています。

イライラしたり落ち込んだりする

ホルモンバランスの急激な変化により、感情のコントロールが難しくなるのも妊娠超初期の特徴です。些細なことが気になってイライラする、気分が落ち込む、疲れやすさを感じるなど、PMS(月経前症候群)の症状と似ていることも少なくありません。体や感情の変化にストレスを感じることがあったとしても、妊娠の兆候かもしれないと考えて、できるだけリラックスして過ごすことが大切です。

腰が痛くなる

妊娠超初期には、腰の違和感や腰痛を覚えることがあります。着床の頃に起こる腰痛は、子宮が受精卵(胚)を受け止めるために子宮内膜を厚くし、さらに収縮を繰り返して大きくなっていくために起こると考えられています。また、妊娠が成立すると、プロゲステロンの作用によって骨盤周りの関節がゆるくなり、鈍い痛みを感じることも少なくありません。

人工授精後に妊娠検査薬を使うタイミング

人工授精を行った後に妊娠超初期の兆候があったとしても、妊娠検査薬を使用するのは、次の月経開始予定日を1週間は過ぎてからにしましょう。妊娠検査薬は、受精卵(胚)が着床すると分泌されるhCG(human chorionic gonadotropin:ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンに反応します。hCGは着床から約1週間で検知可能となるため、市販の妊娠検査薬には「月経開始予定日の1週間後から使用可能」と記載されている場合がほとんどです。

人工授精を行った場合であれば、人工授精日から2~3週間後に妊娠検査薬で陽性反応が確認できる可能性があります。妊娠検査薬を使用するタイミングが早すぎると、たとえ妊娠していてもhCGが基準値に達しておらず陰性になることがあるため、あわてずに月経開始予定日から1週間は待ってみるのが賢明です。

なお、妊娠検査薬で陽性反応が確認できたら、クリニックで妊娠判定に必要な検査を受けることができます。クリニックの妊娠判定は血液検査に加え、超音波検査で赤ちゃんの胎嚢を確認して確定されます。

人工授精後の妊娠超初期に気をつけること

人工授精を行った日から、着床・妊娠が確定するまでの期間は、赤ちゃんの重要な器官が形成される大切な時期にもあたります。クリニックでの妊娠判定を受けるまでは落ち着かないかもしれませんが、下記の点に注意して過ごしましょう。

妊娠超初期の注意点

  • 体を温める
  • 栄養バランスの良い食事をとる
  • 十分な睡眠を確保する
  • カフェインやアルコールの摂取を控える
  • 喫煙はしない
  • 常用薬がある場合は医師に相談する

また、女性の体は妊娠すると免疫力が下がるため、感染症には注意が必要です。一般的に妊娠中の性交渉は問題ないとされていますが、性感染症のリスクが高まるため、避妊具を装着することが推奨されています。なお、精液には子宮を収縮させる作用があるため、過去に流産・早産の経験がある方や、不正出血がある方は、妊娠超初期の性交渉は避けることをおすすめします。

受精から着床までに気をつけることについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
受精から着床までに気をつけることとは?妊娠のメカニズムを解説

人工授精(AIH)でなかなか妊娠しないとお悩みの方は、
にしたんARTクリニックまでご相談ください

人工授精から10日目頃は、無事に受精していれば、ちょうど着床が完了し、妊娠の兆候が表れ始める時期です。妊娠がわかるまではもう少し時間がかかるので、気にしすぎずゆったりとした気持ちで過ごしましょう。

何度か人工授精を行っていても、なかなか妊娠に至らないとお悩みの方は、生殖補助医療(ART)を検討してもよいかもしれません。
体外受精(IVF/ふりかけ法)や顕微授精(ICSI/イクシー)へのステップアップについては医師にご相談ください。

にしたんARTクリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添い、お体の状態に合わせた治療方法をご提案します。ステップアップにおいて治療の流れや費用などご不安やご不明な点がないよう全国にあるすべての院で無料カウンセリングを行っておりますので、不妊にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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