OIST(オイスト/卵胞発育強化療法)について

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OIST(オイスト/卵胞発育強化療法)とは、Ovulation Induction Support Therapyの略で、採卵数が少ない・卵が取れない方や卵巣機能の低下が見られる方、採卵はできても胚凍結まで至らない方に対して、卵胞の発育をサポートすることで、将来的な採卵や妊娠の可能性を広げることを目的とした補助的な治療法です。

卵巣の状態を整え、
卵胞の発育を助ける治療

OIST(オイスト/卵胞発育強化療法)は、自然な卵胞発育が困難な方に、卵巣の状態を整えることで卵子が成熟する可能性を高めることを目指す治療法です。AMH値が著しく低い方や卵巣機能低下症の方、年齢が高い方でも、体に負担をかけず行える治療です。
主にエストロゲンなどを投与するホルモン補充療法に加え、末梢循環や卵巣環境を改善するためのサプリメントを併用し卵巣の状態を整えます。卵巣の状態が整ってきたら並行して排卵誘発を行い卵胞の発育を促します。
OISTは、にしたんARTクリニック品川院にて治療が可能となっています。

OIST(卵胞発育強化療法)の
対象となる方

OISTは卵巣機能が低下していると診断された方に対して、医師の判断のもと実施される治療です。対象となる方の特徴には、以下のような例が挙げられます。

採卵数が少ない、または少ないと予想される方

通常の卵巣刺激をしても、卵胞がほとんど育たない、または1個のみしか採れないなどのケース。

採卵を繰り返しても胚凍結に至らない方

採卵で卵子が採れ受精もするが、胚の発育が途中で止まってしまうなど、卵子に質的な課題がある方。

AMH値が極端に低い方

AMH (抗ミュラー管ホルモン)の数値は卵巣予備能を示す指標です。例えばAMHが0.1ng/mlを切っている方もOISTの対象になります。

卵巣機能低下症(DOR)や早発卵巣不全(POI)/早期閉経(POD)の方

月経不順や無月経の方、卵巣機能低下症(Diminished Ovarian Reserve:DOR)や、早発卵巣不全(Primary Ovarian Insufficiency:POI)/早期閉経(Premature Ovarian Dysfunction:POD)のような卵巣予備能の低下と診断されている方も対象となる治療法です。

POSEIDON分類のグループ3または4に該当する方

POSEIDON分類とは卵巣刺激への反応が乏しい「低卵巣反応」の定義に基づく分類で、体外受精での治療成績が上がりにくいグループです。

卵巣刺激低反応基準(POSEIDON)

Group1

35歳未満
AFC≧5,AMH≧1.2ng/mlであるが
標準的な卵巣刺激の卵胞において回収卵子数≦9個

Group2

35歳以上
AFC≧5,AMH≧1.2ng/mlであるが
標準的な卵巣刺激の卵胞において回収卵子数≦9個

Group3

35歳未満
AFC<5または
AMH<1.2ng/mlの患者

Group4

35歳以上
AFC<5または
AMH<1.2ng/mlの患者

OIST(卵胞発育強化療法)を行う
メリット

身体への負担少なく卵巣環境の改善が期待できる

OISTの主なメリットは、身体にかかる負担が比較的少なく、根本的な卵巣環境の改善を目指せることです。サプリメントやホルモン補充を通じて血流や代謝環境を整え、卵胞が自然に育ちやすい条件を作り出すことが目的ですが、治療には保険適用薬を使用するので、費用を抑えて継続しやすい点が挙げられます。

患者さまの状態に合わせたオーダーメイドな処方

OISTは一律の治療プロトコルではなく、患者さまの体質や治療歴に応じて調整できるオーダーメイドの治療法であることも大きな利点です。周期ごとの体調や卵巣の反応を見ながら治療内容を柔軟に変えられので、個人差に対応できる治療といえます。

OIST(卵胞発育強化療法)を行う
デメリット

治療効果に個人差がある

OISTの効果はすべての方に等しく現れるわけではありません。数日で卵胞の反応が見られるケースもあれば、1〜2カ月かかる場合、また3カ月経っても発育が見られないこともあります。卵巣に残っている原始卵胞の数や卵巣機能の状態により、治療効果には個人差があるため、必ず効果が現れるわけではありません。

通院と自己管理の負担がある

OISTではホルモン投与やサプリメントの服用、自己注射による排卵誘発などを行うため、定期的な通院と日常的な自己管理が必要です。OISTに限らず不妊治療全般にいえる事ですが、通院のためにスケジュール調整や、自己管理は重要なことなので負担に感じることもあるかもしれません

OIST(卵胞発育強化療法)の費用

処方箋料と薬局支払いの費用は、保険適用時 約2000円と自費診療時 約6000円です。

OIST(卵胞発育強化療法)を
受ける上でよくある質問

OISTは排卵誘発法と何が違うのですか?

排卵誘発法は、卵胞に対して直接的に発育を促す外的刺激であり、言い換えるならば「芽を伸ばすために日光と水をしっかり与えること」に相当します。一方、OISTは「根がしっかり張れるように土壌環境を整える(卵巣内部の微小環境を整備する)」イメージです。この両者を組み合わせることで、より確実な卵胞の発育が期待されます。

卵子は増えますか?

卵子の数自体が増えるわけではありませんが、卵巣に眠っている卵胞が成長する「きっかけ」になる可能性は期待できます。採卵時に卵子を採取できる可能性を高めるために卵巣機能の底上げを行う治療とご理解ください。

他のサプリを飲んでいますが併用できますか?

広く市販されている市販のサプリメントでも、影響を与える成分が含まれている可能性があります。OISTをご検討の方は必ず医師にご確認ください。

どのくらいの期間続ければ効果が出ますか?

個人差はありますが、早い方では数日から1カ月程度で卵胞の発育が確認されるケースもあります。また、卵子の成熟には約3カ月かかるため、3カ月かかっても卵胞の成長が見られない場合は効果が無かったと判断します。

OIST(卵胞発育強化療法)の注意点

OISTを検討するにあたって、いくつかの注意点があります。

すべての方が効果を得られるわけではない

繰り返しになりますが、治療を受けたすべての方に必ず効果があるわけではないということご了承ください。卵巣に原始卵胞が残っていることが前提となるため、卵巣機能が著しく低下している場合や、原始卵胞がほぼ枯渇している場合には、効果が期待できない場合もあります。

治療期間中は定期的な通院が必要になる

治療期間中は定期的に卵胞の発育を確認するため、月に数回の通院が必要になります。サプリメントの服用、ホルモン剤の注射なども日々の生活に取り入れていく必要があるため、スケジュール管理が不可欠です。

血栓症や血液疾患がある方は受けられない

血栓症や血液疾患をお持ちの方には治療を実施できない場合があります。エストロゲンの投与や一部のホルモン治療は血栓リスクを高める可能性があるため、事前に健康状態や既往歴の確認が必要です。

にしたんARTクリニックでは品川院のみの治療

にしたんARTクリニックでも品川院のみの取り扱いとなっております。東海エリア・関西エリア・九州エリアでは取り扱っておりませんのでご注意ください。

にしたんARTクリニック品川院のOIST(卵胞発育強化療法)

不妊治療を受けられている方の中で「卵胞が育ちにくい」「卵胞が育たない」という課題を抱えている方は少なくありません。すべての方に効果を保証するものではありませんが、OISTはその卵胞の発育環境の改善に向けた一助となる治療です。にしたんARTクリニック品川院では、患者さまそれぞれの状態に合わせ、オーダーメイドで薬剤やサプリメントを処方いたします。
OISTは採卵をしていても胚凍結にまで至らない方や、卵が採れない・採卵数が少ない方、卵巣機能の低下が見られる方に適応される治療です。OISTにご興味を持たれた方は、にしたんARTクリニック品川院へお気軽にご相談ください。

よくある質問

担当医制ではありません。
患者さまの診察の内容は共有しておりますのでご安心ください。

治療が決まったら採卵日までに必ずお二人揃って面談(約1時間)にお越しください。
面談のご予約はお電話にて受け付けております。クリニックに直接お電話ください。

服用されている薬の種類によって変わる為、一度ご来院ください。

可能です。当院では婚姻関係やそれに類する関係(未入籍、事実婚など)のカップルを対象として治療を行っております。

精液検査は感染症検査の結果(検査後1週間程度)を受けてからの実施になります。感染症検査結果の受取りに合わせ精液検査をご予約いただくとスムーズです。
また他院などで1年以内に実施した検査データをお持ちの場合、ドクターの判断により感染症検査を受けずに精液検査をお受けいただくことも可能です。
※感染症検査項目に関してはお問い合わせください。

にしたんARTクリニックでは、不妊治療を前提として検査を行っているため、基本的に個別の検査はお受けしておりません。もし、検査の必要性をお感じであれば、ご自身で抱え込まず、当院の無料カウンセリングにて、ぜひカウンセラーにご相談ください。
また、ブライダルチェックの場合は、年齢や治療の予定を問わず、すべての女性がお受けいただけます。

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