人工授精

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人工授精後の妊娠判定はいつから可能?正確なタイミングと検査方法

人工授精後の妊娠判定はいつから可能?正確なタイミングと検査方法

人工授精(AIH)後に妊娠検査薬で陽性の反応が出た場合は、クリニックにて超音波検査を受け、胎嚢や心拍の確認を行います。その後、妊娠が確定次第、不妊治療専門のクリニックは卒業です。一方、陰性反応だった場合には、再度同じ治療を行うか、ステップアップをするかを考えることになります。
いずれにせよ、少しでも早く治療の結果を知りたいと思うのは当然のことです。

この記事では、人工授精後の妊娠判定がいつからできるのか、妊娠判定の方法や検査結果が出た後の流れなどを解説します。

人工授精(AIH)とは、精子を子宮内に直接注入する不妊治療のこと

人工授精(AIH)は、夫(パートナー)から採精した精子をクリニックにて洗浄・濃縮し、直接子宮に注入する不妊治療の方法です。一般的には、不妊治療の最初のステップであるタイミング法(タイミング指導)で妊娠に至らず、ステップアップを希望する場合に人工授精を実施します。

人工授精(AIH)

人工授精は、精子が子宮に到達するまでのプロセスをカットできるため、男性・女性それぞれに自然妊娠しにくい問題がある場合でも、妊娠の確率が上がるというメリットがあります。
また、「人工」という名称に抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、医療現場で行うのは精子を子宮に注入して、精子と卵子の出会いの確率を上げるサポートのみで、受精から妊娠までの流れは自然妊娠と変わりません。

人工授精(AIH)の治療スケジュール

人工授精後に妊娠判定をするタイミングを知るために、人工授精の全体的なスケジュールを理解しておきましょう。ここでは、月経周期が約28日の方を例に挙げ、にしたんARTクリニックで人工授精を行う場合のスケジュールと、各ステップで行われる内容について解説します。

人工授精を検討しているご夫婦(カップル)は、まずクリニックにてカウンセリングやスクリーニング検査などを行い、人工授精を実施するか医師と相談の上、決定します。人工授精を行うことが決まったら、下記のスケジュールにて治療を行いますので、参考にしてみてください。

月経の10~12日目:人工授精(AIH)の日程を決める

月経が始まって10~12日目にクリニックを受診し、超音波検査、頸管粘液検査、尿中LH測定などで排卵日を予測します。
卵子が十分に生育していればhCG注射を打ち、排卵を促します。hCG注射を打つと、約36~40時間後に排卵が起こるとされているため、これを目安に人工授精の時間を決定するのです。

月経12~14日目(排卵日の前日~当日):人工授精(AIH)を行う

人工授精当日、夫(パートナー)は採精室で精子を採精するか、自宅で採精した精子をクリニックに持ち込みます。その後、胚培養士が精液検査を実施して問題がなければ、洗浄・濃縮した精子を医師が女性の子宮内にカテーテルを使って直接注入します。

月経14~16日(人工授精(AIH)翌日~2日後):排卵の確認

人工授精の翌日から2日後に、クリニックを受診し、排卵したかどうか確認します。排卵の有無は、超音波検査で確認します。

月経28日目以降(人工授精(AIH)から14日目以降):妊娠判定

無事、排卵が確認できたら、あとは妊娠成立を待ちます。人工授精後の月経開始予定日を過ぎても月経が来なければ、市販の妊娠検査薬を使用し、妊娠判定を行います。

人工授精(AIH)での妊娠はいつわかる?

人工授精を含め、妊娠判定を行う際は、排卵から2週間程度を目安に実施してください。

妊娠すると、hCG(human chorionic gonadotropin:ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という性腺刺激ホルモンが増え始めます。通常、hCGが著しく産生されるのは妊娠中のみなので、血液中もしくは尿中のhCGの量を測定することで、妊娠の有無を判断できます。

hCGが検出可能な量に達するのは妊娠から4週頃のため、人工授精を終えてから14日目くらいを目安に検査をするのが望ましいでしょう。より正確な結果を得るには、次の月経予定日を過ぎても月経が来なければ妊娠の可能性があると考え、検査をすることをおすすめします。

hCGについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
妊娠時に産生されるhCGとは?不妊治療での役割も解説

人工授精(AIH)での妊娠を調べる方法

人工授精後、月経の予定日を過ぎても月経が来ない場合は、市販の妊娠検査薬を用いて検査をしましょう。市販の検査薬も、病院で使う検査薬も、尿中のhCG濃度を測定して陰性・陽性を判断する原理は同じです。

なお、月経予定日当日や翌日に検査をすると、正確な結果が出ないことも少なくありません。ほとんどの市販検査薬のパッケージには、「月経予定日から1週間経ったら検査をしましょう」と書かれています。規定より早めに検査しても正しい結果が出るとは限らないため、十分注意してください。

妊娠検査薬で陽性が確認された場合、クリニックに連絡をして、妊娠の初期検査を行います。超音波検査で子宮内に赤ちゃんを包む胎嚢があることを確認し、正常妊娠しているかどうかを診断する必要があります。

にしたんARTクリニックで人工授精した方で、市販の妊娠検査薬を用いて陽性確認ができた場合は、クリニックにて妊娠初期検査を行いますので、ご予約の上、クリニックにお越しください。

人工授精(AIH)で妊娠できなかったら?

人工授精は、タイミング法で成果が出なかった方でも妊娠の可能性が上がる治療法ですが、劇的に妊娠率が上がるわけではありません。1回では妊娠が成立しないことも多いため、3~4回を目途に継続することをおすすめします。
しばらく人工授精を続けても妊娠に至らない、妊娠が継続しないといった場合は、生殖補助医療(ART)へのステップアップを検討します。

不妊治療のステップ

生殖補助医療とは、卵子を体外に取り出し、体外で精子と受精させる技術の総称です。治療法としては、体外受精(IVF/ふりかけ法)と顕微授精(ICSI/イクシー)の2つがあります。ここでは、体外受精と顕微授精について詳しく解説します。

体外受精(IVF)

体外受精とは、排卵近くまで十分に発育させた卵子を手術で体外に取り出し、夫(パートナー)から採精した精子をふりかけて受精させる治療法です。得られた受精卵(胚)は培養した後、子宮内に移植します。 体外受精の対象は、自然妊娠やタイミング法、人工授精で妊娠が成立しなかったご夫婦(カップル)です。女性側の卵管に異常がある卵管性不妊、卵子が育たなかったり排卵がうまくいかなかったりする排卵障害、男性不妊症などが不妊の原因である場合に、体外受精を選択することになります。

顕微授精(ICSI)

顕微授精は、夫(パートナー)から採取した精液の中から、胚培養士が質の良い精子を1個選び出し、顕微鏡下で確認しながら細いガラス管で卵子に直接注入します。そのため、顕微授精は、元気な精子が1個でもいれば治療を行うことが可能です。
なお、にしたんARTクリニックでは、受精率のさらなる向上が期待できるPIEZO法(ピエゾ法)を顕微授精全例で実施しています。PIEZO法は、顕微授精時に、微細な振動を用いることで、卵子を変形させずに穴を開け、精子を注入させる方法です。

人工授精(AIH)での妊娠を望む方は、
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人工授精後は、治療から14日目くらいを目安に妊娠判定の検査を行いましょう。市販の妊娠検査薬を使い、陽性反応が出たらクリニックを受診して妊娠初期検査を受け、問題なければ不妊治療専門のクリニックを卒業となります。

にしたんARTクリニックでは、ご夫婦(カップル)のご希望に合った不妊治療のプランを提案し、妊娠までをサポートします。なかなか妊娠に至らないと感じる方や、タイミング法での妊娠が難しいと感じている方は、まずは無料カウンセリングにお越しください。

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