学会参加レポート
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にしたんARTクリニック管理胚培養士の遠藤雄史です。
8月28日(木)・29日(金)に、名古屋マリオットアソシアとJRゲートタワーカンファレンスで行われた、第43回日本受精着床学会学術集会に参加したのでご報告いたします。
この学会は日本初の体外受精ベビーが誕生する1年前の1982年に設立され、日本の体外受精の歩みとともに発展してきました。臨床系の発表が多く、医師以外にも多くの胚培養士、看護師、臨床検査技師、農学系研究者たちが、受精並びに着床に関する研究を通じて生殖医学の発展に寄与しています。
そんな歴史ある学会が、なんと!にしたんARTクリニック名古屋駅前院の目の前の名古屋駅上部のホテルで開催されました。立地条件が過去最高に素晴らしく、たくさんの研究者が参加していました。
にしたんARTクリニックとしては下記演題の発表を行いまいした。
①遠心処理不要の膜構造を用いた精子調整用デバイスSwimCount™ Harvesterによる精子選別とcIVF/ICSI治療成績
(にしたんARTクリニック名古屋駅前院:村田康輔、鈴木万理、糟井翼、大本政人、増田知之、遠藤雄史)
②凍結胚盤胞用Ultra Rapidwarm™ Blastは臨床結果を維持して作業時間を削減する
(にしたんARTクリニック名古屋駅前院:糟井翼、鈴木万理、川浪麻綾、髙阪汐里、大本政人、増田知之、遠藤雄史)
両者ともに日本ではほとんど報告がありませんが、簡単でラボフレンドリーな手法で安全に問題なく運用することができています。新しいデバイスやメディウムの使用は慎重に行う必要がありますが、有効性が確認できたものはどんどん取り入れていき、日々新しい医療技術の提供を行って参ります。
5月まで在籍していたにしたんARTクリニック名古屋駅前院のメンバーと再会し、成長した姿を楽しみながら発表サポートをしました。練習もいっぱいしたし、本当によく頑張ったと思います。堂々と発表されて立派でした。
そして、私が今回の学会に参加した一番の目的は『胚培養士の国家資格化について』のセッションがあったからです。私の知人の多くは管理胚培養士なのですが、会うといつもこの話題になります。ともに考え、よりよい方向にもっていきたいので協力してほしいとの要望を受けました。
話題が多岐に上りましたが、私は患者さまと赤ちゃんの安全を守るため、私たち胚培養士を医療事故から守るために、業務独占と公的資格が必要と考えています。
胚培養士は明らかに医療介入しています。卵子/受精卵は命になる可能性を秘めた「細胞」と定義されていますが、患者さまからしてみれば「赤ちゃん」なのです。その想いをしっかりと認識して私たち胚培養士は職務を全うしなければいけません。
また、離職率が高い現場では教育体制の構築と組織作りが急務な課題として浮かび上がりました。にしたんARTクリニックに置き換えて考えても、上記は避けて通れない課題として認識しており、特に新人たちには手厚いサポート体制の構築を急いでいます。
日本における胚培養士の認定制度の経緯、資格要件、更新・凍結制度、育成方法の課題と展望について整理し、今後の方向性を議論しまた。
今回の第43回日本受精着床学会学術集会には、全国のにしたんARTクリニックで働く胚培養士も参加しました。学会に参加した胚培養士から感想が届いているので何名分かご紹介します。
今回学会に参加させていただき、少子化が進む日本で不妊治療を取り巻く環境も大きく変化していることを感じました。
日本中の医師や培養士たちと出会い、交流を深めることができました。全国のみなさんと共に「少子化」という困難を乗り越えていきたいと思います。
今後も積極的に学会参加して、研鑽を積んでまいります。
遠藤雄史 Ph.D.
学術顧問/管理胚培養士
にしたんARTクリニック京都院
にしたんARTクリニックでの
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