卵子凍結

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卵子凍結は何歳まで可能?メリット・デメリットや注意点を解説

卵子凍結は何歳まで可能?メリット・デメリットや注意点を解説

加齢などの影響で機能が低下する前の卵子を採取し、妊娠・出産を希望するタイミングまで凍結保存しておくことを卵子凍結といいます。
卵子凍結には、病気の治療で妊娠する力が失われる場合に選択される「医学的適応」と、健康な女性が加齢による卵子の機能低下を防ぐために行う「社会的適応」とがあります。

近年は女性の社会進出に伴い、キャリア形成やパートナー探しのタイミングに合わせて自主的に卵子凍結を選択するケースが増えてきました。

本記事では、社会的適応による卵子凍結に適した年齢や実施可能な年齢の上限のほか、メリット・デメリットについて解説します。

卵子凍結は40歳までに行うのがおすすめ

卵子凍結とは、将来の妊娠・出産に備えて質の良い卵子を採取し、凍結保存しておくことです。
少子化対策の一環として、 東京都が卵子凍結費用を新年度予算に計上したことで、社会的適応による卵子凍結にこれまで以上に注目が集まるようになりました。

社会的適応による卵子の凍結保存は、将来的には妊娠・出産を望む可能性があるが、諸事情により現時点では難しいという場合に行われます。社会的適応による卵子凍結の対象となる具体的な理由は下記のとおりです。

社会的適応による卵子凍結を行う理由

  • 今はキャリアを優先したいから
  • 現時点ではパートナーがいないから
  • 将来の妊娠に備えて選択肢のひとつとして

社会的適応による卵子の凍結保存が選択される背景には、年齢を重ねると卵子の数と質のほか、性機能や生殖器、内分泌などの機能が低下し、若いときに比べて妊孕性(妊娠する力)が衰えて妊娠しづらくなることが関係しています。

上の図のとおり、妊娠率を維持できるのは34歳までが一般的です。そのため、妊娠を後回しにして年齢を重ねると、自然に妊娠できる確率が低くなるリスクを知っておく必要があります。
「いずれ妊娠したい」「将来的には、子供が欲しい」という場合、卵子の質が保たれている34歳までに良質な卵子を採取し、凍結保存しておくことが望ましいでしょう。

妊娠を望む時期が来たら卵子を融解し顕微授精(ICSI)する

卵子の凍結保存後、妊娠を希望する時期が来たら、体外受精(IVF)のひとつである顕微授精(ICSI)を行います。
顕微授精は、融解した卵子にパートナーの精子を顕微鏡下で注入し、受精を促す方法です。精子と卵子が順調に受精して胚になったら、子宮に移植して妊娠を待つことになります。

なお、事実婚も対応しておりますが、当院指定の書類の提出が必要です。単身での治療はできないため注意してください。

35歳以上で卵子凍結を行う場合のリスク

35歳以上で卵子凍結を行う場合は、卵子の質の低下を補うための卵子の数が必要になり、費用にも影響してきます。東京都の卵子凍結助成金は39歳までの女性が対象のため、年齢によるデメリットを理解した上で卵子凍結を望む方は申請を検討する必要があるでしょう。
ここでは、できるだけ若いうちに卵子凍結に踏み出したほうが良い理由について解説します。

40歳を過ぎると、卵子凍結をしても流産率が高まる

妊娠率が年齢とともに低下していく一方、流産率は40歳を境に上昇し始めます。このことから、たとえ若いうちに卵子を凍結保存していても、一定の年齢以上での妊娠は難しくなることが推測できます。
妊娠・出産の確率を上げるには、若いうちに卵子を凍結保存することと、できるだけ早いうちに妊娠をすることが重要です。

女性たちが画一化された生き方から解放された今、卵子凍結は自分らしい人生を歩むための手段のひとつです。早いうちに将来の選択肢を確保し、ライフプランの可能性を広げましょう。

卵子凍結の年齢制限や保管期限を設けている場合がある

クリニックによっては、卵子凍結の年齢制限や保管期限を設けている場合があるため注意が必要です。
公益社団法人日本産婦人科学会では、「卵子の凍結保存期間は女性の生殖年齢を超えないこと」と規定しています。生殖年齢とは、一般的に「性成熟期」といわれる18歳から45歳くらいまでが該当し、妊娠・出産に適した年齢のことです。理論的には女性が自然閉経を迎えるまでは妊娠が可能ですが、妊娠・分娩に伴うリスクが高くなるため45歳までとされています。

一般社団法人日本生殖医学会が発表している「社会的適応による未受精卵子あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン」 でも、40歳を超えて卵子を凍結保存すること、および45歳を超えて凍結した未受精卵子を使用することは推奨できないとされており、45歳はひとつの目安になりそうです。

クリニックによっては、独自に卵子凍結の年齢制限や卵子の保管期限を設定している場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
なお、にしたんARTクリニックでは、40歳の方まで卵子凍結可能 です。年齢に不安がある方も、まずはご相談ください。

卵子凍結のメリット

卵子凍結を行う大きなメリットは、若いときに採取し保存した質の良い卵子を使い、妊娠を希望したタイミングで不妊治療を開始できることです。

卵子は、女性が胎児のときから作られ始め、誕生とともに減少の一途をたどります。また、残された卵子も年齢とともに老化するため、20歳のときに排卵した卵子と30歳で排卵した卵子では、妊孕性が大きく異なります。

高齢になると、残っているほとんどの卵子が「受精しても着床できない」あるいは「着床しても流産してしまう」割合が高くなり、妊娠できる確率が著しく低下するのです。しかし、若いうちに凍結保存した卵子を使用すれば、この限りではありません。

例えば、28歳のときに凍結保存した卵子を使用して、38歳から不妊治療を開始する場合、28歳の質をキープした卵子を使用できるため、妊娠の可能性が高まります。

卵子凍結のデメリット

卵子凍結は、女性の将来の選択肢を広げる有効な手段です。しかし、デメリットがないわけではありません。ここからは、卵子凍結のデメリットを解説します。

必ず妊娠につながるとは限らない

卵子凍結は将来的な妊娠・出産の可能性を高める方法ですが、凍結した卵子を使えば必ず妊娠できるわけではありません。凍結した卵子が移植できる胚になる確率は100%ではなく、パートナーの精子の質も大きく影響してくるからです。

卵子凍結から妊娠につなげるために必要な要素

  • 融解した卵子が受精できる状態であること
  • パートナーの精子が正常であること
  • 正常に受精できること
  • 受精卵が移植できる状態まで成長すること
  • 着床した胚が初期流産を乗り越えること

凍結・融解することによる卵子へのリスクがある

卵子の質を維持できる卵子凍結ですが、凍結時や融解時には少なからず卵子へダメージを与えてしまいます。凍結していない卵子に比べるとどうしても質が落ちることは覚悟しておかなくてはいけません。少しでも妊娠の確率を上げるには、保存する卵子の数を増やすことが必要です。

妊娠・出産には年齢の限界がある

卵子凍結によって卵子の質はキープできても、女性の体の機能は加齢とともに低下します。 高齢になるほど、 子宮内膜症や子宮筋腫などの妊娠を阻む疾患や、妊娠高血圧症候群や前置胎盤といった妊娠合併症を発症する確率が高くなり、母体や胎児に悪影響を及ぼすおそれがあります。

自費診療である

卵子凍結は、全額自費診療です。検査や採卵にかかる費用のほか、凍結後も卵子1個あたりの保管料がかかります。また、受精・培養・胚移植の際には別途費用が必要になるため、経済的な負担が大きくなるでしょう。にしたんARTクリニックでは、卵子凍結は44万円~お受けしています。

体に負担がかかる

卵子凍結は、検査から凍結までの各プロセスで体に負担がかかります。まず、術前に血液検査や経腟超音波検査を複数回行う必要があり、注射などが苦手な方は苦痛に感じることがあります。

また、排卵誘発剤を使うことで、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)を起こす可能性もゼロではありません。OHSSとは、卵巣が腫れたり、腹水が溜まったりする排卵誘発剤の副作用で、重症化すると腎不全や血栓症などの合併症を起こすこともあります。さらには、採卵後に感染症にかかったり、出血したりするリスクもあるので注意が必要です。
なお、採卵時の痛みに不安を感じる方もいますが、麻酔をかけることで緩和されるため、過度に心配しなくても良いでしょう。

保管時のリスクがある

卵子凍結は、妊娠・出産を希望するタイミングまで数年にわたって卵子を保存します。そのため、保管時のリスクも存在します。

卵子が保存されているのは-196℃の液体窒素タンクで、理論上は永久に状態を維持することが可能です。しかし、自然災害などによってタンクが破損したり、低温状態を保てなくなったりするリスクはゼロではありません。大切な卵子を保管していたクリニックの経営が立ちいかなくなることもあるでしょう。卵子の凍結保存を依頼する前に、災害時のタンクのバックアップ体制、および凍結卵子が使えなくなった場合の返金規定なども確認しておくと安心です。

卵子凍結のスケジュール

ここからは、にしたんARTクリニックで卵子凍結を行う際の一般的なスケジュールについてご紹介します。実際の流れは、患者さまの状態によって多少異なります。

受診1回目】卵子凍結のカウンセリング・各種検査

まずは、カウンセラーによる無料カウンセリングで治療の流れや費用の説明を受けます。治療内容やリスク、費用面に納得できたら、スクリーニング検査と術前(血液)検査を行います。

【受診2回目】卵子凍結のスケジュールを確定する

受診1回目の検査結果をふまえて、治療のスケジュールを確定します。

【受診3回目】採卵に向け、内服薬や注射で卵子を育てる

月経の2~3日目に来院し、複数の卵子を育てるために内服薬や注射などで排卵誘発剤を投与します。合わせて、ホルモン検査や経腟超音波検査も行います。

【受診4回目以降】採卵前の卵胞チェックをする

その後、3~4日に一度来院し、排卵誘発や採血によるホルモン検査を行います。経腟超音波検査で卵胞をチェックし、排卵日を予測して医師が採卵日を決定します。

採卵・卵子凍結

採卵当日、卵巣から卵子を採取し、液体窒素で凍結保存します。採卵手術は15~30分程で完了します。採卵後はリカバリールームで2~3時間休んだのち、医師の診察と胚培養士による採卵結果の説明があり、その日は終了です。

凍結した卵子は、保存用のタンクに入っている限り、理論上は永久に保存することができますが、毎年49,500円(1年ごとに更新が必要)の凍結保管料がかかるため注意が必要です。

卵子凍結の流れ

卵子凍結をするなら、一番若い「今」が最適!

卵子凍結は、女性のライフプランの多様性を支える重要な選択肢です。将来、子供が欲しくなるかどうかわからないからと何も手を打っておかなければ、「欲しい」と思ったときに後悔するかもしれません。
卵子の質は年々落ちていく上、40歳を境に妊娠そのものの難度も高くなっていきます。卵子の質の変化を踏まえると、34歳までに卵子凍結をするのが望ましいでしょう。未来の自分がどんな選択をしても良いように、早めの卵子凍結を検討してみてください。

にしたんARTクリニックは、どの医院もすべて主要駅からアクセスしやすい好立地で、お仕事前後のご相談にも便利です。卵子凍結を検討する上で、ご自身の年齢や、卵子凍結の流れについて不安がある方は、無料カウンセリングもできますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。

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