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着床したかわかる方法とは?授かりサインなど体の変化を解説

妊娠成立を意味する「着床」は、妊娠を希望している人にとって待ちに待ったプロセスです。不妊治療中の方であれば、月経予定日から数日は緊張と不安でいっぱいで、「着床したかどうか、すぐにわかる方法があればいいのに」と思っている方もいることでしょう。

着床は自分の体の中で起こっていることですが、目には見えないため、その瞬間を知ることはできません。しかし、着床によって起こる体の変化を察知し、適切なタイミングで検査をすれば、着床したかどうかを見極めることは可能です。
この記事では、着床のサインである体の変化や、着床したかどうかを調べる方法について解説します。

正常に着床した段階で妊娠が成立する

着床とは、卵子と精子が出会って受精卵となり、子宮内膜に根を下ろすことをいいます。妊娠の成立を意味し、正常に着床すると細胞分裂をしながら成長して、赤ちゃんになっていきます。
まずは、妊娠成立までの流れと、日数の数え方について詳しく見ていきましょう。

受精卵が着床するまでの流れ

自然妊娠の場合、排卵後、子宮の奥にある卵管で卵子と精子が出会い、受精して受精卵になります。受精卵は卵管から子宮へと移動し、ふかふかに整えられた子宮内膜に到達し、根を下ろしてもぐり込みます。これが着床です。

体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)の場合、受精卵が胚になるまでのプロセスを医療が体外で補助し、胚の状態になるまで育てそっと子宮内膜に戻します。
胚が無事に子宮内膜に根を下ろしてもぐり込めば、着床が完了です。自然妊娠でも生殖補助医療(ART)でも、着床のメカニズムは同じです。

妊娠の日数の数え方

妊娠は、最終月経が始まった日を0日として数えます。月経周期や排卵が正常であれば、最終月経日の2週間後に排卵期がやってくるため、排卵された卵子が精子と無事に出会い、受精卵になった時点で妊娠2週目に入っていることになります。とはいえ、まだこの時点では妊娠は成立していません。
受精から着床まではさらに約1週間かかるため、着床によって妊娠が成立するのは妊娠3週目です。着床後は胎盤の形成が始まり、受精卵が赤ちゃんへと成長していきます。

このように、着床は小さな受精卵が子宮内膜にもぐり込んだだけの状態ですから、体に目立った変化が現れるわけではありません。しかし、受精卵が定着して成長し始めると子宮にも変化が現れ、後述するような妊娠の兆候を感じる人もいます。

着床したかどうかは、hCGの測定でわかる

着床したかどうかは、妊娠に関わるホルモンのひとつである「hCGホルモン」値を測定することでわかります。

hCGとはヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin)というホルモンで、受精卵が着床した後、胎盤になる部分から分泌されます。つまり、hCGを計測すれば、着床したかどうかがわかる可能性があるのです。

市販されている妊娠検査薬は、hCGホルモンが着床したときにだけ分泌される特性を活用したもので、イムノクロマト法という抗原抗体反応を利用し、尿中のhCGホルモン値を測定することによって妊娠を判定します。

hCGホルモンについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
妊娠時に産生されるhCGとは?不妊治療での役割も解説

市販の妊娠検査薬の注意点

前述したとおり、着床が起こるのは最後の月経が開始した日から3週間後です。そのため、次の月経予定日を過ぎてからでないと、hCGを検出できない可能性が高いといえます。市販の妊娠検査薬で検査をする場合、排卵から16日目頃まで待つことをおすすめします。
また、妊娠検査薬は尿中に含まれるhCGを計測するため、尿の濃度や量によって誤差が出やすいことにも注意してください。

もしも、不妊治療の一環として排卵を促すためのhCG注射をした場合、体内のhCG量が増えて検査が陽性となる場合があることにも注意が必要です。投与後、7~10日が過ぎてから検査をすることをおすすめします。

着床したかどうか正確にわかるのは、クリニックにおける血液検査

hCGホルモンは尿中だけでなく血中にも分泌されるため、不妊治療クリニックでは検査の正確性を高めるために血液検査で妊娠を判定します。一般的には妊娠4週目頃から血中hCGが順調に上昇しているか否かを継続的に確認するとともに、妊娠5週目頃からは経腟超音波検査で胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)が見えるかどうかも確認できるため、より妊娠判定の正確性が高まります。

初期の段階でhCGホルモンの値が高すぎると子宮外妊娠の可能性も考えられるため、クリニックで測定することによって早期診断・治療につながるのもメリットでしょう。

着床後に起こる授かりサインや体の変化

受精卵が着床して妊娠が成立すると、女性の体には「授かりサイン」ともいわれる妊娠の兆候が現れることがあります。確実な妊娠の診断はクリニックでの検査が必須ですが、心にとどめておくと妊娠に早く気づけるかもしれません。ここでは、代表的な授かりサインを紹介します。

着床出血や特徴的なおりもの

妊娠4週目くらいに起こる痛みのない出血は妊娠の兆候のひとつで、「着床出血」と呼ばれます。

着床出血とは、受精卵が子宮内膜に根をおろす際、絨毛を子宮内膜に刺すことになりますが、子宮内膜にある血管をわずかに傷つけることによって起こるものです。着床は、前の月経から4週目にあたるため、次の月経予定日に重なることもあって月経との区別がつきにくいかもしれません。出血が1~2日で終わるようなら、着床出血の可能性が高いかもしれません。
ただし、着床出血は必ず起こるわけではなく、出血の量や色も人によって異なります。着床出血の有無が妊娠に影響することはないため、あまり神経質になる必要はありません。

また、女性ホルモンの増加に伴うおりものの変化も代表的な妊娠の兆候といえます。個人差はあるものの、乳白色でにおいがあまりしないことが特徴です。

基礎体温で高温期が続く

継続的に基礎体温をつけている人は、基礎体温の状況で妊娠に気づくことがあります。次の月経予定日から2週間が過ぎても高温期の体温が続いている場合、妊娠の可能性があります。
また、風邪の初期症状のような熱っぽさやだるさを感じたり、集中力を削ぐ強い眠気や集中力の低下を感じたりする場合もあるようです。

胸の張りや痛み

妊娠が成立すると、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増えます。女性ホルモンは妊娠を維持し、赤ちゃんを育てる準備をするために分泌されるため、乳腺や乳管が発達し始めて、胸の張りや痛みにつながります。

月経前に同様の症状を感じる人もいますが、予定日を過ぎても月経が来ず、症状だけが続く場合は妊娠の可能性を考えてもいいかもしれません。

おなかの張りや痛み

着床したときにだけ分泌されるhCGホルモンと、hCGホルモンと共に増加する女性ホルモンの影響で自律神経が乱れ、腸の動きが鈍くなることがあります。そのため、消化器系に影響が出る人もいます。
代表的な症状は便秘や胃のむかつきですが、おなかのチクチクした痛みやむずむずするような違和感、不快な張りとして感じることもあるようです。

持続期間はさまざまで、PMS(月経前症候群)の症状に似ていることも多いため、心配な場合は医師に相談することも選択肢です。

味覚や嗅覚の変化

一般的には、妊娠5週目くらいからつわりが始まりますが、早い人は妊娠4週目前後につわりに近い症状が見られます。

代表的なのが味覚の変化で、これまで好きだった物が急に食べられなくなったり、特定の物ばかり食べたくなったりします。人によっては、吐き気で水分しか受け付けない、食べ続けていないと気分が悪くなるといった症状が出ることもあり、個人差が大きいのが特徴です。
また、嗅覚が敏感になり、香水や柔軟剤、食べ物・飲み物などの香りを受け付けなくなるケースもあります。重症の場合は、脱水症状を引き起こすこともあるので、早めに病院で診てもらいましょう。

なお、つわりは妊娠8~10週目頃をピークとして、20週目頃までに次第に落ち着いていきます。

腰痛

妊娠が成立すると、女性ホルモンの作用が骨盤周辺にも及びます。分娩に備えて骨盤周りの筋肉や靭帯がゆるくなっていくため、これまでと同じ姿勢では自重を支えにくくなり、体の軸が変わって腰痛を引き起こすこともあります。

妊娠の週数が進んで子宮が大きくなると、おなかを守ろうとして自然と前かがみになり、さらに腰痛が悪化する人も多いようです。妊娠初期のうちから正しい姿勢を意識することをおすすめします。

頭痛

ホルモンバランスの乱れや、女性ホルモンによる血管拡張の作用により、頭痛が出ることがあります。妊娠の可能性がある場合、痛み止めなどの薬の服用は極力避け、横になるなどして痛みの軽減を図ってください。
生活に影響が出る場合は、すみやかにクリニックを受診することをおすすめします。検査で妊娠が確定すれば、妊娠中でも服用できる薬を処方してもらうことが可能です。

肌トラブル

ホルモンバランスの乱れによる肌トラブルが起きる場合があります。発赤や吹き出物、乾燥などが代表的な症状です。
また、肌が敏感になり、これまで問題なく使えていた化粧品でかぶれたり、肌が荒れたりすることがあるかもしれません。妊娠するとメラニン色素が増えるため、シミやそばかすが目立つようになったと感じる人も多いようです。

情緒不安定

理由もなくイライラしたり、激しく落ち込んだりする情緒不安定も、ホルモンバランスが急激に変化する妊娠初期に起こりやすい症状のひとつで、「マタニティ・ブルー」ともいわれます。妊娠初期によくある気持ちの変化は、下記のとおりです。

妊娠初期に起こりがちな情緒不安定の症状

  • なぜか涙が止まらない
  • イライラする気持ちをコントロールできない
  • 不機嫌な状態を改善できない
  • 暴飲暴食してしまう

妊娠初期は体の変化もあって、まだ妊娠に気づいていなくてもストレスを感じやすい状態といえます。思い当たる症状がある場合は、妊娠の兆候かもしれないと考え、早期に病院を受診するとともに、周囲に理解を求めるのも一案です。

にしたんARTクリニックで、確実な着床に向けて治療を始めよう

着床したかどうかは市販の検査薬を正しく使えば判断できるほか、体の変化から予測することもできます。ただし、症状の有無には個人差があり、検査薬でははっきりしないことも多いため、クリニックで血液検査を受けることをおすすめします。

にしたんARTクリニックでは、妊娠の第一歩である着床を丁寧にフォローする治療を行います。無料カウンセリングも行っていますので、なかなか着床せずにお悩みの方はぜひご相談ください。

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