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着床完了にサインはある?着床出血など着床時の症状を解説

着床とは、受精卵が子宮内膜にもぐり込み、根を下ろすことを指し、妊娠の成立を意味します。妊活中や不妊治療中の方であれば、着床する予定の時期になると、体に起きる小さな変化を気にする方もいるのではないでしょうか。
着床は体内の細胞レベルで起きていることなので、その瞬間を知ることはできません。ただし、着床すると妊娠に関わるホルモンの分泌が始まり、その影響で体にも少しずつ変化が起こり始めるため、この変化を着床完了のサインとして捉えることもできます。

この記事では、着床出血などの着床時に生じる体の変化や着床に至るメカニズム、着床完了のサインについて解説します。着床を目指して妊活中や不妊治療中の方は、ぜひ参考にしてください。

着床は、受精卵が子宮内膜にもぐり込む
妊娠の大切なプロセスのひとつ

着床とは、受精卵が子宮内膜に定着するプロセスで、妊娠の成立に不可欠なステップです。受精卵は細胞分裂をしながら子宮内膜へ移動し、絨毛を刺して根を下ろし、細胞をかき分けながらもぐり込んでいきます。このプロセスが成功することで、妊娠が成立します。

普通妊娠の場合、着床に至る妊娠の詳細なプロセスは、下記のとおりです。

普通妊娠における着床に至る妊娠のプロセス

1.排卵する。
2.卵管采が卵子をピックアップする。
3.精子が子宮内に入る。
4.卵管に到達した精子が卵子と出会い受精する。
5.受精卵が細胞分裂しながら子宮内へ移動する。
6.受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立する。

体外受精(Conventional-IVF/ふりかけ法)や顕微授精(ICSI)などを行った場合、胚培養士が受精卵から培養した胚を、医師が子宮内膜にそっと置くイメージで胚移植を実施し、着床を待つことになります。胚が子宮内膜に絨毛を刺して根を下ろすメカニズムは、自然妊娠でも生殖補助医療(ART)でも違いはありません。
このプロセスが順調に進むことで妊娠が成功し、健康な胎児が成長していきます。

着床完了時に着床出血することがある

着床完了のサインのひとつとして知られているのが、着床出血です。着床出血は、卵管から細胞分裂をしながら移動してきた受精卵が、子宮内膜に定着する際に出血することを指します。しかし、この出血は着床時に必ず起こるわけではありません。実際には、多くの女性が着床出血を経験せずに妊娠するといわれているため、着床を予定している時期に出血がなくても気にすることはありません。

着床のメカニズムと着床出血

着床出血は、受精から6~12日後に起こります。次の月経予定日にあたるため、軽い出血を見逃すことも多いようです。着床出血と月経は見分けがつきにくいので、下記の表を参考にしてください。

着床出血と月経の違い

着床出血月経
少量。塊はない。多量。塊が出ることもある。
ピンク、茶色、鮮血色などさまざま。赤から暗赤色。
期間1~2日。最長4日。3~7日程度。
腹痛軽い生理痛程度。チクチクする感じ。激しく痛む人もいる。

着床出血以外に生じる、着床完了後の代表的な体の変化

着床完了後には、着床出血以外にもさまざまな体の変化が起こり始めます。この変化を、着床サインと呼ぶこともあるようですが、医学的に定められているものではありません。
また、体の変化をどのように感じるかは個人差が大きく、つわりが始まる方もいれば、まったく変化を感じずに、着床・妊娠したことにしばらく気づかない人もいます。

ここからは、着床が完了した後に、着床出血以外に生じる代表的な体の変化を紹介します。すべての女性にあてはまるわけではありませんが、妊娠初期の兆候として知っておくと良いでしょう。気になる症状がある場合は、必ず医師に相談してください。

基礎体温の高温期の持続

基礎体温を毎日つけている方であれば、高温期が2週間を過ぎても低くならない場合、着床している可能性があります。風邪を引いたときのような微熱やだるさを感じる人も多いようです。

乳房の変化

着床すると、妊娠を継続するためにエストロゲン(卵胞ホルモン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増えます。その影響で、乳腺や乳管が発達するため、乳房が張ったり痛くなったりすることがあります。また、乳首が敏感になり、色が濃くなることもあるようです。

おなかの張りや痛み

着床したときにだけ分泌されるhCGホルモンと、hCGホルモンと共に増加する女性ホルモンの影響で自律神経が乱れ、腸の動きが鈍くなることがあります。そのため、消化器系に影響が出る人もいます。シクシクとした腹痛で、生理痛と混同する人もいるようです。

また、着床時に下腹部に軽い痛みや張りを感じる方もいますが、受精卵が子宮内膜に定着する過程で起こる自然な反応です。

味覚が変化し、においに敏感に

ホルモンバランスが変化し、自律神経が乱れて味覚が変わることで、これまで好きだった食べ物が食べられなくなったり、においに敏感になったりすることがあります。妊娠初期にあるつわりの始まりで、吐き気が強くなることもあるかもしれません。
つわりは妊娠8~10週目頃をピークとして、20週目頃までに次第に落ち着いていきます。

腰痛

着床が完了すると、女性ホルモンの影響で骨盤周りの筋肉や靭帯がゆるくなり始めるため、腰痛が生じることがあります。妊娠が進むとおなかが大きくなり、腰痛が悪化する方もいるため注意が必要です

頭痛

ホルモンバランスの乱れや女性ホルモンの影響で血管が拡張することにより、頭痛が発生することがあります。妊娠の可能性がある場合は、痛み止めの服用をできるだけ避け、横になるなどして痛みを軽減しましょう。

肌トラブル

ホルモンバランスの変化により、肌トラブルが発生することがあります。発赤や吹き出物、乾燥が主な症状です。肌が敏感になるため、これまで問題なく使用していた化粧品でかぶれたり、肌荒れを引き起こしたりすることがあります。
また、妊娠中はメラニン色素の分泌が増えるため、シミやそばかすが目立つと感じる方も多いようです。

情緒不安定

理由もなくイライラしたり、激しく落ち込んだりする情緒不安定は、ホルモンバランスが急激に変化する妊娠初期に特に起こりやすい症状のひとつといえます。
これは、「マタニティ・ブルー」とも呼ばれ、妊娠初期に見られる典型的な感情の変化です。少しでもすこやかに過ごせるよう、ストレスを軽減する工夫をしてください。

着床したかどうかを確認するには?

着床したかどうかを正確に判定するためには、妊娠に関わるホルモンのひとつであるhCGホルモンを測定することが必要です。このhCGホルモンは、着床・妊娠していないときは女性の体から分泌されていません。ここでは、hCGホルモンを測定する2つの方法を紹介します。

妊娠検査薬

市販の妊娠検査薬は、イムノクロマト法という抗原抗体反応を利用して、尿中のhCGホルモンを測定することによって妊娠を判定します。
妊娠検査薬は使う時期が早すぎたり、尿の濃度や量が適正ではなかったりすると反応が正確ではないことがあるため、注意が必要です。一般的には排卵から16日目以降での使用が推奨されています。陽性が出たら、早めにクリニックを受信し妊娠判定を受けます。妊娠判定のタイミングは受診するクリニックの指示に従ってください。

クリニックでの検査

hCGホルモンは、尿だけでなく血液中にも分泌されるため、産婦人科や不妊治療専門クリニックでは、検査の正確性を高めるために血液検査を用いて妊娠を判定します。血中hCGホルモンの上昇を継続的に確認し、経腟超音波検査で胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)の大きさを調べて、正確に妊娠が判定されます。

hCGホルモンの値が初期段階で高すぎる場合は子宮外妊娠の可能性も考慮されるため、早めにクリニックにかかることで、的確な診断と治療が可能です。

妊娠初期の兆候を感じたときに気をつけたいこと

着床サインを感じ、「妊娠しているかもしれない」と思ったら、判定を待たずに気をつけておきたいことがあります。下記のポイントを参考に、妊娠を継続するために生活習慣を見直し、お二人で健康的な生活を送ることをおすすめします。
着床していなかった場合でも、妊活中や不妊治療中であれば気をつけたいポイントは同じなので、参考にしてください。

妊娠初期の兆候を感じたときの注意点

たばこをやめる喫煙は胎児に多大な影響を及ぼします。妊娠を検討している段階から必ず禁煙してください。 副流煙も胎児へ影響を与えるため、パートナーも喫煙を控え、受動喫煙を防止しましょう。  
飲酒をやめる飲酒は胎児に悪影響です。少量でも控えましょう。
カフェインを控えるコーヒーや紅茶などに含まれるカフェインの過剰摂取は、胎児にリスクがあるため控えてください。
激しい運動を控える初期流産を防ぐために、心拍数が上がる強度の運動は禁物です。軽いウォーキングやストレッチなどの、軽い運動は推奨されます。
薬の服用は慎重に薬の服用は、胎児に大きく影響します。自己判断での服用は絶対にやめてください。
感染症に注意妊娠中は免疫力が下がるため、感染症に注意が必要です。マスクを着用して手洗いを励行するなど、予防することをおすすめします。

にしたんARTクリニックでは、
着床・妊娠を望む方にカウンセリングを行っています

体の変化を感じる着床サインだけでは、着床が完了したかどうかを判定することはできません。着床出血をはじめとする着床サインは個人差が大きいため、妊娠の兆候を感じたときは、早めにクリニックで正確な診断を受けることをおすすめします。

にしたんARTクリニックでは、着床・妊娠を望む方に無料カウンセリングを実施しています。そろそろ赤ちゃんが欲しい、不妊かもしれないけれど何から始めればいいかわからないという方に向けても、丁寧にご説明します。現在のお二人の状況やご希望について、ぜひお聞かせください。

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