ブライダルチェックはいつ受ける?受診タイミングや検査項目を解説

「将来、赤ちゃんがほしいけれど体の状態は大丈夫かな?」「通常の健康診断だけでは、婦人科系の状態がわからない」と考えている女性におすすめの検査が、ブライダルチェックです。

ブライダルチェックは、将来の妊娠や出産に備えて受ける一連の医療検査のことです。「ブライダル」という言葉がついてはいますが、結婚の有無や予定、年齢に関わらず、いつでもどなたでも受けることができます。 この記事では、ブライダルチェックの検査項目、費用、検査の流れについて詳しく解説します。将来の妊娠・出産のために自分の体の状態を知っておきたい方は、ぜひ参考にしてください。

ブライダルチェックはいつでもどなたでも受けられる検査で、早めに受けることが大切

ブライダルチェックは、将来の出産と妊娠に備え、主に子宮や卵巣の疾患やホルモンの値などを確認する検査のことです。結婚の有無や予定に関わらず、いつでもどなたでも受けることができます。ブライダルチェックの目的は、妊娠に影響を与える可能性のある疾患を早期に発見することです。受けるタイミングとしては、なるべく早めの受診が推奨されます。仮に疾患が見つかったとしても、早期に発見できれば、将来の健康と家族計画を考慮し、適切な対策を講じることが可能です。

特に下記のような方に、ブライダルチェックをおすすめします。

ブライダルチェックをおすすめする方

• 結婚する前に、健康状態を知っておきたい方
• 将来、妊娠・出産を希望している方
• 妊活を始めようと考えている方
• 第1子出産後、第2子を希望されている方
• パートナーが変わった方
• 年齢的に妊娠について不安を感じている方
• 月経が重いといった女性ならではの悩みを持っている方

結婚前後を問わず、妊娠・出産に関わる健康状態を知るために、気軽な気持ちで受けると良いでしょう。特に過去に性感染症の既往歴がある方や、月経不順などの婦人科系のトラブルを抱えている方には早めの受診が推奨されます。

また、妊娠・出産を経験された方にもブライダルチェックは有効です。出産後に子宮や卵巣の状態が変わることがあるため、第二子以降の出産を希望されている方は、ブライダルチェックをご検討ください。

ブライダルチェックの検査項目

ブライダルチェックは、通常の健康診断よりも詳しい内容で、妊娠・出産に関わる検査を行います。主な検査項目と詳細は下記のとおりです。

検査項目		詳細
血液検査	基礎ホルモン検査	FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)、PRL(プロラクチン)、E2(エストロゲン)を測定し、卵巣機能を確認します。
	AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査	卵巣内の卵子の数を把握するための検査で、不妊症のリスクを評価します。
	甲状腺機能検査	甲状腺ホルモンの異常をチェックし、妊娠に影響を与える可能性はないか確認します。
	風疹抗体検査	風疹に対する免疫の有無を確認し、妊娠中の風疹感染リスクを予防します。
クラミジアPCR検査		性感染症であるクラミジアの感染を検出し、治療が必要な場合は早期に対応します。
子宮頸がん検査		子宮頸部の細胞を採取してがん細胞の有無を確認し、早期発見と治療を目指します。
経腟超音波検査		子宮や卵巣の状態を画像で確認し、異常がないかをチェックします。

そのほか、肝機能検査、腎機能検査、凝固機能検査、内科系検査(抹消血液一般、HbA1c)など、より広範囲で詳細な検査を加えることができるクリニックもあるため、必要に応じて選択してください。

経腟超音波検査の方法とわかる疾患

経腟超音波検査は、子宮や卵巣の状態を詳しく調べるための重要な検査ですが、「痛みがあるのではないか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、実際にはほとんど痛みを感じることなく、安心して受けることができます。

経腟超音波検査

使用する機材は「プローブ」と呼ばれる棒状の器具です。このプローブは細くて滑らかで、医師が適切に潤滑剤を使用するため、挿入時の不快感を最小限に抑えられます。プローブは超音波を発する装置で、これを腟内に挿入して子宮や卵巣の画像を撮影します。このプロセスは数分で終了し、痛みはほとんどありません。

医療スタッフは検査中に細心の注意を払い、患者さまの快適さを最優先に考えています。検査前に不安や疑問があれば、医師や看護師に遠慮なく相談してください。

なお、経腟超音波検査でわかる子宮や卵巣の主な疾患は、下記のとおりです。いずれも妊娠や出産に影響を与えるため、すぐに妊娠を望んでいない場合も早期の治療が望まれます。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮の筋層にできる良性の腫瘍で、幅広い年代の方に高頻度で発症する疾患です。子宮筋腫があると子宮を変形させるため、受精卵の着床を妨げる可能性があります。また、子宮収縮を引き起こし、流産のリスクを高めることもあります。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜組織が子宮外に広がり、卵管や卵巣に癒着を引き起こす状態のことです。卵子の移動を妨げるほか、炎症が生じると卵子の質の低下につながります。

卵巣のう腫

卵巣のう腫とは、卵巣の中に脂肪や液体が溜まり、腫瘍が生じる症状のことで、ほとんどが良性です。しかし、卵巣機能の低下につながり、排卵障害を引き起こします。また、腫瘍が大きくなると卵管を圧迫し、受精を妨げる原因となります。

ブライダルチェックと不妊検査の違い

ブライダルチェックと不妊検査は、検査項目は共通のものが多いですが、対象者が異なります。 ブライダルチェックは、将来的な妊娠を希望している方を対象に、基礎ホルモンの値や風疹抗体の有無などを確認し、妊娠・出産に影響を与える疾患がないかを調べる一連の検査です。一方、不妊検査では、すでに妊娠を試みているが成果が出ないご夫婦(カップル)を対象に、不妊の原因を特定するために、より詳しい検査を行います。ブライダルチェックは1~2回の受診で完了することが多く、不妊検査は複数回の受診が必要であり、夫(パートナー)の来院も必要です。ブライダルチェックを経て、不妊検査に進むことも可能なので、不調や悩みがある方は、医師やカウンセラーにご相談ください。

ブライダルチェックの費用

ブライダルチェックは自由診療のため、その費用はクリニックや病院によってさまざまで、検査の内容や対象となる範囲によって費用が変動します。かかる費用については、事前に各医療機関で確認してください。自治体によってはブライダルチェックにかかる費用の一部について、補助を行っている場合もあるので、お住まいの自治体のWebサイトを確認することをおすすめします。

ブライダルチェックにかかる費用の一例として、にしたんARTクリニックの場合を紹介します。にしたんARTクリニックのブライダルチェックは検査項目によって3つのコースがあり、詳細と料金は下記のとおりです。

にしたんARTクリニックのブライダルチェックの内容と料金

にしたんARTクリニックのブライダルチェックについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
ブライダルチェック

ブライダルチェックの流れ

ブライダルチェックを受けるには、希望する医療機関に連絡を取り、ブライダルチェックの予約をします。ブライダルチェックは、産婦人科や不妊治療専門クリニックなどで受けることが可能です。

予約時には、検査内容や費用、所要時間などの詳細を確認しましょう。また、検査を受ける際に必要な持ち物や準備事項についても事前に確認しておくと安心です。

ブライダルチェックを受ける際の流れを、にしたんARTクリニックを例に下記で紹介します。

1.予約する

にしたんARTクリニックは、全院でインターネットによる事前予約が必要です。検査前は、過度な運動や飲酒、食事内容に気をつけてください。

2.予約当日、検査を受ける

予約日にクリニックを訪れ、受付を済ませます。検査は通常、問診から始まり、血液検査や超音波検査、内診などが行われます。検査時間は内容によって異なりますが、1時間程度で終わることが一般的です。

にしたんARTクリニックが行っているブライダルチェックのうちベーシックコースとフルパッケージコースでは、2回に分けて検査を行います。医師からの指示に従い、来院してください。

3.約2週間後、結果を通知

検査結果は通常、約2週間後に通知されます。医療機関によって郵送や電話、再度来院しての説明など方法はさまざまです。にしたんARTクリニックでは、医師より直接結果の説明をいたします。その際、再診料が1,100円かかりますのでご了承ください。なお、疾患が見つかった場合には、婦人科への紹介状を作成いたします(別途紹介状作成費が必要です)。

詳細な説明を受けたら、妊娠に向けて今後の対策を検討しましょう。

ブライダルチェックを検討している方は、にしたんARTクリニックへご相談ください

ブライダルチェックは、将来的に妊娠を望む方であれば、いつでも受けることができる検査です。妊娠や出産に影響を与える可能性のある疾患を早期に発見し、必要があれば治療を行うことが目的なので、妊娠をお考えの方は早めの受診をおすすめします。

にしたんARTクリニックでは、女性の多様なライフステージや価値観を支援するプレコンセプションケアを推奨しています。3コースのブライダルチェックをご用意しているほか、各院のカウンセラーが、妊娠・出産に関する相談にも無料で応じているので、疑問や質問がある方はお気軽にご予約ください。