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トリオ検査でわかることとは?3つの検査内容や対象者と費用を解説

トリオ検査でわかることとは?3つの検査内容や対象者と費用を解説

生殖補助医療(ART)で胚移植を何度か行っているものの、なかなか妊娠に至らず、悩んでいる方もいるかもしれません。こうした反復着床不全が続く場合、着床に至らない原因が子宮内膜にある可能性も考えられるため、子宮内膜の状態を調べる検査を受けてみるのも選択肢のひとつです。

にしたんARTクリニックで実施しているトリオ検査(TRIO検査)では、子宮の状態や胚移植のタイミングについて調べられます。

この記事では、トリオ検査の概要や対象者、費用などについて、詳しく解説します。不妊治療を続ける中で、次の一歩を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

トリオ検査とは、子宮内膜に着床不全の原因がないかを調べる検査

トリオ検査(TRIO検査)とは、子宮内膜に着床不全の原因がないかを調べる「ERA(子宮内膜着床能検査)」「EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム検査)」「ALICE(感染性慢性子宮内膜炎検査)」の3つの検査の総称です。トリオ検査は生殖補助医療において良好な胚を複数回移植しても妊娠しない「反復着床不全」の方に対し、着床率を高めることを目的として実施します。

トリオ検査では、胚移植において着床しない原因を3つの視点から探すため、最適な移植タイミングを調べる「ERA」、子宮内の細菌叢(フローラ)を調べる「EMMA」、感染性子宮内膜炎の有無を調べる「ALICE」の3つをまとめて行います。これらはすべて子宮内膜に着床不全の原因がないかを調べる検査で、3つの検査を一度の検体採取で受けることができるため、身体的な負担が比較的少ないでしょう。

トリオ検査はどんな人が対象?

トリオ検査は、良好胚を複数回移植しても着床しない反復着床不全の方を主な対象としています。反復着床不全とは、良好な胚を3回移植しても妊娠に至らない場合を指すのが一般的です。

生殖補助医療を受ける方すべてに必要な検査ではありませんが、反復着床不全の方にとっては着床しない原因特定のために有効な検査といえるでしょう。

トリオ検査の費用は?

トリオ検査は、保険が適用されない自費診療の検査です。通常、保険診療と自費診療を同時に受けることは認められず、同時に受ける場合は全額が自費での診療になります。しかし、先進医療に該当する治療を認定施設で実施する場合は、保険診療と自費診療を併用する混合診療が認められます。

不妊治療にかかる部分は保険が適用され、トリオ検査のみを自費で受けることができるため、その分の費用を抑えることができます。
トリオ検査をご検討中の方は、受診予定の医療機関が、厚生労働省に認定された機関なのか必ず確認してください。

※出典 厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧

なお、にしたんARTクリニックでは、トリオ検査を203,500円で実施しています。

トリオ検査の費用については、こちらのページをご覧ください。
各種検査費

トリオ検査に含まれる3つの検査

トリオ検査(TRIO検査)には、ERA、EMMA、ALICEの3つの検査が含まれます。これらはすべて、子宮内膜の細胞を採取する検査です。ここでは、トリオ検査に含まれる3つの検査で、それぞれ調べられることについて詳しく解説します。

トリオ検査の内容

ERA(子宮内膜着床能検査)

ERA(子宮内膜着床能検査)とは、子宮内膜が受精卵(胚)を受け入れる時期である「着床の窓(インプランテーションウィンドウ)」を遺伝子レベルで調べる検査です。子宮内膜には着床の窓と呼ばれる着床に適した期間があり、この期間からずれると良好胚を移植しても着床できない場合があります。着床の窓には個人差があり、妊娠の可能性を高めるためには、自身の着床の窓を知ることが重要です。自身の着床の窓がわかれば、自分に合ったタイミングで胚移植を行うことができるでしょう。
 
ERA検査では、子宮内膜の細胞を採取し、そこから抽出したRNA(遺伝子の働きを反映する物質)を次世代シーケンサー(遺伝子解析装置)で解析します。子宮内膜の着床に関連する236個の遺伝子の発現パターンから、検査したタイミングの子宮内膜が着床可能な受容期なのか、非受容期なのかを判断することで、適切な胚移植の時期を判断します。
 
ERA検査については、こちらのページをご覧ください。
ERA検査(子宮内膜着床能検査)とは?対象者や費用、検査の流れを解説

EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム検査)

EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム検査)とは、子宮内膜の細菌の種類と量を測定し、細菌バランスが胚移植に適しているかを調べる検査です。子宮内の細菌バランスは妊娠に関与し、特に、子宮内膜の乳酸桿菌の割合は、着床や妊娠率に大きく関わると考えられ、乳酸を作るラクトバチルス属の菌の割合が高いと、着床・妊娠率に良い効果が期待できます。

EMMAでは、子宮内膜の細胞を採取して細菌バランスを測定しますが、妊娠に必要とされている乳酸桿菌が少ない場合は、腟座薬などを使用して乳酸桿菌の割合を上げ、子宮内環境を改善します。

ALICE(感染性慢性子宮内膜炎検査)

ALICE(感染性慢性子宮内膜炎検査)とは、子宮内の菌を検査し、感染性慢性子宮内膜炎にかかっていないかを調べる検査です。慢性子宮内膜炎は、不妊症や不育症を起こしている女性に多いものの、自覚症状があまりないため検査しなければ罹患しているかがわかりません。

ALICEでは、子宮内膜の細胞を採取し、子宮内膜炎を引き起こす病原菌の有無を確認します。病原菌が検出された場合は、抗菌薬の服用などの適切な治療をしてから胚移植に臨みます。

トリオ検査は1回の検体採取で検査できるため、体への負担が少ない

トリオ検査(TRIO検査)に含まれるERA、EMMA、ALICEは、すべて子宮内膜の細胞を採取して検査する方法で行われます。一度の検体採取で3種類の検査をまとめて受けられるため、各検査を個別で受けるよりも身体的負担や通院の負担も少ない点が特徴です。

ERA、EMMA、ALICEのうち、ERAには検査時期に決まりがあります。ERAは、生殖補助医療で胚移植を行うときと同じ子宮環境に整え、特定のタイミングで子宮内膜細胞を採取する必要があります。
一方、EMMAとALICEは採取時期の指定がありません。そのため、トリオ検査を受ける際はERAのタイミングに合わせれば負担を減らすことができます。検査で子宮内膜の細胞を採取する際には、軽い痛みや少量の出血を伴う場合があります。出血に備えてナプキンをお持ちいただくと安心です。

子宮内膜の細胞を採取するイメージ

なお、トリオ検査を実施した周期では、胚移植を行うことはできません。また、検査後は子宮の状態を安定させるため、2周期程度のお休みが必要です。この期間は、ゆっくり体を休めるよう心掛けてください。

検査結果が出るまでには10日~3週間程かかり、結果によっては子宮内の環境を整える投薬などの治療が必要になる場合もあります。
もし検査結果に異常が見られなかった場合でも、妊娠に向けて別の治療が検討されます。いずれにしても、トリオ検査の結果をもとに、今後の不妊治療の方針を医師といっしょに決めていくことになるでしょう。不安な点があれば、医師に相談してください。

生殖補助医療(ART)で結果が出ない場合はトリオ検査も選択肢になります

良好な胚を複数回移植しても、なかなか着床に至らない場合は、想定した移植のタイミングがずれていたり、子宮内の環境が着床する状態に整っていなかったりする可能性があります。このような反復着床不全の方は、トリオ検査(TRIO検査)を受けるという選択肢も検討してみましょう。
トリオ検査を受けることで、子宮内に何か問題があれば治療することができ、異常がなければ別の治療法を検討できます。

にしたんARTクリニックでは、全国にあるすべての院でトリオ検査を実施しています。無料カウンセリングも何度でも受けられるので、トリオ検査をはじめ不妊治療に関わる検査に興味のある方は、一度ご相談ください。

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