リスク・デメリット
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流産は誰にでも起こる可能性がありますが、その後の妊活について不安を感じる方も多いでしょう。「流産後すぐは妊娠しやすいって聞いたことがあるけど…」「次の妊娠までどれくらい期間を空けるべき?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、流産後すぐ妊娠するといわれる理由や、流産後に次の妊娠を考える際の注意点、適切な妊活のタイミングについて詳しく解説します。
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流産後すぐに妊娠しやすい理由流産後すぐの妊娠のリスク流産の原因は?流産後は次の妊娠までどれくらいの期間を空けるべき?流産後の月経周期の変化流産後はいつから妊活が可能?流産を何度も繰り返す場合は?流産後にすぐ妊娠したいと思っている方は、医療機関に相談してみてください流産後に妊娠しやすくなるといわれるのは、妊娠によって子宮内膜の環境が整うからです。妊娠に適した状態が続き、次の周期でも受精卵(胚)が着床しやすくなる可能性があると考えられています。
また、流産後のホルモンバランスの変化により、通常よりも早く排卵が起こることもあり、この影響で、次の月経を待たずに妊娠するケースがあるのも事実です。
流産後すぐに妊娠することは可能ですが、必ずしも安全とは限りません。子宮が十分に回復しないうちに妊娠すると、胎児を支える力が弱く、再び流産するリスクがあるからです。
そのため、多くの医師は、少なくとも流産から2~3ヵ月程を空けてから、妊活をスタートすることを推奨しています。さらに、WHO(世界保健機関)では、最低でも6ヵ月の間隔を空けることが望ましいとしています。
流産後の妊娠を考える際には、心身の回復を優先し、無理をせず慎重に進めることが大切です。特に、流産の原因が特定できていない場合は、再発のリスクを避けるためにも、医師と相談しながら妊活を進めるようにしましょう。
流産の原因は、母体側の要因と胎児側の要因に分けられますが、すべての流産の原因は明確に特定することはできません。特に、妊娠初期の流産の多くは、胎児の染色体異常によるものがほとんどであり、防ぐのが難しいとされています。その一方で、母体の健康状態や生活習慣が流産のリスクを高めることも事実です。
ここでは、流産の原因を母体側と胎児側に分けて解説します。なお、受精卵(胚)が一時的に着床したものの、その後成長が続かず妊娠反応のみ陽性になった状態を「化学流産」といいます。化学流産は、医学的には一般的な流産とは分けて考えられる点を知っておきましょう。
流産の原因のひとつとして、母体側の年齢や健康状態が挙げられます。一般的に、母体の年齢が高くなるほど、染色体異常による流産のリスクが高まるといわれています。
生活習慣も妊娠の継続に影響を及ぼす要因のひとつです。喫煙や過度な飲酒は、血流を悪化させ、胎児に十分な栄養や酸素が届かなくなる可能性があり、流産のリスクが高まります。また、栄養バランスが偏った食生活も、胎児の成長に必要な栄養素が不足する原因となるため、注意が必要です。
さらに、子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患がある場合も、子宮内の環境が整わず、流産の可能性が上がるといわれています。加えて、感染症も流産の原因となることがあります。トキソプラズマ、風疹、サイトメガロウイルスなどの感染症にかかると、胎児の成長に悪影響を及ぼし、流産につながるケースがあります。妊娠初期は特に免疫力が低下しやすいため、感染症の予防を徹底することが大切です。妊娠を考えている場合は、ワクチン接種を事前に済ませたり、食事や衛生管理に気をつけたりするなど、感染症対策を行うことが重要になります。
妊娠10~11週までに起こる流産の約70~80%は、胎児の染色体異常が原因とされています。染色体異常とは、受精の際に偶発的に発生するものです。一般的に、母体の年齢が上がるにつれて染色体異常による流産が増えるといわれています。
また、受精時の遺伝子異常や発育不全が流産の原因となることもあります。受精卵(胚)が正常に分裂しなかったり、成長が途中で止まってしまったりすることで、胎児が正常に発育できなくなり、結果的に流産が起こるケースです。これは妊娠初期に多く見られ、異常のある受精卵(胚)を体が自然に排出するための生理的な現象と考えられています。このような場合も、母体の健康状態は直接的な原因ではなく、防ぐことは難しいとされています。
流産が確認された場合、医師と相談の上、次の2つの方法から選択することが一般的です。どちらの方法を選択するかは、母体の状態や流産の進行状況によって異なるため、医師の指導に従ってください。
自然排出は、流産後に体が自然に内容物を排出するのを待つ方法です。出血が始まってから1~2日程度で排出されることが多いですが、場合によっては1週間以上かかることもあります。
流産手術は、手術によって子宮内の内容物を取り除く方法です。手術は5~10分程度で完了し、多くの場合、その日中に帰宅できますが、手術後はしばらく体調管理が必要になります。
流産後でも月経が再開すれば妊娠は可能になりますが、すぐに妊活を再開することは推奨されていません。流産直後の子宮は完全に回復していないことが多く、十分な回復期間をとらずに妊娠すると、再び流産するリスクが高まる可能性があるからです。そのため、一般的には2~3ヵ月以上の期間を空けてから妊活を再開するのが望ましいとされています。
ただし、流産の種類や処置の方法によって妊活の再開時期は異なります。自然流産と流産手術を行った場合では、子宮の回復にかかる期間が異なるため、医師と相談しながら適切なタイミングを決めることが大切です。
流産が自然排出で進んだ場合は、2~3回の月経を経て排卵が安定するまでは妊娠を避けるのが理想的です。
排卵が安定しない時期に妊娠すると、子宮内膜が十分に厚くなっていない可能性があり、受精卵(胚)の着床がうまくいかない場合があります。また、ホルモンの変動が大きいため、身体的にも精神的にも負担が大きくなるかもしれません。
そのため、自然排出後は、少なくとも2回以上の月経を待ってから、排卵やホルモンバランスが整った状態で妊活を再開するのが望ましいでしょう。
流産手術を行った場合、子宮内が一度きれいな状態になるため、次の妊娠がしやすくなるともいわれています。しかし、手術後の子宮はダメージを受けているため、回復期間を十分に取ることが重要です。手術によって子宮内膜が薄くなっていると、着床しにくくなったり、妊娠が継続しにくくなったりする可能性があります。また、ホルモンバランスが乱れることで、月経周期が安定するまでに時間がかかることもあります。
さらに、流産は精神的なストレスも伴うため、妊活を再開する前に、心の準備が整っているかどうかも考慮することが大切です。流産によって喪失感が生じることは当然のことです。焦る気持ちもあるかもしれませんが、体調や気持ちが落ち着いたタイミングで妊活を再開することで、次の妊娠をより安心して迎えられるでしょう。
妊活の再開時期については、個人差があるため、定期的に医師の診察を受けながら、ご自身の体の状態に合わせて決めることが大切です。
流産後の月経は、通常1~2ヵ月以内に再開するといわれていますが、再開時期には個人差があります。流産後に初めて迎える月経は、これまでよりも出血量が多かったり、周期が不安定になったりすることがあるため、しばらくは自分の体の変化を観察することが大切です。
流産後、2ヵ月以上経っても月経が再開しない場合は、ホルモンバランスが大きく乱れている可能性があります。また、子宮内に残留物があると、月経が正常に起こらないこともあります。
このような場合は、産婦人科を受診して適切な検査を受けましょう。
流産後は、心身ともにストレスが高まっている状態のため、無理に妊活を再開するのではなく、月経周期が安定するまで待つことが推奨されています。特に、流産後は子宮が回復途中の状態にあり、無理に性交渉すると感染症のリスクが高まるため、焦らず慎重に進めることが大切です。
流産の種類によって、性交渉を再開できる時期は異なります。自然排出の場合は、ホルモンバランスが整い、子宮の十分な回復に時間がかかることがあるため、通常は2~3回の月経を経てからの再開が望ましいでしょう。一方、流産手術を受けた場合は、子宮内膜が一度リセットされた状態になるものの、手術によるダメージやホルモンの乱れが残ることもあります。そのため、術後2週間は性交渉を控え、医師の診察で問題がないと確認されてから再開するのが安全です。
また、流産後は精神的なストレスも大きいため、性交渉を再開する際は、ふたりで十分に話し合い、お互いの気持ちを尊重してください。体が回復していても、心の整理ができていないと感じたら、気持ちを伝えて理解を求めることが大切です。ふたりのペースを大切にし、心身ともに準備が整ったと感じるタイミングで、妊活を再開してください。
流産は誰にでも起こりうるものですが、2回連続で流産することを「反復流産」、3回以上繰り返す場合を「習慣流産」といいます。
流産を繰り返す原因としては、加齢による卵子や精子の染色体異常、子宮の形状異常(双角子宮や中隔子宮など)、ホルモンバランスの乱れ、慢性子宮内膜炎などが挙げられます。
自然妊娠で何度も流産を繰り返してしまう場合は、不妊治療を検討することもひとつの選択肢です。にしたんARTクリニックでは、不妊治療の一環として、反復流産の方に向けた「ALICE(感染性慢性子宮内膜炎検査)」を実施しており、慢性的な子宮内膜の炎症が流産の原因になっているかどうかを調べることが可能です。この検査で流産の原因がわかれば、適切な治療ができ、妊娠率を高められます。なお、この検査は不妊治療で何度も流産してしまう方にも適用されます。
流産を何度も経験すると、精神的な負担が大きくなり、「また流産してしまうのではないか」と不安になる方も多いでしょう。しかし、適切な治療を受けることで、次の妊娠を成功させる可能性は十分にあります。流産を繰り返してしまう場合は、一度不妊治療専門のクリニックに相談し、原因を特定することが大切です。
流産後に「すぐ妊娠したい」と考える方も多いですが、体と心の回復を優先することが大切です。次の妊娠に向けてベストなタイミングを知るためには、医師と相談しながら慎重に妊活を進めるのが望ましいでしょう。もし流産を繰り返してしまう場合は、自然妊娠が難しい可能性があるため、不妊治療を検討することをおすすめします。
にしたんARTクリニックは、不妊治療専門のクリニックです。全院で無料カウンセリングを実施しており、カウンセリングは治療中に何度でも受けることができます。流産後の妊活について悩んでいる方や、何度も流産してしまう方は、ぜひ一度ご相談ください。
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