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β2GPIネオセルフ抗体検査とは、自己免疫疾患が原因と考えられる不妊・着床障害の可能性を評価するための血液検査です。2025年6月に厚生労働省より先進医療に認定されました。
体内で形成されたネオセルフ抗原をネオセルフ抗体が攻撃することによって、血管に炎症が引き起こされ、血栓ができやすくなります。この血栓が、不妊症や不育症の原因となる可能性があると考えられています。特に、不妊症、反復着床不全、原因不明の流産を経験している方や、自己免疫性疾患の既往がある方では、体内の免疫環境に何らかの異常が存在している場合があります。そのような背景を持つ方の体内環境を詳しく調べることにより、原因の特定や適切な治療方針の検討に役立てることを目的としています。
※出典:「K. Tanimura et al., Frontiers in immunology (2024)」を加工して作成
β2GPIネオセルフ抗体検査は2025年6月に厚生労働省より先進医療に認定されました。以下の条件に当てはまる方は、β2GPIネオセルフ抗体検査を先進医療として受ける事ができます。検査陽性の方は適切な治療を受けていただくことで妊娠率・生児獲得率が改善する可能性があります。
不育症の方(約20%の方が検査陽性)
治療なしと比較して、治療ありだと生児獲得率が+37.3%
※不育症とは流産あるいは死産の既往歴が2回以上有するもの(化学流産は含まない)
血流障害や血栓予防の目的で、低用量アスピリン療法やヘパリン療法を実施することにより、生児獲得率が上昇したという研究結果がでています。治療の詳細については担当医師にお問い合わせください。必要があれば専門の医療機関をご紹介いたします。
検査に必要な料金は料金表をご参照ください。
先進医療の治療費
※結果説明に関わる診察料などは別途費用がかかります。