タイミング法

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排卵日はいつ?妊娠の確率が高い日や妊娠の流れ、タイミング法を解説

排卵日はいつ?妊娠の確率が高い日や妊娠の流れ、タイミング法を解説

「少しでも早く妊娠したい」「早く赤ちゃんの顔を見たい」と考えているご夫婦(カップル)にとって、排卵日はとても大切な意味をもつ日といえるでしょう。

妊娠は、卵管の中で精子と卵子が出会い、受精し、受精卵が子宮内に着床することによって成立します。妊娠を希望する場合、卵巣から卵子が排出される排卵日をできるだけ正確に把握し、受精の確率を上げることが重要です。 この記事では、妊娠の可能性を高めるために知っておきたい排卵日について、妊娠との関わりや予測する方法について詳しく解説します。排卵日前後のいつタイミングをとるのがベストなのかについてもふれているので、自然妊娠を望んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

排卵日とは、卵巣から卵子が排出される日のこと

排卵日とは、卵巣の中で育った卵胞の壁が破れ、成熟した卵子が外に放出される日のことです。

排卵の仕組み

卵巣から放出された卵子は、卵管采と呼ばれる部分から卵管内部に取り込まれ、少し奥の卵管膨大部で精子が到着するのを待ちます。排卵が起こるのは月経から次の月経までの間の一度だけで、排卵後の卵子が受精できるのは24時間以内です。卵子と精子が出会う確率を高めるにはこのタイミングを逃さずに、性交渉を行うことが非常に重要です。

排卵日の周期は個人差があり、毎月異なる

排卵日が起こる周期には個人差があり、人それぞれです。また、排卵が起こるのは平均的な月経周期である25~28日のちょうど中ごろだといわれており、毎月同じ周期で起こるわけではありません。特に月経周期が不規則な方は、月経周期から排卵日を予測することが困難です。そのため、クリニックで検査しても、排卵日を特定することは難しいといえます。

月経周期と排卵日

排卵日前後は最も妊娠しやすい「排卵期」にあたります。例えば、月経周期が28日なら月経開始から約2週間後の14日目前後に排卵が起こることが多いため、その前後に性交渉を持つと妊娠の確率が上がるということです。

また、排卵は体の奥深くで行われているため、自覚症状はまずありません。ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れや不調を感じることはあるかもしれませんが、自分の感覚によって排卵を正確に察知することは難しいと考えてください。

排卵日を理解するためには、妊娠の仕組みと、排卵と妊娠との関わりについて理解することが大切です。

自然妊娠の仕組み

アプリなどを利用して自己判断で排卵日を予測し、排卵日と考えられる日の前後に性交渉をしているにもかかわらず、なかなか妊娠しない、という方もいらっしゃるでしょう。この場合、原因のひとつとして、月経周期が乱れていて排卵日の予測がずれていることが考えられます。

排卵日を正確に知るために、まずは自然妊娠の仕組みと流れについて確認しておきましょう。

自然妊娠の仕組みと流れ

1.排卵する

排卵前の卵子は、卵巣内にある卵胞の中に存在しています。卵胞はいくつもありますが、排卵に至るのは1つだけです。排卵しなかった卵胞は消失します。

月に1度の排卵期が来ると、脳の視床下部と呼ばれるところから卵胞を成熟させる信号が発信されます。この信号を受けて分泌されるのが、FSH(卵胞刺激ホルモン)です。このホルモンに反応し、複数の卵胞が成長を始めます。同時に分泌されるのが、受精卵を迎え入れるために子宮内膜を厚くする、エストロゲン(卵胞ホルモン)です。

このエストロゲンの分泌量が十分に増えると、排卵を促すLH(黄体形成ホルモン)が一気に分泌されます。そして、その24~36時間後に1つの卵胞が破れて、卵子が外に飛び出し、排卵します。

通常、最終月経が始まって約2週間で排卵が起こりますが、周期が乱れていたり、体調を崩していたりすると時期がずれる可能性があります。

2.卵管采が卵子をピックアップする

排卵された卵子は、先端が触手のような形をした卵管采にピックアップされ、卵管に取り込まれます。取り込まれた卵子が精子を待つのは、卵管を少し進んだ卵管膨大部です。

3.射精された精子が子宮内に入る

性交渉によって腟内に射精された精子は、子宮頸管を通って子宮に進み、卵管を経て卵管膨大部に到達します。腟内に射精される精子の数は数千万個から1億個といわれますが、子宮頸管や子宮の中で淘汰され、卵管に到達できるのは、数百個程度です。途中で脱落しなかった優良な精子だけが、卵子に出会うことができます。

4.卵管で卵子と精子が出会って受精する

卵管に到達した精子はやがて卵子にもぐり込み、受精します。受精できる精子は1個のみです。

5.受精卵(胚)が細胞分裂しながら子宮に移動する

受精が成立すると、精子と卵子は受精卵(胚)になり、細胞分裂を繰り返しながら卵管を通って子宮へと移動します。

6.受精卵(胚)が着床する

子宮内膜に到着した受精卵(胚)は、子宮内膜に根を下ろすようにしてもぐりこみ、着床します。妊娠成立です。

着床すると、胎盤が作られ始め、出産に向けて少しずつ体が変化し始めます。胎盤のもとから分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が増加すると、妊娠検査薬が反応し、陽性が確認できます。

排卵後の卵子の寿命は約24時間、精子の寿命は約72時間

排卵された卵子と、腟内に射精された精子が出会って受精するまでの時間は、無制限ではありません。精子にも卵子にも寿命があり、タイムリミットを超えると受精する能力が失われてしまいます。

排卵後の卵子の寿命は約24時間、精子の寿命は約72時間です。受精能力を持つ精子は腟内に入ってからおよそ6時間後以降から72時間後まで受精能力が維持されます。

卵子と精子、それぞれの受精能力がある間にタイミングをもつことが重要

妊娠を成立させるためには、排卵から24時間の間に、射精後6~48時間の精子が出会う必要があります。排卵日の3日前から翌日くらいまでを目安として性交渉を持つことで、この限られたタイミングを活かすことができるでしょう。

卵子と精子の体内生存時間と妊娠の可否

ただし、タイミングを予測して性交渉をし、卵子と精子がうまく出会えても、精子に元気がなければ卵子まで到達できなかったり、卵子の中に入ったりすることができません。また、受精卵(胚)になって子宮内膜に到達しても、胚に染色体異常があったり、子宮に何らかの異常があったりすれば、着床しないこともあります。

心身ともに健康で、生殖機能にも何ら問題がない20代から30代前半の男女がタイミングを合わせて性交渉を行っても、妊娠の確率は20~25%といわれています。年齢が上がるに連れて妊娠する力は低下するため、自然妊娠の確率も年齢に比例して低下します。

妊娠を希望する方は、排卵日を正確に把握し、妊娠しやすい期間に性交渉の機会を増やすことが大切です。

最も妊娠する確率が高いのは、排卵日の2日前

排卵日前後にタイミングをもつことで妊娠につながりやすいことは、前述したとおりですが、特に妊娠する確率が高いのは排卵日の2日前であるといわれています。

年齢別 – 排卵日前後の妊娠率

※参考「DavidB.Dunson,etal.,HumanReproduction,2002,Changes with age in the level and duration of fertility in the menstrual cycle,

上記のグラフは、女性は年齢を重ねると妊娠率が低下することを示していますが、どの年齢においても排卵日の2日前にタイミングをもつことが最も妊娠率が高いことがわかります。

卵子の寿命よりも精子の寿命のほうが長いため、排卵後ではなく排卵前に性交渉をし、卵管内に精子を待機させておき、排卵日を迎えるのがおすすめです。人工授精(AIH)もこの考えから、排卵する直前を予測し、実施されます。

排卵日を正確に予測する方法

排卵日は、さまざまな方法で予測することができます。ここからは、すぐに実践できるセルフチェックの方法を紹介します。

排卵日予測検査薬を使う

市販の排卵日予測検査薬を使うことで、排卵日を予測することが可能です。前述したとおり、排卵前には黄体形成ホルモン(LH)の分泌が一気に増えます。これをLHサージといい、約40時間以内に排卵が起こることを示します。

排卵日予測検査薬は、尿に含まれる黄体形成ホルモン(LH)に反応するため、簡単に排卵を予測することができます。商品に書かれた手順で、正しく使用することが大切です。

基礎体温で判断する

基礎体温とは、朝、起床して横になったまま、舌の下で婦人体温計を使って計る体温を指します。基礎体温を毎日計測し、継続的に記録することで、目に見えないホルモンのバランスや月経周期、排卵の有無などを推測することが可能です。

基礎体温を一定期間観測すると、低温期と高温期が一定のリズムで繰り返されていることがわかります。通常、月経が始まると体温は下がり、約2週間後の排卵を境に次の月経まで高温期が続きます。

つまり、低温期から高温期に切り替わるときが排卵のタイミングであるということです。きれいな二相性を示していれば、排卵が起きているといえます。ただし、基礎体温は、傾向がわかるだけであり、事前に排卵日を予測することはできません。記録したグラフを見ながら、排卵日予測検査薬を併用すると良いでしょう。

おりものの変化を見る

おりものとは、古くなった細胞や細菌などが交じり合った粘度のある液体で、子宮や腟から分泌されます。ホルモンバランスによって量や状態が変化し、粘り気のある透明なおりものが出ると排卵前のサインです。普段からおりものの変化に気を配っていると、排卵日に気づくことができます。

クリニックで検査をする

最も信頼性が高いのは、不妊治療専門クリニックで排卵日にかかわる検査を受ける方法です。不妊治療専門クリニックでは、妊娠しやすいタイミングを指導するタイミング法(タイミング指導)と呼ばれる治療を受けることができます。

経腟超音波検査で卵巣の中にある卵胞の大きさをチェックし、その成長度合いから排卵日を予測します。卵胞が十分な大きさまで育っていれば、もうすぐ排卵が起きることが確実に予測でき、頸管粘液の状況と合わせて、排卵前の妊娠しやすいタイミングを確実にとらえることができます。

タイミング法は、健康な男女が避妊をせずに1年間性交渉をしても妊娠に至らないとき、最初に試される不妊治療法です。経腟超音波検査では、不妊症の原因となる疾患や機能異常の有無なども同時に調べることができるため、タイミング法で妊娠が望めないことがわかった際は、すみやかに別の不妊治療を検討することが可能です。

排卵日を正確に予測することで、妊娠する確率は上げることができます

妊娠を希望する場合、まずは排卵日を正確に把握し、タイミングを合わせて性交渉を行うことが妊娠成立への第1歩です。妊娠の仕組みを理解し、最も妊娠しやすい時期を逃さないようにしましょう。 より正確に排卵日を予測したい場合は、不妊治療専門のクリニックへのご相談をおすすめします。にしたんARTクリニックでは、タイミング法をはじめ、妊娠に関わるさまざまなご相談に応じていますので、不妊症と診断されていない方もお気軽にご相談ください。無料カウンセリングでは、治療の方法や流れ、費用などについて詳しくお話ししているので、不安を抱えずに不妊治療をスタートすることができます。

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