妊活
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妊娠が成立するには、排卵のタイミングで卵子と精子が出会わなければなりません。では、卵子の寿命は、どのくらいなのでしょうか。妊娠の可能性を高めるためには、卵子の寿命や妊娠のプロセスを知ることが大切です。
この記事では、卵子の寿命の短さや質の重要性、妊娠までのプロセスについて解説します。併せて、卵子の質を保つ方法についても紹介しますので、妊娠を希望する方はぜひ参考にしてください。
毎月排卵日になると1個の卵子が卵巣から排卵され、受精しなければ子宮内膜と共にはがれ落ち、体外へ排出されます。これが月経です。
では、排卵してから受精が可能な期間は、どのくらいなのでしょうか。卵子の寿命や卵子の基礎知識について解説します。
卵子の寿命は、排卵後約24時間といわれています。排卵日になると毎月1個の卵子が卵巣から排卵します。排卵後は、卵管膨大部で精子との出会いを待ちますが、約24時間以内に受精しなければ、卵子は体外に排出されてしまうのが一般的です。
なお、精子の寿命は個体差がありますが、通常2~3日程度といわれています。排卵のタイミングで精子が卵管膨大部に到着しているか、卵子が寿命を迎える前に精子が到着すれば受精が可能です。そのため、排卵する前後に性交渉を行うことで、排卵日当日でなくても受精するチャンスがあります。特に排卵日の3日前から排卵日の翌日までの間に、1~2日おきに性交渉を行うと妊娠の確率が高まります。
精子の寿命については、こちらのページをご覧ください。
精子の寿命は1週間?精子と卵子の関わりや妊娠の仕組みを解説
卵子は一生のうちに排卵される数に限りがあり、その数は個人差があります。卵子のもととなる卵母細胞は、女性が胎児の頃に作られ、原始卵胞として卵巣内に保存されます。その後、出生後に卵母細胞が新しく作られることはありません。
原始卵胞は、出生時には200万個ほど保有していますが、月経が始まる思春期には20~30万個に減少し、その後も1回の月経周期で約1,000個ずつ減り、30代で2~3万個、50歳前後の閉経時にはほとんどなくなります。こうして、年齢とともに卵子の数は減少してしまうのです。
なお、年齢を重ねるごとに、卵子の数が減少するだけでなく、卵子の質も低下します。前述のとおり、卵子のもととなる卵母細胞は出生後に新しく作られることはなく、排卵のタイミングまで卵巣内で休眠し続けています。そのため、体が老化していくとともに、卵子も老化してしまうのです。
卵子が老化して質が下がると、受精しづらくなるほか、妊娠した際にも胎児の先天異常や流産のリスクが上がります。卵子がどのくらい残っているかは、血液中のAMH(抗ミュラー管ホルモン)値を調べるAMH(抗ミュラー管ホルモン)検査でわかるので、妊活の目安にするのもおすすめです。
AHM検査については、こちらのページをご覧ください。
AMH検査とは?わかることや費用、検査を受けるメリットを解説
卵子の寿命は約24時間しかなく、排卵したタイミングで卵子と精子が出会わなければ、妊娠は成立しません。では、卵子と精子はどのような行程で出会い、妊娠に至るのでしょうか。ここでは、妊娠までのプロセスについて詳しく解説します。
卵巣内の卵胞で卵子が成熟し、卵管に向かって飛び出すことを排卵といいます。この排卵が起こる日が排卵日です。排卵日は、月経が28日周期の場合、最終月経の初日から約2週間後の14日前後といわれています。
排卵された卵子は、卵管から伸びる卵管采にキャッチされ、卵管内に取り込まれて卵管膨大部に進みます。卵管膨大部は卵管の中で一番広い場所です。ここで卵子は精子との出会いを待ちます。
排卵して約24時間以内に精子と出会わない場合、着床に備えて分厚くなった子宮内膜は不要です。その結果、ホルモンの分泌量が減少し、子宮内膜が維持できなくなると数日後にはがれ落ち、体外に排出されて月経が起こります。
性交渉で射精された何億個もの精子が子宮や卵管を通って、卵子が待つ卵管膨大部に到達します。射精時には何億もいる精子ですが、卵管膨大部にたどり着くのは数百程度ともいわれています。卵子の寿命は約24時間、精子の寿命は約2~3日なので、このタイミングで卵子と精子が出会わなければ妊娠に至りません。
卵子と精子が卵管で出会い、結合することを受精といいます。卵管膨大部にたどり着いた数百個の精子が卵子を囲み、卵子を覆う卵膜を溶かしながら進んでいきます。そして、最も早く卵膜を突破した精子だけが卵子と結合し受精できる仕組みです。受精が成立すると、受精卵(胚)が形成されます。
受精卵(胚)は、細胞分裂を繰り返しながら、卵管を通って子宮に向かいます。受精卵(胚)になってから子宮にたどり着くまでには、4~7日程かかるといわれています。
受精卵(胚)が子宮に到着すると、絨毛という突起を伸ばして子宮内膜にくっつき、根を張ります。受精卵(胚)が子宮内膜に深く入り組むと、着床が完了し、妊娠が成立します。妊娠が確認できるのは、着床してから10日前後です。
妊娠成立までの流れについては、こちらのページをご覧ください。
妊娠するにはどうすればいい?妊娠の仕組みや妊活の基礎を解説
前述のとおり、卵子の質は年齢の影響を大きく受け、年齢とともに低下していきます。一度低下した卵子の質は戻ることはなく、卵子と精子が出会っても受精できなかったり、受精できても細胞分裂ができなかったりすることがあります。そのため、妊娠に目指すには、今ある卵子の質をできるだけ維持することが重要です。
では、卵子の質を維持するにはどうすればよいのでしょうか。加齢による卵子の質の低下には、活性酸素が関係していると考えられています。活性酸素が体内で過剰に増えると、卵子内でエネルギーを作り出す器官の働きが弱まり、卵子の質が低下する原因になります。体内で活性酸素を増やさないために、下記のポイントを心掛けましょう。
食事はコンビニや冷凍食品などで済ませるのではなく、旬の食材を使ったバランスの良い食事を心掛けましょう。特に、抗酸化物質の豊富なビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどを積極的に取り入れるのがおすすめです。例えば、ビタミンAはニンジンやほうれん草、ビタミンCは柑橘類やパプリカ、ビタミンEはアーモンドやカボチャに多く含まれています。これらの栄養素は、体内の活性酸素を抑える働きがあり、卵子の質の維持に役立つため、積極的にとるように意識してみてください。
適度な運動は、活性酸素の産生を抑える効果に期待できます。また、健康を維持し、妊娠しやすい体作りのためにも、適度な運動を取り入れて、体重を適正範囲(BMI18.5-25)に保つことが大切です。ウォーキングやジョギング、ヨガなどの運動は、血流を良くし体をリフレッシュさせる効果もあります。ただし、マラソンやハードな筋トレなどの過度な運動は活性酸素を増やす原因になるので、やりすぎには注意しましょう。
精神的ストレスは、ストレスホルモンの分泌を増加させ、ホルモンバランスを乱すことで活性酸素を過剰に産生させる原因になります。また、過度なストレスは交感神経を刺激し、血管を収縮させることで血流が悪化し、さらに活性酸素の産生を促します。できるだけストレスの原因から離れ、体と心の健康を保ちましょう。
喫煙も、活性酸素の産生を促す要因のひとつです。タバコの成分は卵巣を含む、体内の細胞にダメージを与え、卵子の質を低下させる原因になります。喫煙習慣は妊娠中のリスクにもつながるので、妊活を始める前から禁煙することをおすすめします。
排卵してから受精できる体内での卵子の寿命は、約24時間しかありません。妊娠を成立するためには、24時間以内に精子と出会い、受精する必要があります。しかし、24時間以内に卵子と精子が出会っても、卵子の質が悪いと受精が難しいかもしれません。
卵子の質や数は、年齢の影響が大きいものです。ご自身の卵子の数が気になる方は、医療機関でAMH検査を受けることをおすすめします。なお、AMH値は血液を採取するだけで簡単にわかるため、安心してお受けいただけます。
AMH検査の結果は、将来の妊娠の可能性を知るだけでなく、不妊治療の方針を考えるための判断材料になります。妊娠を希望する場合は、少しでも早くAMH検査を受けてみてください。
にしたんARTクリニックでは、女性に向けた3つのブライダルチェックコースすべてで、AMH検査を実施しています。卵子の質が気になる方は、まずはクリニックにご相談ください。
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