不妊治療

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不妊治療って痛いの?心配な治療や検査に伴う負担を解説

不妊治療って痛いの?心配な治療や検査に伴う負担を解説

妊娠を希望しているのになかなか授からない場合、その原因に合わせて行うのが不妊治療です。不妊治療を考えている方からは「痛みを伴うのでは?」「どんなことをされるのかわからなくて怖い」という不安の声が聞かれます。

本記事では、痛みが生じるかもしれない不妊にまつわる検査や治療のほか、具体的にどのような痛みや負担があるのか、痛みを軽減させるコツについて解説します。

不妊治療に伴う痛みはゼロではないが十分に配慮されている

不妊治療には医療行為が伴うため、痛みをゼロにするのは難しいですが、クリニックや病院では患者さまの気持ちに寄り添った対応がされています。

不妊治療では、タイミング指導(タイミング法)や人工授精(AIH)、体外受精(IVF)などのステップがあり、その中で血液検査に伴う採血や薬剤の注射、採卵などの際に針を使う処置が多くあります。処置に伴う痛みは、チクリとした瞬間的なものがほとんどです。各クリニックや病院の医師も、患者さまの不安な気持ちに寄り添い、少しでもリラックスして受診してもらえるよう、痛みをやわらげる配慮や工夫をしています。それでも不安な場合は、スタッフや医師に相談してみると不安な気持ちが解消されるかもしれません。

不妊治療のステップアップ例

スクリーニング検査や子宮卵管造影検査で生じる痛み

不妊治療を始める前に行うスクリーニング検査には痛みを伴う検査も含まれます。具体的にどのような検査で痛みが生じるのでしょうか。

スクリーニング検査とは、妊娠成立の妨げになるような要因がないか、妊娠や出産ができる状態かどうかを月経周期に合わせて調べる検査です。スクリーニング検査の中には、血液検査でホルモンの基礎値を測る基礎ホルモン検査や、子宮頸部の細胞を綿棒で採取し、子宮頸がんの可能性を調べる子宮頸部細胞診などがあり、多少痛みを伴うこともあります。

また、スクリーニング検査の中には、子宮卵管造影検査も含まれます。子宮卵管造影検査とは、子宮に造影剤を入れ、子宮の形態や卵管のつまり・形状などを観察する検査です。
痛みを感じるのは2ヵ所あり、子宮に検査用のチューブを挿入し固定するときと、子宮や卵管に造影剤を注入し膨らませるときです。卵管が狭くなっていたり詰まっていたりする場合は、より痛みを感じやすいでしょう。

スクリーニング検査の苦痛を少しでもやわらげるためには、安心して受診できるクリニックを選ぶことが大切です。不安に感じることがある場合は、1人で背負わずにスタッフや医師に相談してみてください。

タイミング指導(タイミング法)で生じる痛み

排卵日を予測して最も妊娠しやすいタイミングで性交渉をするタイミング指導(タイミング法)自体には、痛みはありません。しかし、排卵日を予測するために血中ホルモン値を計測しなければならず、これに伴う血液検査を痛いと感じる方もいるでしょう。併せて、経腟超音波検査も行いますが、痛みを感じないことがほとんどです。

人工授精(AIH)で生じる痛み

タイミング指導(タイミング法)と同様、人工授精(AIH)にも血液検査や超音波検査が伴うため、痛みを感じる人もいます。
人工授精とは、女性の排卵のタイミングに合わせて、男性から採取した精液を精製し、カテーテルを使い子宮に直接注入することで妊娠の確率を上げる不妊治療法です。

血液検査や経腟超音波検査が必要なので、注射針を刺すときや超音波検査の器具・カテーテルを腟に挿入するときに痛みが伴います。ただ、カテーテルは細くてやわらかい素材のものを使用するため、注入時の痛みはほとんどありません。治療自体もすぐに終わるので、過度な心配はいらないでしょう。

体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)で生じる痛み

一般的に、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)といった生殖補助医療(ART)では、痛みが生じることがあります。
体外受精とは、女性の体内から取り出した卵子に精子をふりかけて受精させる方法のことを指し、顕微授精とは、体外受精と同様に女性の体内から取り出した卵子に、顕微鏡で観察しながら精子を直接注入して受精させる方法のことをいいます。ここでは、体外受精や顕微授精の際に痛みが生じる場面について解説します。

採血や排卵誘発剤などの注射

体外受精や顕微授精は、通常の血液検査に加え、排卵を誘発するための薬剤を使用する卵巣刺激法を行う必要があり、注射による痛みが伴います。

排卵誘発剤の投与方法は、自分で注射を打つ「自己注射」と、通院して医師に注射を打ってもらう「通院注射」のどちらかを選択できます。通院注射の場合は、クリニックで打ってもらえるため恐怖心をやわらげることができますが、通院や診察、治療と時間的・経済的な負担を感じる方もいるかもしれません。自己注射の場合は、自分で針を刺す怖さがあるかもしれませんが、通院などにまつわる時間的負担は大幅に削減されます。また、経口薬や点鼻薬での投与も可能ですが、効果が薄くなってしまうため、注射での投与がおすすめです。

なお、注射針は通常よりも細いものを使用するため、過度に怖がる必要はありませんが、痛みを強く感じる場合はさらに細い注射針に交換してもらうこともできるので、ストレスを感じる場合はクリニックで相談してみてください。

特に、自己注射に対して恐怖心を持つ方も多いと思いますが、注射の時間を確保するために仕事やプライベートの時間を調整する必要がないため、無理なく継続できる方法といえます。自己注射を選択する場合は、医師や看護師からのレクチャーがあるため、痛みを減らすコツをつかみ、リラックスして打つことが大切です。

それでも不安を感じる方は、5つのコツを押さえて打つといいでしょう。下記を試してみても痛みが強い場合は、遠慮なく医師に相談してください。

自己注射の痛みをやわらげるコツ

  • 毎回、注射を打つ部位を変える
  • 注射液を常温にしてから注射する
  • 注射を打つ部位をあらかじめ冷やす
  • 注射を打つ部位をしっかりつまみながら注射する
  • 息を吐きながら注射する

経腟超音波検査

子宮や卵巣を詳細に観察する経腟超音波検査も、痛みを伴う場合があります。経腟超音波検査では、プローブと呼ばれる親指ほどの太さの細長い機械を挿入します。 検査時間は長くても数分程のため、通常は痛みをほとんど感じませんが、子宮や腟に炎症がある場合は痛みが生じることもあるでしょう。

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)は、卵巣が腫れておなかに水が溜まり、吐き気や喉の渇き、急な体重増加が表れるほか、おなかが張ったり胃のあたりや下腹部が痛くなったりする症状です。 排卵誘発剤を使用した際の卵巣刺激の影響でエストロゲン(卵胞ホルモン)が高くなると、OHSSが起こりやすくなります。 違和感があるときや痛みが強い場合は、すぐに医師に相談しましょう。

採卵

体外受精(IVF)で採卵するときに痛みが生じることがあります。採卵とは、成熟した卵子を卵巣内の卵胞から採取することです。ここでは、採卵にあたり痛みが伴う過程をご説明します。

1. 腟洗浄を行う
採卵前に、温めた生理食塩水や消毒液を使って腟内や外陰部を洗浄します。その際に、違和感があったり痛みを感じたりすることがあるでしょう。静脈麻酔の場合は麻酔をかけた後に腟洗浄を行うので、違和感や痛みはほぼありません。

2. 麻酔をかける
麻酔をかける際にも、種類によっては痛みを伴うことがあるでしょう。麻酔には静脈麻酔と局所麻酔があり、クリニックや病院の方針、本人の希望によりどちらにするかを選択します。局所麻酔の場合は、注射を打つときに痛みを感じることがあります。ただ、すぐに麻酔が効いてくるのであまり心配はいりません。

3. 卵子を採取する
麻酔が効いてきたら、卵巣から卵子を採取します。腟から卵巣に向けて細い針を刺して卵胞液ごと卵子を吸引するときに痛みを生じることがありますが、麻酔を使うため採卵時に痛みを感じることはほとんどありません。
ただ、麻酔が切れた後にチクチクとした痛みを感じたり、歩くと響くような痛みや月経痛のような鈍い痛みが出たりする場合があります。また、採卵後に初めて月経が来たときは、月経痛が強くなることもあります。ただ、そういった痛みは、日が経つにつれて治まっていくので心配はいりません。
各クリニック・病院では、採卵のときには細い採卵針を使ったり、麻酔薬をしっかり効かせたりするなど、痛みをやわらげる工夫をしているので、痛みが不安な方はスタッフや医師に話を聞いてみるといいでしょう。

4. 子宮に胚移植をする
胚移植をする際も、痛みを感じることがあります。胚移植とは、体外受精や顕微授精で受精させた受精卵を培養して子宮の中に戻す手術のことです。
胚移植の際に使用するカテーテルはごく細くやわらかいものなので、挿入しても痛みはほとんどありませんが、挿入するときに痛みを感じる方もいます。

妊娠成立時の痛み

不妊治療がうまく進んだ場合、着床するときに「着床痛」と呼ばれる痛みを生じることがあります。痛み方は月経痛に似たどんよりした痛みや、チクチク、ピリピリ、ズキンとする痛みなど千差万別です。

また、人によっては「着床出血」と呼ばれる少量の出血が1~2日程度続くこともありますが、長くても3~4日前後で治まります。

流産、異所性妊娠による痛み

妊娠22週未満に胎児が亡くなることを流産といい、流産の前には出血や腹痛が起こることが多いです。胎児の自然排出を待つこともありますが、手術で取り除く場合もあり、その際の身体的負担は少なくないでしょう。

出血量が多く腹痛も強い場合は、子宮内膜以外の場所に着床してしまう「異所性妊娠(卵管妊娠、卵巣妊娠、腹膜妊娠、頸部妊娠)」のおそれがあります。
その場合は、時間や曜日を問わず、すぐにクリニックを受診してください。クリニックにかかっている場合は、出血や痛みが異所性妊娠によるものかどうかがすぐに判断できます。

不妊治療における心理的負担について

不妊治療は、ゴールの見えないマラソンのように、いつ終わるかわからないものです。その分、さまざまな負担や心の痛みも大きくなりがちです。仕事のスケジュールをやりくりしてクリニックに通うこと自体もストレスですし、不妊治療のために休んだり遅刻・早退したりすることは職場には言いづらいので、心理的負担もあるでしょう。

それに加え、費用や時間をかけても必ず妊娠するわけではないので、経済的負担や身体的負担も小さくありません。ホルモンの影響で落ち込みやすい時期もあり、治療が長期化すると抑うつ状態になりやすいという報告もあります。

不妊治療での痛みを負担に感じないためのポイント

不妊治療を進めていく中で直面する痛みの感じ方は人それぞれです。ここでは、不妊治療で痛みを負担に感じないためのポイントを解説します。

クリニックにあらかじめ不安なことを相談する

痛みに弱い人は、不妊治療で発生する痛みへの不安や心配があることをあらかじめクリニックのスタッフや医師に相談しておきましょう。事前に相談することで、痛み止めの処方や麻酔薬の量の調整など、さまざまな対処をしてくれます。治療や検査の内容に疑問があれば積極的に質問をして、しっかりと心の準備をすることが大切です。

不安な方は、いつでも相談できる窓口や相談体制を持つクリニックを選ぶのがおすすめです。クリニックによっては、治療中に看護師が手を握ってくれたり、背中をさすってもらえたりする場所もあるので、心配な方は治療前に確認してみてください。

通院時はゆったりとした服装を選ぶ

不妊治療では、採血や内診台での診察、各種検査を受ける機会が多いため、待ち時間にリラックスできるよう、着脱が簡単なゆったりとした服装で通院することをおすすめします。
また、エアコンの効きが強いところもあるかもしれないので、冷暖房対策もするといいでしょう。

ストレスを溜めないためにセルフケアをする

不妊治療にはさまざまなストレスが付き物です。そのため、ストレスを溜めないための工夫も必要になります。

不妊治療中は、意識的にリフレッシュしたり、パートナーとの心理的負担を溜めないためにもコミュニケーションを十分にとったりすることが大切です。
また、2人で通院することもあるので、通いやすく医師やスタッフにも相談しやすい、相性の良いクリニックを選びましょう。共働きの場合は、通院と仕事との両立がしやすいクリニックがおすすめです。可能であれば、職場にも不妊治療のことを伝えて、急なお休みや遅刻・早退のときには協力してもらえるよう、事前に相談することも大切です。

不安を解消し、リラックスしながら不妊治療に臨もう

不妊治療では、検査や治療の中で痛みを生じることもあります。少しでも軽減するために、事前に医師やスタッフに心配な点や不安な点を質問したり相談したりして、不安感を解消することが大切です。そのためには、安心できるクリニックを選び、できるだけストレスを抑えながら不妊治療を進めるようにしましょう。

にしたんARTクリニックは、患者さまファーストで不妊治療による痛みを少しでもやわらげるよう、さまざまな工夫をしています。痛みに不安を感じている方は、にしたんARTクリニックへお気軽にご相談ください。

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