卵子凍結

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卵子凍結の保存期間とは?通院期間や採卵方法などを解説

卵子凍結の保存期間とは?通院期間や採卵方法などを解説

卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて若いときに卵巣から卵子を採取し、凍結保存することです。東京都や山梨県が卵子凍結のための費用の一部を助成することが昨今のニュースで話題になっているのを見たり聞いたりして、卵子凍結のことを知った方も多いのではないでしょうか。
本記事では、卵子の採取方法やそのための通院期間から凍結方法、保存期間までを徹底的に解説します。

凍結した卵子の保存期間は、妊娠可能な年齢まで

卵子凍結とは、若いときに卵巣から採取した卵子を液体窒素タンクに入れて、凍結保存しておくことです。
液体窒素タンクは理論上、永久に凍結が可能といわれ、保管期間が長くなっても卵子の質は劣化せず、採取した年齢当時の状態で保存できます。いずれのクリニックでも、転倒や盗難、紛失、取り違え防止などの対策を万全に行った上で大切に保管されています。

一般的なクリニックでは卵子凍結をした場合、保管は1年ごとに更新となります。更新料はクリニックによって異なりますが、にしたんARTクリニックの場合、数にかかわらず年間保管料は49,500円です。保管料を更新すれば継続して保存することが可能ですが、50歳以上の妊娠はリスクが高まるため、にしたんARTクリニックでは最長保管期間を満50歳までとしています。
妊娠は年齢の壁があり、妊娠適齢期もあります。 下記のグラフでもわかるように、40歳以上では流産率も高まる傾向があることを覚えておいてください。

卵子凍結する際の通院期間

卵子凍結を行うクリニックを決めたら、まずはカウンセラーによるカウンセリングからスタートします。通院回数は個々で異なりますが、初診から採卵・卵子凍結が終わるまで、概ね6~7回程度が目安です。

仕事をされている場合、休暇申請の必要があるのは、術後にクリニック内の部屋で数時間安静にしなければならない採卵日のみです。そのため、卵子凍結のみであればスケジュールも調整しやすいのではないでしょうか。下記は、検査から採卵までの流れの一例ですので、参考にしてください。

卵子凍結する際の検査から採卵までの流れ

月経前:カウンセリング・検査

最初に、カウンセラーによるカウンセリングで、卵子凍結の流れや費用について説明を行います。その後、医師が初診であらためて卵子凍結の説明を行ったのち、スクリーニング検査や術前検査を実施して、病気や異常がないかどうか、卵子凍結ができる状態かどうかをチェックします。もし、婦人科系の病気や異常が見つかった場合は、治療を優先的に行うこともあるでしょう。
にしたんARTクリニックの場合、カウンセリングと初診にかかる所要時間はそれぞれ30分ずつ、計1時間前後が目安です。

月経開始3日以内:検査結果・スケジュール決定

にしたんARTクリニックでは、2回目の来院のときに検査結果の説明を90~120分程度行います。女性の年齢や卵巣予備能などを考慮して、質の良い卵子を複数個確保するための排卵促進の方法や全体の治療スケジュールなどの方針を決定します。

月経開始10~11日目頃:採卵に向け卵巣刺激の開始

3回目は、月経の2~3日目までに来院します。多くの卵子を効率良く採取するために、排卵誘発剤を使って卵巣に刺激を与える治療を行います。卵巣刺激には内服薬や注射を使用しますが、卵巣刺激方法には複数の方法があるので、使用する薬剤や方法は主治医と相談の上、体の状態や希望に合わせて選びましょう。その後、3~4日に一度来院し、ホルモン検査や経腟超音波で卵胞を確認します。

月経開始13~14日目頃:採卵・保管

卵胞が成熟してきた様子が確認できたら、卵巣から卵子を得ます。経腟超音波で卵巣に針を刺して卵胞液ごと得る手術になるので、術前には患者さんの希望に合わせて局所麻酔もしくは静脈麻酔をします。どちらの場合も、採卵後はクリニック内の部屋でしばらく安静が必要です。

採取後の卵子はすぐに培養室に運ばれ、成熟度を調べたのちに胚培養士が液体窒素を使ったガラス化保存法で卵子凍結を実施します。採卵から2~3時間後に医師の診察を受けて、体調などに問題がなければ帰宅できます。翌日以降にご予約をおとりいただき、医師による結果説明を受けて、体調などに問題がなければ帰宅できます。翌日以降にご予約をおとりいただき、医師による結果説明を受けたら完了です。
その後、妊娠を考えるタイミングまで通院はありません。クリニックでは、凍結した卵子を実際に使う日が来るまで大切に預かってくれます。にしたんARTクリニックの場合、卵子の凍結は原則40歳まで、凍結した卵子の保管は50歳まで可能です。

卵子凍結のプロセス

卵子凍結は、採卵前の検査から卵子を凍結し、溶解した後に受精卵にして子宮に移植するまでさまざまなハードルがあります。卵子凍結のプロセスは下記のとおりです。

1. 卵子を得る

まず採卵手術の前に、内診や血液検査、複数個の卵子を採取できるよう、排卵促進などの準備を行います。排卵促進には、内服薬や注射などの排卵誘発剤を使用しますが、OHSS (卵巣過剰刺激症候群)などの副作用が出ることもあるので、主治医がそれぞれの患者さまに適した方法を決定します。

採卵後はリカバリールームでしばらく安静にした後に診察を受け、異常がないことが確認できたら帰宅可能となります。

2. 卵子を液体窒素タンクで凍結保存

採取できた卵子は培養室に運ばれ、成熟卵を選定した上で液体窒素を使って、ガラス化保存法で凍結されます。ガラス化保存法とは、卵子の細胞内液を凍結保護剤に置き換え、細胞が壊れないように細胞内の水分をガラス状に凍結させることです。

凍結後は、専用タンクで-196℃の超低温で凍結保存に入ります。保管のための契約は採卵日から1年間となるので、1年以上保管したい場合は1年ごとに更新料が必要になります。

3. 将来、妊娠を望むタイミングで顕微授精(ICSI)

将来パートナーができ、妊娠を望むタイミングになったものの、不妊治療が必要になった場合に、卵子を凍結したクリニックを受診します。

まず、凍結していた卵子を融解し、同じタイミングでパートナーの精液から精子を取り出し、顕微授精(ICSI)で受精卵にします。具体的には、凍結した卵子を融解し、パートナーから得られた精液を使って元気の良い精子を選定し、顕微鏡で見ながら卵子に精子を注入して受精を成立させる方法です。

次の段階である胚移植に備え、子宮を厚くするための卵胞ホルモン剤などの薬剤を服用するといった 、子宮を万全な状態にする準備も行います。
なお、凍結した卵子を使用する際には、精子提供者となるパートナーのサインが必須となります。精子提供者となれるのは、法律婚または事実婚をしている方のみとなり、単身者はなれないため注意が必要です。

4. 受精卵ができたら子宮に移植

顕微授精後、受精卵は子宮と同じ環境の培養器に入れられて、順調に細胞分裂ができるかを観察しながら数日間大切に育てられます。
順調に成長した後に、超音波で子宮内を観察しながらカテーテルを使って子宮の着床しやすい位置に胚(受精卵)を移植します。胚移植にかかる時間は10分程度。胚がうまく着床すれば、妊娠が成立します。

胚移植について詳しくは、こちらのページをご覧ください。胚移植とは?

卵子凍結した場合、妊娠しやすい時期ってあるの?

卵子凍結をしたからといって、妊娠のベストな時期といえるものは特にありませんが、自然妊娠やほかの不妊治療と同様に、できるだけ若いうちに妊娠を考えたほうがいいでしょう。どんなに若いうちに卵子を凍結しても、特に35歳を過ぎると年齢が上がるにつれて妊娠率も下がり、流産率も上がります。

また、母体は年齢を重ねるにつれてどうしても老化するため、高齢出産に伴うリスクも高まります。ちなみに、2020年の治療成績では、受精した凍結卵子の胚移植による妊娠率は全体で29.0%でした。ただし、2020年の妊娠率も年齢に よって異なっているので、妊娠率の数字を気にするのではなく、より早い段階での妊娠を目指すことが大切です。

※出典 公益社団法人日本産科婦人科学会「体外受精・胚移植等の臨床実施成績」(2020年)

保存期間が長い凍結卵子を使った妊娠はリスクが高くなる?

液体窒素によるガラス化保存法を用いると、理論上は半永久的に保存でき、変質しないのが特徴のため、凍結した年齢での卵子の質を保つことはできます。
例えば、30歳で卵子凍結しておけば、35歳や40歳で「妊娠にチャレンジしたい」と思ったときに、30歳の状態の卵子を使うことができるのです。保存期間の長さと卵子の質の劣化は関係ないと考えていいでしょう。

また、卵子凍結をしたからといって、先天性異常などが現れるリスクもほかの不妊治療方法や自然妊娠と変わりはありません。
アメリカ生殖医学会は、2012年に凍結融解卵子から生まれた子供でも、染色体異常や先天性異常、発育障害などのリスクが増えることはないと発表しました。翌2013年にも、同医学会が「成熟卵子の凍結保存に関するガイドライン」で、卵子凍結後の顕微授精(ICSI)によって生まれた子供と、新鮮胚移植によって生まれた子供を比較したとき、出生体重や先天的異常などの明らかな差は認められなかったと報告しています。

知っておきたい卵子凍結の注意点

卵子凍結は、将来の妊娠の可能性を広げるために有効な手段ではありますが、卵子凍結にはいくつかの注意しなければならない点があります。下記の注意点を見ていきましょう。

必ず妊娠につながるとは限らない

卵子凍結をしても、必ず将来妊娠するとはいえません。胚移植しても着床しなかったり、子宮の中でうまく育たず流産したりすることもあります。顕微授精(ICSI)をしても受精が成立しなかったり、受精卵となってもその後うまく細胞分裂が起こらず胚移植にたどり着けなかったりすることもあるのです。
凍結未受精卵子を用いた胚移植で子宮内に着床する確率は17~41%、そこから出産に至る確率は卵子1個あたり、4.5~12%まで下がってしまうのです。

また、妊娠・出産率は、採卵できる数や採卵する年齢、妊娠する年齢によっても大きな差が生まれます。例えば、20代では一度で10個近く採卵でき、妊娠・出産率も80%に上ります。
一方、40歳で妊娠・出産率を80%前後にしようと思えば、40個以上採卵しなければなりません。 年齢が上がるにつれて一度に得られる卵子の数も減少するので、その分採卵回数も多くなり、身体的・精神的・経済的負担も比例して増えます。

凍結・融解による卵子へのリスクがある

医療技術が発達しているとはいえ、凍結・溶解は卵子に大きなストレスとダメージを与えてしまいます。融解の途中で破損する可能性 もありますし、融解すると変質して使えなくなるものが1割程度出てくる可能性もあります。なお、卵子が変質する原因は、まだ解明されていません。

妊娠・出産には年齢の限界がある

自然妊娠と同じように、卵子凍結後に顕微授精をする際には、加齢によるリスクがあります。そのため、卵子凍結は一般的に39歳以下の女性が対象です。
にしたんARTクリニックでも40歳までと年齢制限を設けてはいますが、必ずしも40歳を超えるとできないわけではありません。40歳を超えて卵子凍結を希望する場合は、医師から採卵できる数が少ないかもしれないといったリスクに関する説明を受けた後に、卵巣の機能を知るためのAMH(抗ミュラー管ホルモン)検査をして、数値を見てできるかどうかを判断することが多いようです。

受精方法は顕微授精となる

卵子凍結を使った受精方法は、体外受精(IVF/ふりかけ式)ではできないため、顕微授精のみとなります。顕微授精は顕微鏡下で卵子に針を刺して直接精子を注入できるため、受精率を上げられる可能性があります。

費用がかかる

卵子凍結は自費診療となり、保険は適用されません。また、採卵費用や凍結費用のほか、数万円の保管料が毎年発生します。
にしたんARTクリニックの場合、1年の保管料は個数に関係なく4万9,500円となっています。

体に負担がかかる

採卵する前に排卵誘発剤を使用して卵巣を刺激するため、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)などの副作用を生じる可能性があります。
OHSSとは、卵巣が腫れたりおなかや胸に水が溜まったりする症状です。35歳以下の人、やせ型の方人、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の人などは、OHSSになるリスクが高くなるため注意が必要になります。

採卵時は腟から卵巣に針を刺すため、術中や術後に痛みが出てくることがありますが、麻酔をして行うので過度に不安になる必要はありません。
ただし、手術のため、感染症になったり出血をしたりする可能性もあります。気になる症状が出た際には、早めに主治医に相談するようにしてください。

保管時のリスクがある

保管期間が長期になればなるほど、長期保管によるリスクが高くなります。液体窒素タンクは、理論上は永久に凍結保存が可能ではあるものの、地震や火事、風水害、津波などの自然災害や盗難・紛失といったリスクは避けられません。
また、保管しているクリニックが、何らかの理由により倒産をする可能性もゼロではありません。そのため、賠償責任保険などのバックアップ体制があるか、万一のときの返金規定があるかどうかも、事前に確認しましょう。

卵子凍結で将来の妊娠の可能性をアップさせるなら、にしたんARTクリニックに相談を

「今はまだ仕事をがんばりたいけれど、将来に備えて卵子を凍結しておきたい」とお考えの方は、にしたんARTクリニックにご相談ください。

卵子凍結は、基本的に1年更新です。更新料をお支払いいただく限り、妊娠可能とされる年齢の上限までのあいだ、大切にクリニックでお預かりします。凍結期間の長さによる凍結中の卵子の質には影響はなく、長期保管によって何らかの先天性異常が現れやすくなるリスクもありません。
ただし、融解する際に破損したり変質したりするリスクはありますが、保管期間とは関係なく生じるものと理解しておきましょう。

採卵も妊娠も、適した時期は特にありませんが、若ければ若いほど良いとされています。今が一番若いので、少しでも「将来子供を持ちたい」という希望がある場合は、卵子凍結も早めに決断することをおすすめします。
にしたんARTクリニックでは、無料でカウンセリング可能です。平日は22時まで、土日祝も診療しておりますので、卵子凍結を実際にするかどうかを問わず、まずはお気軽にご来院ください。「夜遅くまで診療しているため通院がしやすい」「卵子の数にかかわらず年間保管料が変わらない」「クリニックがきれいで清潔感がある」といった理由で、大変好評をいただいております。

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