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不妊治療の保険適用の回数を超えたら?不妊治療にかかる費用を解説

不妊治療の保険適用の回数を超えたら?不妊治療にかかる費用を解説

2022年から不妊治療が保険適用になり、不妊治療による経済的な負担が軽減されました。ただし、不妊治療の保険適用には、年齢と胚移植の回数による制限があり、制限を超えると保険適用での治療はできません。

本記事では、気になる不妊治療の保険適用の条件や、保険適用外となる治療の種類、費用負担を減らす方法などについて解説します。

不妊治療の保険適用の回数を超えた場合は自費になる

不妊治療を保険適用で受けられる回数は、年齢、および胚移植の回数によって決まります。もし、保険適用で複数回胚移植を行っても成果が見られず、制限回数を超えた場合、以降の治療は保険適用外となります。よって、治療を続ける場合には自身で費用を負担しなくてはなりません。

保険適用で胚移植できる回数は、妊娠の可能性を大きく左右する年齢によって決まっています。回数制限はあくまで胚移植の回数であり、採卵の回数はカウントに含みません。
なお、1回の治療から申請までのあいだに法律上のパートナーがおらず、同一世帯であることの証明ができるなどの条件を満たせば、事実婚であっても保険適用の対象となります。

保険適用となる不妊治療の種類

では、具体的にどのような治療に保険が適用されるのでしょうか。2022年より保険適用となったのは、一般不妊治療、および生殖補助医療(ART)といわれる下記の治療です。

健康保険が適用される不妊治療
一般不妊治療タイミング療法、人工授精(AIH)
生殖補助医療(ART)採卵、再生、体外受精(C-IVF)、顕微授精(ICSI)、受精卵・胚培養、胚凍結保存、胚移植

これにより、以前から保険が適用されていた不妊の原因を解明するための検査や、原因の治療費などに加え、基本的な不妊治療のほぼすべてが保険適用の範囲に加わったことになります。

不妊治療の保険適用の条件

不妊治療で保険を適用するためには、いくつかの条件があります。具体的な条件を見ていきましょう。

一般不妊治療

一般的な不妊治療であるタイミング指導(タイミング法)と人工授精(AIH)は、制限なく保険適用で診療を受けることができます。

生殖補助医療(ART)

生殖補助医療(ART)は、基本的に一般不妊治療で妊娠に至らないご夫婦(カップル)に対して行うものです。生殖補助医療(ART)には体外受精(Conventional-IVF/ふりかけ法)・顕微授精(ICSI)があり、女性の年齢と胚移植の回数によって、下記のとおり保険適用の制限があります。

生殖補助医療(ART)の保険適用対象者の条件
初めての治癒開始時の女性の年齢回数上限
40歳未満通算6回まで(1子ごと)
40歳以上43歳未満通算3回まで(1子ごと)

保険適用の年齢上限は、女性側の体外受精(C-IVF)の成功率を踏まえて、43歳までとなっています。治療開始時点の年齢制限であるため、43歳になる前日までに治療を開始すれば、その周期が終わるまでの治療は保険適用となります。

ただし、42歳で開始した治療の周期が終わり、次の周期に入るときに43歳になっていた場合は自費に切り替わるので注意してください。
また、胚移植の回数による制限は年齢と別にあり、治療を開始した年齢が何歳であっても40歳未満は通算6回、40歳以上43歳未満は通算3回を超えた時点で保険適用外となります。

保険適用後は3割負担で治療可能

保険適用で不妊治療を受けると、自己負担額が3割になります。保険適用になると、「どのくらい負担が軽くなるの?」と思っている方もいるかもしれません。勤務先や個人で健康保険に加入している場合、不妊治療も病気やケガなどの保険適用される治療と同様に、 3割負担で受診することが可能です。

これにより、今までに比べると経済的な負担が軽減され、受診のハードルが下がっていることがわかります。

混合診療は原則禁止

不妊治療のうち、2022年に定められた保険適用の範囲に含まれない治療は、全額自費診療となります。

保険診療で行う治療のプロセスに自費診療の治療を併用することは「混合診療」として原則禁止されており、実施することができません。保険診療は「国民皆保険」の考え方にもとづいて公平かつ平等に提供されるものであるため、混合診療を行うことで医療格差が生まれるのを避けるためです。
保険診療に自費診療をプラスした場合、すべての治療が自費診療になることに注意しましょう。

ただし、自費診療の治療の中には、国内では未承認でも海外では多くのエビデンスがあるものも多く、患者さまの選択肢を広げるのに役立ちます。保険適用を優先した場合、受けられる治療が標準的な治療のみになることも把握しておく必要があります。

採卵回数に制限はないが、続けての採卵は禁止

不妊治療の保険適用条件において、採卵回数による制限はありません。ただし、凍結した胚を移植しきらないうちに行った採卵は保険適用外となります。

余剰胚がある状態で、将来に向けて凍結胚を増やす目的で採卵を行った場合は、保険適用外になることを覚えておきましょう。

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保険適用外となる不妊治療の種類

不妊治療のうち、先進医療と呼ばれる治療は保険適用外となります。
先進医療とは、厚生労働省が認めた高度な医療であり、保険給付の対象とするか否かを検討している段階の技術のことです。先進医療は、「先進医療A」と「先進医療B」に分類され、にしたんARTクリニックのすべての院で「先進医療A」に含まれる治療・検査を行うことができます。新宿院、品川院、大阪院、名古屋駅前院、神戸三宮院が「先進医療A」の登録施設となっており、不妊治療と先進医療の混合診療が可能です。

通常は、保険適用の診療と自費診療を組み合わせる場合、保険がきかず全額自己負担になってしまいますが、先進医療の登録施設の場合、保険適用の診療と自費診療の先進医療を組み合わせる混合診療が可能になります。

にしたんARTクリニックで実施している先進医療A は、下記のとおりです。

ERA検査(子宮内膜着床能検査)

ERA検査(子宮内膜着床能検査)は、子宮内膜を採取して、遺伝子レベルで着床に適したタイミングを調べる検査のことを指します。

EMMA検査(子宮内膜マイクロバイオーム検査)

EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム検査)は、子宮の細菌叢バランスを調べて最適化し、着床率・妊娠率の向上を目指すための検査です。

ALICE検査(感染性慢性子宮内膜炎検査)

ALICE検査(感染性慢性子宮内膜炎検査)は、不妊症・不育症につながる慢性子宮内膜炎の原因菌を調べ、細菌叢を最適化して着床率向上を目指すための検査のことを指します。

子宮内膜スクラッチ

子宮内膜スクラッチは、子宮内膜に小さなひっかき傷を作り、傷の修復のために分泌されるサイトカイン(たんぱく質)を使って着床しやすい子宮環境を作る治療法です。

SEET法

SEET法とは、子宮内膜刺激胚移植法のことを指します。胚盤胞培養を行った胚と、胚を培養した培養液を別々に凍結保存しておき、移植の2~3日前に子宮内膜に注入することによって、着床しやすい状態を作る治療法です。

二段階胚移植

二段階胚移植とは、受精後2~3日目の「初期胚」と、5~6日目の「胚盤胞」を同じ周期で移植し、着床率を高める方法です。ただし、多胎妊娠になる可能性が高いので注意が必要です。

助成金以外で、不妊治療の費用負担を減らす方法

2022年から不妊治療に保険が適用されたことで、それまで実施されていた1回あたり30万円の助成金制度は廃止となりました。これに代わって費用負担を軽減する方法として、下記のような助成金や制度があります。

自治体や企業の不妊治療助成金

東京都や福岡県、福島県など、自治体によっては独自の不妊治療助成金事業を行っているケースがあります。東京都では、保険適用された治療と併用する自費の先進医療について、費用の一部を助成する「東京都特定不妊治療費(先進医療)助成事業」が2022年よりスタートしました。

また、企業が福利厚生として不妊治療に対する休暇制度や両立支援制度を整備した場合、国から働き方改革推進支援助成金、両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)などが支給されます。勤務先の会社の福利厚生に新たな制度が加わっていないか、今一度確認してみましょう。

高額療養費制度

高額療養費制度は、医療機関などの窓口で支払う金額が一定の金額(自己負担限度額)を超えて高額になった場合、超過した分の医療費が返還される制度です。

民間医療保険

不妊治療の保険適用により「人工授精や体外受精(C-IVF)の採卵」「体外受精(C-IVF)の胚移植」などが手術に分類されるようになり、民間の医療保険の手術給付金を受け取ることができるようになりました。
民間医療保険の中には、より広い範囲をカバーする先進医療特約がついているものもあるので、気になる方は加入している保険の保障内容を確認してみましょう。

医療費控除

医師の診断・治療を受けて支払った不妊症の治療費、および人工授精(AIH)・体外受精(C-IVF)・顕微授精(ICSI)などの不妊治療の費用のうち、自己負担分は医療費控除の対象です。
家族の医療費の総額が年間10万円を超えたら確定申告をし、医療費控除を申請しましょう。

保険適用で不妊治療を始めるには?

保険適用で不妊治療を始めるには、まずはご夫婦(カップル)でカウンセリングを受け、治療内容の説明を受ける必要があります。治療方針や治療内容に納得できたらスクリーニング検査を行い、治療計画書を受け取ります。治療を受ける場合には治療計画書を記入し、ほかの必要書類と共に提出しましょう。

必要書類の一例は、下記のとおりです。内容はクリニックによって異なるため、必ず事前に確認してください。

不妊治療を始める際に必要となる書類

・婚姻関係にあるご夫婦の場合
(1)治療計画書
(2)ご夫婦の署名入りの婚姻関係申告書

・未入籍・事実婚のカップル、夫婦別姓のご夫婦の場合
(1)治療計画書
(2)お二人それぞれの戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)もしくは独身証明書

そのほか、クリニックによっては、他院での不妊治療の申告書などが必要な場合もあります。

保険適用で不妊治療を始めたいなら、にしたんARTクリニックへ

にしたんARTクリニックでは、カウンセリングにて現在の状況やご希望を伺います。保険適用の治療や自費治療の違い、適応についてカウンセラーが丁寧にお答えしますので、まずはお問い合わせください。

にしたんARTクリニックのカウンセリングは、常に患者さまファーストで親身な対応を心掛けています。お二人にとって最短で最善の不妊治療を行うために、にしたんARTクリニックの無料カウンセリングを活用してみませんか?

保険適用の費用などは、こちらのページをご覧ください。
不妊治療・生殖補助医療(ART)の保険適用について

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