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妊活や不妊治療がつらいときの乗り越え方をカウンセラーに聞いてみた

妊活や不妊治療がつらいときの乗り越え方をカウンセラーに聞いてみた

妊活や不妊治療に取り組む方の中には、精神的・肉体的な負担から心が折れそうになる方もいらっしゃるかもしれません。「いつまで続くのか」「どうすれば良いのか」と悩む方も少なくないはずです。

この記事では、にしたんARTクリニックのカウンセラー・松澤邦子のアドバイスをもとに、妊活や不妊治療に疲れたときに実践できる対処法についてご紹介します。少しでも心を軽くし、前向きに妊活や不妊治療を続けるヒントにしてください。

悩みを抱えながら妊活や不妊治療をする方はとても多い

妊活や不妊治療に取り組む中で、悩みを抱えている方は少なくありません。思っているような成果が得られなかったり、周囲からのプレッシャーを感じてしまったりして、精神的なストレスや身体的な負担から、希望を見失いがちになることもあるでしょう。

国立成育医療研究センターの調査によると、体外受精(IVF/ふりかけ法)などの生殖補助医療(ART)を受け始めた初期段階にある方のうち、54%の方が軽度以上の抑うつ症状があると判定されたといいます。また、不安が高まっている状況と判定された方も39%で、そういった傾向のある方にはQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)の低下が見られることがわかりました。

※出典 国立成育医療研究センター「体外受精などの高度不妊治療を受ける女性の約半数が 治療開始初期の段階で、すでに軽度以上の抑うつ症状あり

しかし、夫婦(カップル)の間で悩みを共有することで心が軽くなり、新たな一歩を踏み出すきっかけになることもあります。多くのご夫婦(カップル)が、専門家のサポートを受けながら前向きに取り組んでいます。妊活や不妊治療中は、おふたりの心と体を大切にしながら進めることがとても大切です。

妊活や不妊治療がつらくなる原因

妊活や不妊治療は、なぜつらくなることが多いのでしょうか。その原因について詳しく解説します。

ゴールは明確なのに治療が長期化しがち

妊娠という明確なゴールがあるにもかかわらず、なかなか成果にたどり着くことができず、治療が長期化する現実に、焦りや虚しさを感じることがあります。仕事や家事に追われながら通院したり、禁酒や運動の制限などの生活習慣を守ったりして、努力をしているのに結果に結びつかず、思い描いていた未来とのギャップに落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

仕事との両立が難しい

不妊治療と仕事の両立は、多くの人にとって大きな課題です。職場で妊活中や不妊治療中であることを伝えづらく、休みが取れない状況に直面する方も多いでしょう。職場の理解が不十分な場合、さらに悩みが深まります。

経済的な負担が大きくなりがち

不妊治療は現在、条件はあるものの健康保険が適用され、以前よりは経済的負担は軽減されています。しかし、自然妊娠なら不要なはずの費用が不妊治療では必要となるため、治療が長引くほど費用がかかってしまうことは事実です。自治体による助成金の回数制限や年齢制限も、焦りを助長させてしまうかもしれません。

正確な情報がわかりづらい

インターネット上には妊活や不妊治療に関する情報があふれかえっています。しかし、不妊の原因は人それぞれで、治療法もさまざまです。インターネット上の信頼性の低い情報や、他人の体験談に振り回されることも多いため、ご自身の気持ちを落ち着かせるためにも正確な情報収集は非常に重要です。ご自身にとって最適な治療法は、不妊治療専門クリニックの医師とよく相談して決めるのが一番であることを知っておきましょう。

パートナーや周囲の無理解、プレッシャー

妊活や不妊治療中、男女間で意識の差が生まれることは少なくありません。特に女性側の患者さまは男性側の患者さまに比べるとどうしても通院回数が多くなり、投薬や治療時に肉体的な負担が大きくなりがちです。夫(パートナー)が妊活や不妊治療に協力的でない場合、余計にストレスが増大するかもしれません。また、周囲や親からのプレッシャーにより、精神的な負担もかかってしまいます。

にしたんARTクリニックでは全院においてカウンセラーが常駐し、患者さまのお悩みをお伺いしています。治療に関する疑問や不安にお応えするほか、ただ治療についてのお話をするだけでも結構です。診療時間内でご予約が可能なので、通院中はいつでもご利用ください。カウンセリング料は無料です。

カウンセリングについては、こちらのページをご覧ください。
カウンセリングについて

妊活や不妊治療中に気をつけたい妊活うつ・不妊うつとは

不妊うつ、妊活うつという言葉を聞いたことはあるでしょうか。ここからは、不妊うつ・不妊うつについて詳しく解説します。

妊活うつ、不妊うつは不妊治療や妊活中にノイローゼ状態に陥る状態のこと

妊活うつ、不妊うつは正式な病名ではありませんが、一般的に、妊活中や不妊治療中に気持ちがもやもやし、ノイローゼのような状態になることをいいます。前述のとおり、妊活や不妊治療中にナーバスな気持ちになる患者さまはとても多く、普段よりもストレスにさらされやすい状態であることを知っておくことは大切です。

妊活や不妊治療中のストレスをきっかけに、病的なエネルギーの低下が認められると、適応障害と診断されます。この場合はメンタルヘルス専門のクリニックで専門的な治療を受けることが必要です。

妊活うつ、不妊うつの症状

妊活うつ、不妊うつと呼ばれる状態の、具体的な症状は下記のとおりです。自身を振り返り、気になる項目はないか確認してください。

<妊活うつ・不妊うつに見られる症状>

・妊娠への焦りが抑えられない
・どんなことにも関心を持てない
・「楽しい」「うれしい」などの感情がわかない
・突然悲しみが込み上げ、涙があふれることがある
・「自分なんて…」と自分を否定してしまう
・夫(パートナー)に対してイライラが募る
・ほかの人の幸せを喜べない
・妊娠中や育休明けの人を見ると気持ちが不安定になる
・眠れず、寝てもすぐに目が覚めてしまう
・「消えたい」「死にたい」と思うことがある

妊活や不妊治療中につらい気持ちに陥ったときの対処法

妊活や不妊治療に取り組む中で、精神的につらくなることは少なくありません。もし、ご自身が妊活うつや不妊うつかもしれないと感じたとき、また、つらい気持ちを抱えている場合は、状況に応じて対処することが必要です。ここからは、にしたんARTクリニックのカウンセラー・松澤邦子が妊活や不妊治療のつらさを乗り越えるためのポイントをご紹介します。

ポイント1:自分の今の気持ちを受け止めて、休息を取りましょう

自分の感情を否定せず、心が疲れていることを受け入れることが大切です。無理にポジティブになる必要はなく、気持ちに正直になることが一歩です。ストレスを受けて疲れているご自身を、まずは認めてみることから始めましょう。

心が疲れているときは、十分な休息を取ることも重要です。精神的な負担が大きいときこそ、体をいたわり、リラックスできる時間を意識的に確保するようにしてください。ご自身が最もリラックスできる方法で、ストレスを解放するのがおすすめです。

妊活や不妊治療が長期間に及んでいる場合は、お休み期間を取り入れても良いかもしれません。お休み中は旅行をしたり趣味を楽しんだりして、思い思いに自由な生活を満喫してください。

ポイント2:パートナーと話し、二人のゴールを決めておきましょう

妊活や不妊治療を始めるときは、みなさま期待感をもってスタートされることかと思います。漠然と、妊活や不妊治療をすればすぐに授かるだろうと考える方もいらっしゃいますが、妊娠は奇跡の連続で成立するものです。夫(パートナー)と、妊活や不妊治療についてよく話し合い、歩幅を合わせることはとても大切です。また、いま抱えているつらい気持ちをパートナーに受け入れてもらうだけでも、精神的に落ち着けるものです。

まずは、子どもを持つことを考え始めたときに、できるだけ具体的にいろいろなパターンを想定し、さまざまな選択肢を用意しておくことをおすすめします。おふたりでしっかりと話し合い、価値観をすり合わせ、妊活や不妊治療の流れもおふたりで決めることで、心身ともに健康な状態を保つことが可能です。

妊娠にはどうしても年齢的なタイムリミットがあります。また、経済的な価値観もあるでしょう。妊活や不妊治療をしたからといって必ず妊娠するわけではないことを念頭に、何歳までに何人の子どもがほしいのか、いつまでにどのような治療を続けるのか、治療にはどれくらいの費用をかけるのか、といったことを具体的に計画してください。

妊活や不妊治療は、おふたりで取り組むものです。どちらかが主導するのではなく、おふたりで決めながら進めることで、前向きな気持ちを持てるかもしれません。また、通院時にご夫婦(カップル)でいっしょにクリニックに行ったり、いっしょに検査結果を聞いたりするようにすれば、心理的な安心につながります。どちらかの方が心細い思いをしないよう、おふたりで協力し合う気持ちが大切です。

ポイント3:自身との対話で解決しない場合は、第3者と話すことが大切

信頼できる相手に話を聞いてもらうことで、気持ちが楽になることがあります。一人で抱え込まず、周囲のサポートを受け入れましょう。

SNSやブログなどで、同じ不妊の悩みをもつ方同士でやりとりすることがストレスの解消になっている場合は、うまく活用するのもおすすめです。ただし、のめり込みすぎたり、逆にストレスの原因になったりしている場合は、遠ざけるほうがベターです。

また、年齢的に周囲に妊娠や出産する方が多い場合、ストレスを感じるならそっと離れるのも悪いことではありません。ご自身の気持ちを大切にしましょう。

カウンセリングで専門家を頼るのもひとつの方法です。カウンセラーなら、いまある情報を整理し、疑問を解消したり、今後のアプローチを提案したりすることができます。にしたんARTクリニックでは各院にカウンセラーが在籍しています。検査結果や治療内容をよりわかりやすくお伝えすることもできるため、つらい気持ちの解消につながるかもしれません。通院中の患者さまは、いつでも何回でもカウンセリングを受けられるので、ぜひご活用ください。

カウンセリングについては、こちらのページをご覧ください。
カウンセリングについて

妊活・不妊治療でつらい気持ちの方は、にしたんARTクリニックへご相談ください

妊活や不妊治療中につらい気持ちになることは、おかしなことではありません。つらい気持ちを抱えているときは一人で抱え込まず、まずはパートナーに今の気持ちを伝え、通っている不妊治療専門クリニックに相談することをおすすめします。ときには上手に気分転換を取り入れながら、前向きな気持ちで妊活や不妊治療を進めましょう。

にしたんARTクリニックは、すべての院にカウンセラーが在籍しています。通院中の患者さまは、いつでも何回でも無料でカウンセリングを受けることが可能です。治療についての悩みや、ちょっとした愚痴などでも結構です。不妊治療を前向きに捉え、最善の方法で妊娠に向かうお手伝いをさせていただきます。

この記事の監修者

にしたんARTクリニック
カウンセラー

松澤邦子

日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー。にしたんARTクリニックで、多くの患者さまのカウンセリングを担当。患者さまが安心して不妊治療を受けられる体制づくりに従事している。

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