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20代後半でなかなか妊娠できない理由とは?妊娠率が下がる要因を解説

20代後半でなかなか妊娠できない理由とは?妊娠率が下がる要因を解説

女性の妊娠率は30歳を境に低下することは広く知られていますが、実は20代であっても妊娠しにくい方がいることは、あまり知られていないかもしれません。多くの方が「20代ならすぐに妊娠できるだろう」「20代だから不妊ではないはず」と思いがちですが、実際には年齢にかかわらず、妊娠が難しいケースもあります。

この記事では、20代後半でもなかなか妊娠できない理由や、不妊になる可能性のある人の特徴について解説します。

20代後半でもなかなか妊娠できない理由

20代後半でもなかなか妊娠ができない理由として、卵子の質や数に個人差があることが挙げられます。

一般的に、20代女性が1年間避妊をせずに性行為を続けた場合の妊娠率は約78~90%で、20代後半の女性は、定期的に性交渉を続けることで、4~6ヵ月程度で妊娠するといわれています。これだけ聞くと、「20代であれば簡単に妊娠できる」と思うかもしれません。

しかし、20代の女性であっても、何かしらの原因で妊娠がなかなか成立しないケースが少なくありません。一般社団法人日本生殖医学会によれば、25~29歳の約8.9%の女性が不妊に該当し、20代後半でも約10%近くの方が不妊の問題を抱えています。

卵巣内の卵子の様子

卵子は胎児のときに約200万個つくられ、そこから増えることはなく、出生し、成長するとともに減少していきます。妊娠のしやすさには年齢が大きく関わってくるのは事実ですが、卵子の数や質には個人差があり、20代後半でも卵子の質が低下している場合もあるため、20代だというだけで妊娠が保障されるわけではありません。
そのため、20代後半でも「自分はまだ若い」「不妊ではないはず」と過信せず、妊娠を望んでいる場合は早めに自分の体の状態を把握することが大切です。

自身の卵巣にどのくらい卵子が残っているのかは、AMH(抗ミュラー管ホルモン)値でわかります。AMH値は血液検査で調べられ、基準値が「2以上6未満」であれば、妊娠率は実年齢相応とされています。
万が一、AMH検査で基準値より低いことがわかったら、早めに治療を始めることが重要です。

年齢別のAMH(抗ミュラー管ホルモン)値の基準値

AMH検査について詳しくは、こちらのページをご覧ください。
AMH検査とは?わかることや費用、検査を受けるメリットを解説

20代後半でも妊娠率が下がる要因

20代後半でも妊娠率が低下する原因として、生活習慣や体調、既往歴などさまざまな要因があります。ここでは、妊娠率が下がる主な要因について解説します。

月経異常がある

月経異常は妊娠率を下げる要因のひとつです。

月経痛がひどい、過多月経や過長月経が続いている場合、子宮内膜症などの婦人科疾患が潜んでいる可能性があります。子宮内膜症は不妊の要因のひとつとされており、適切な治療を行わないと不妊につながる疾患のため、結果的に妊娠率を下げることになるでしょう。

性感染症の既往歴がある

性感染症が要因で、妊娠しづらくなることもあります。

過去にクラミジア感染症や淋菌感染症にかかっていた場合、卵管閉塞や卵管狭窄が起こることもあります。卵管が詰まったり、狭くなったりすると、卵子と精子が出会えなくなり、受精が困難になるため、妊娠が難しくなるケースも少なくありません。感染症の既往歴は妊娠率を下げる要因になるため、適切な検査や治療を受けることをおすすめします。

偏った食生活をしている

偏った食生活は排卵周期を乱し、妊娠率を下げる可能性があります。

無理なダイエットや偏った食生活は、ホルモンバランスを乱れさせ、排卵周期を不規則にします。排卵の時期が不安定だと、精子と卵子が出会うチャンスが減り、妊娠率を下げる可能性があります。また、急激な体重減少や極端な食事制限を続けると、体重減少性無月経が起き、排卵が止まってしまうこともあります。

喫煙やアルコールの過剰摂取の習慣がある

喫煙やアルコールの過剰摂取も妊娠率に大きく関わってきます。

喫煙は、卵子の質を低下させる大きな要因のひとつです。タバコに含まれる有害物質は卵巣に悪影響を与え、卵子の老化を早め、妊娠率を下げる要因となります。また、アルコールの過剰摂取もホルモンバランスに悪影響を与え、排卵が不規則になることがあります。これにより、妊娠しづらい状態が引き起こされるため、妊活中はアルコールの過剰摂取を控えましょう。

適正体重の範囲外である

適正体重の範囲外の場合、排卵障害などを引き起こし妊娠率を下げる可能性があります。

過度な肥満ややせすぎは、体に大きな負担をかけ、ホルモンバランスに悪影響を与えることがあります。特に、肥満(BMIが30以上)ややせすぎ(BMIが18.5未満)の場合、ホルモンのバランスが崩れ、排卵が正常に行われなくなり、排卵障害を引き起こすことがあります。排卵が不規則になると、受精のタイミングが合わなくなり、妊娠率を下げる要因になるので注意が必要です。

年齢ごとの妊娠率の違い

女性の妊娠率は年齢と共に低下することが知られています。特に30歳を過ぎると妊孕力(にんようりょく:妊娠する力)が徐々に低下し、35歳以降では急激に衰えます。ここでは、1年間避妊を行わずに性交渉した場合の年齢ごとの妊娠率について解説します。

女性の年齢と妊娠率の変化

※出典 一般社団法人日本生殖医学会「女性の年齢による妊孕力の変化

20代の妊娠率

20歳から24歳の女性の妊娠率は約86%とされています。25歳から29歳の場合は約78%で、月単位でみると、25歳から29歳の女性が1ヵ月間に自然妊娠する確率は約25~30%です。
そのため、20代であれば比較的すぐに妊娠に至るといわれていますが、前述のとおり、卵子の数や質には個人差があるため、20代だからといって誰もが簡単に妊娠に至るとは限らないことを理解しておきましょう。

30代の妊娠率

30歳から34歳の女性の妊娠率は約63%、35歳から39歳では約52%まで低下します。30歳では月単位の自然妊娠の確率は約25~30%と25~29歳と変わりませんが、35歳になると約18%に下がります。
30代半ばからは妊孕力の低下が顕著になり、妊娠しづらくなるといえるでしょう。

40代以降の妊娠率

40歳から44歳の女性の妊娠率は約36%で、45歳から49歳になると約5%まで低下します。月単位の自然妊娠の確率は、40歳で約5%、45歳では1%にまで落ち込み、40代以降での自然妊娠は極めて難しくなります。

※出典 M.Sara Rosenthal.(2002)『The Fertility Sourcebook,Third Edition』

20代後半から妊娠に向けて意識したいこと

将来的に子どもを望むならば、妊娠に向けた意識を少しずつ高めていくことが大切です。ここでは、妊娠に向けて改善したい生活習慣や対策について解説します。

食生活を改善し、規則正しい生活を心掛ける

ホルモンバランスを整えるためには、バランスの取れた食生活や十分な睡眠が重要です。偏った食生活や不規則な生活をしている方は、規則正しい生活に切り替えましょう。
また、バランスの良い食事と併せて、葉酸を意識して摂取することをおすすめします。葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減し、赤血球の生成をサポートするため、妊娠中の健康維持に重要な役割を果たします。葉酸は、枝豆やアスパラガスなどの野菜に多く含まれるほか、鶏や豚、牛などのレバーにも豊富に含まれています。

適正体重を維持する

妊娠に適した体重は、BMI18.5以上25未満とされています。過度にやせたり太ったりすると、ホルモンバランスが崩れて排卵に支障が出る場合もあるため、適正体重の維持を心掛けましょう。

体形維持のための運動はストレス発散にもつながり、妊娠に向けた体づくりにも有効なので、適正体重外の方は意識してみてください。

ストレスを溜めないように意識する

過度なストレスは血管を収縮させて血行を悪くさせる上、自律神経の不調がホルモンバランスの乱れを引き起こします。ホルモンバランスが乱れることで、排卵周期が不規則になり、妊娠しづらい体になってしまうこともあるため、ストレスを感じたときには、リラクゼーションや趣味を通じて気分転換を図りましょう。

体を冷やさない

体を冷やさないことも妊娠しやすい体づくりには大切な要素のひとつです。
子宮や卵巣は冷えやすい器官といわれており、体の冷えが続くと卵巣機能が低下し、排卵が不規則になることもあります。そうなると妊娠しづらくなる可能性も高まるでしょう。

そのため、妊活中は体を冷やさないように心掛けることが大切です。例えば、体を温める服装を選んだり、適度な運動を取り入れたりすることで血流を良くし、体の冷えを防ぐことが妊娠しやすい体づくりにつながります。温かい食事や入浴も効果的です。

不妊治療専門クリニックに相談する

20代後半でなかなか妊娠できない場合は、早めに不妊治療専門のクリニックに相談することが大切です。20代だからといって誰もが簡単に妊娠できるとは限りません。不安を抱えたまま妊活を続けるよりも、医師の診断を受け、必要な治療を受けることで、妊娠の可能性を高めることができます。

不妊治療に抵抗がある方は、まずはブライダルチェックを受けることもおすすめです。ブライダルチェックは、妊娠に関わる体の状態を確認する検査で、妊娠の計画を立てる上で役立ちます。

ブライダルチェックについては、こちらのページをご覧ください。
ブライダルチェックはいつ受ける?受診タイミングや検査項目を解説

20代後半なのに妊娠できないと感じる方は、にしたんARTクリニックへご相談ください

20代だからといって必ずしも自然に妊娠できるわけではなく、不妊症で悩む方も少なくありません。なかなか妊娠できないと感じる方は、年齢に関係なく、早めに不妊治療専門のクリニックを受診することをおすすめします。

にしたんARTクリニックでは、ブライダルチェックや不妊治療を実施しています。不妊治療専門のクリニックと聞くと、「自分はまだ20代だから大丈夫」と思うかもしれませんが、妊娠の可能性を高めるにはご自身の体の状態を知り、早めに治療を開始することが大切です。2022年から不妊治療が保険適応となり、受診のハードルも下がっています。
妊娠について不安がある方は、まずは無料カウンセリングでご相談ください。

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