妊活
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妊娠超初期には、「着床出血」と呼ばれる出血が起こることがあります。妊娠を望む方にとってはうれしい兆候である反面、生理や不正出血と区別するのは難しいかもしれません。
この記事では、生理と着床出血の見分け方や着床出血があった際の対応、不正出血の可能性についても解説します。不妊治療中であれば治療卒業の知らせになる、着床出血の見分け方を知っておきましょう。
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着床出血とは、受精卵(胚)が子宮内膜に着床する際に起こる出血のこと生理と着床出血の違い着床出血が起こったときの対応着床出血以外に起こりうる出血着床出血以外の妊娠のサイン生理と着床出血について不安を感じたら、医療機関を受診しよう着床出血とは、受精卵(胚)が子宮内膜に着床するときに起こる少量の出血のことです。受精卵(胚)は子宮内膜に着床するとき、絨毛という組織を伸ばして、子宮内膜に根を張るように入り込んでいきます。その際に子宮内膜の血管が傷つき、出血することがあり、これを着床出血といいます。
着床出血は、受精卵(胚)が着床したことを示すサインのひとつです。妊娠を希望している方にとって、着床出血は待ち遠しい兆候かもしれませんが、着床が成立しても必ずしも着床出血が起こるわけではありません。着床出血が見られるのは、妊娠した女性の20%程といわれています。
着床出血が起こるタイミングは、着床の前後1~2日程とされています。着床は、おおよそ妊娠3~4週目にあたるため、着床出血が起こるのは生理予定日の1週間前から当日頃が一般的です。このように、着床出血は生理予定日と近いタイミングで起こることが多く、「生理がきたと思ったら妊娠していた」「妊娠かと思ったら生理だった」という状況が起こりやすいでしょう。
着床出血は生理と近いタイミングで起こるため、見分けるのは難しいものです。しかし、生理と着床出血には、異なる点もいくつかあります。ここでは生理と着床出血の違いと、見分ける際のポイントを解説します。
着床出血の色には個人差があり、血が混じったおりもののようなピンク色、鮮やかな赤、出血から時間が経った色である茶色などさまざまです。一方、生理の経血の場合、多くは赤から暗赤色です。また、生理の場合、血液のかたまりが出ることもあります。着床出血の場合は、血のかたまりは出ず、サラサラとしているのが特徴です。
着床出血でも生理でも、おなかが痛むことはありますが、着床出血の痛みは生理痛よりも軽いことが多いようです。着床出血による腹痛は、しばしば「おなかの奥がチクチクするような痛み」と表現されます。生理痛のように腰に重い痛みを感じる場合もありますが、生理痛ほど激しく痛むことは少ないでしょう。普段から生理痛のある方は、出血時に感じる痛みがいつもより軽いかどうかを確認してみてください。
着床出血の量は、生理の経血量よりも少ないという特徴があります。生理の場合は、出血が始まってからだんだんと経血量が増えていきますが、着床出血は少量で終わることがほとんどです。着床出血の出血量はショーツが少し汚れる程度であることが多く、一般的にはパンティライナーで対応できます。まれにナプキンが必要な方もいますが、生理のようにずっとナプキンをつけているほどではありません。
着床出血と生理の大きな違いは、出血の期間です。生理は通常3日から1週間程続きますが、着床出血は1~3日程度で終わります。生理期間が短い方でなければ、いつもの生理よりも出血が早く終わった場合、着床出血の可能性があります。例えば、「生理だと思っていたら、3日で出血が止まった」という場合は、着床出血の可能性を考えてもよいでしょう。
着床出血はすべての方に起こるわけではなく、妊婦の約20%が経験するとされています。もし、着床出血と思われる出血があった場合は、パンティライナーなどで対応し、生理予定日まで様子を見ましょう。
不妊治療中などで妊娠の可能性がある場合、着床出血のような出血があると期待と不安で気持ちが落ち着かないかもしれません。そんなときは、妊娠検査薬を使用するのもひとつの方法です。ただし、妊娠検査薬は次回生理予定日の1週間後からの使用が推奨されています。早いタイミングで検査すると、妊娠しているのに陰性になる可能性があるので注意してください。
妊娠超初期には、着床出血以外の理由で出血することがあります。もし、着床出血の症状に当てはまらない場合は、不正出血の可能性もあるので注意が必要です。特に、出血量が多い、血のかたまりが出る、強い腹痛を伴うといった症状が出たら、早めに医療機関を受診してください。妊娠に関わる不正出血の原因には、下記のような症状があります。
絨毛膜下血腫とは、着床時に受精卵(胚)が作る絨毛膜と子宮内膜の間に血が溜まり、血のかたまり(血腫)ができる症状です。この血腫が大きくなると、絨毛膜と子宮内膜の間から血が漏れ出し、出血することがあります。多くの場合、妊娠初期の間に自然に改善しますが、まれに流産や早産のリスクが高まることもあるため、注意が必要です。
異所性妊娠(子宮外妊娠)は、受精卵(胚)が子宮内膜以外の場所に着床してしまうことをいいます。卵管や卵巣、腹膜など、子宮以外に着床してしまうと、下腹部に痛みを伴う鮮血色や赤褐色の出血が見られる場合があり、放置すると卵管破裂などの危険を伴うことがあります。
切迫流産とは、妊娠22週未満で妊娠は継続しているものの、流産になりかけている状態をいいます。出血の量は少量から大量まで個人差があり、色は鮮血色や赤褐色です。出血が止まらなかったり、出血を繰り返したりするほか、強い腹痛を伴うなどの症状があります。
早期流産は、妊娠12週までに起こる流産のことです。出血量には個人差があり、出血は鮮血もしくは暗赤色で、子宮収縮による強い腹痛を伴うこともあります。
胞状奇胎は、胎盤を作るための絨毛細胞の一部が水ぶくれ状になり、ぶどうのように異常に増殖している状態をいいます。異常妊娠の一種で、受精がうまくいかなかったことで起こる症状です。赤褐色から茶色の、ごく少量の血が出ることがあり、腹痛やつわりのような症状を伴うこともあります。
前置胎盤とは、胎盤が子宮口をふさいでいる状態のことを指します。前置胎盤は無症状であることが多いですが、腹痛を伴わずピンク色や赤色の出血が突然見られることもあります。出血は少量が数回続く場合もあれば、突然大量に出血することもあるため、注意が必要です。
子宮頚部にできる子宮頸がんや、子宮体部にできる子宮体がんが原因で出血することもあります。子宮頸がんによる出血は、ごく少量から徐々に増えていくという特徴があり、血の色は鮮血色や赤褐色です。子宮体がんによる出血は少量であることが多く、褐色のおりものだけの場合もあります。
子宮頚部びらんは、子宮の入り口付近に炎症が起こり、赤くただれた状態のことをいいます。女性ホルモンが活発な時期によくある生理現象で、この状態のときは性交渉や内診などの刺激によって出血することがあります。出血は少量であることが多く、色はピンクから赤褐色、茶色などさまざまです。
着床出血以外にも、妊娠を知らせる初期症状はいろいろあります。おりものの変化や、おなかや胸の張り・痛み、慢性的な眠気などは、妊娠初期症状としてよく挙げられます。着床出血と併せて、このような気になる症状があったら、妊娠している可能性も視野に入れて安静に過ごしましょう。
妊娠初期症状について詳しくは、こちらのページをご覧ください。
妊娠初期症状はいつから始まる?具体的な症状や気をつけることを解説
生理が始まる時期と着床出血が起こる時期は近く、混同してしまいがちです。しかし、それぞれの特徴を知ると見分けがつく場合があります。生理と着床出血の大きな違いは、着床出血のほうが比較的時期が早く、出血量が少ない、出血期間が短い、血のかたまりが出ないという点です。このような症状があったら、不妊治療の卒業のサインかもしれません。ただし、生理にも着床出血にも当てはまらない出血があった場合は、早めに医療機関を受診してください。
「着床出血かと期待したのに、今回は妊娠ではなかった」という方もいるでしょう。子どもを希望してもなかなか妊娠に至らない場合は、不妊治療専門のクリニックへのご相談をおすすめします。
にしたんARTクリニックでは、妊活や不妊に関わるさまざまな相談に応じています。平日22時(神戸三宮院は20時)まで受診可能で駅からも近く、お仕事が忙しい方でも受診しやすいのが特長です。無料カウンセリングも行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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