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妊活中の基礎体温とは?妊娠したときの高温期について詳しく解説

妊活中の基礎体温とは?妊娠したときの高温期について詳しく解説

妊活中の方にとって基礎体温は、自分の体の中で起きている変化を知るために有用な方法です。基礎体温を正しくつけることで排卵日を予測したり、妊娠の兆しに気づいたりできます。

この記事では、妊娠のサインである高温期に関することを中心に、基礎体温について詳しく解説します。妊活の参考にしてください。妊活してもなかなか妊娠しないといった悩みがある方は、できるだけ早く不妊治療専門のクリニックに相談することをおすすめします。

基礎体温は女性の体調管理や妊活に役立つ指標のひとつ

基礎体温とは、活動に伴う体温変化がない安静状態の体温のことです。

これは生命を維持するためのエネルギーだけを使っている状態であり、睡眠時の体温を表します。しかし、寝ている状態では体温を測ることができないため、一般的には起きてすぐ横になったまま測った体温を基礎体温とします。また、基礎体温は、普通の体温計では計測できず、専用の婦人科体温計を用いて、舌の上で測らなければなりません。

女性の体は、排卵に伴う女性ホルモンの分泌量に応じて、体温を含めてさまざまな変化が起こります。基礎体温を継続的に計っていると、体温の変化から女性ホルモンの状態をつかむことができ、妊娠しやすい時期を推測できるほか、妊娠が成立した際にも兆候を把握できます。

基礎体温のグラフの読み方

測定した基礎体温は、基礎体温表に点で記入して前日の点と結び、折れ線グラフにしていきます。妊活アプリを使えば、簡単に把握することができるでしょう。

基礎体温は月経から次の月経開始までを1つのサイクルとして考えます。基礎体温が正常な場合、1サイクルの中で高温期と低温期の二相に分かれることがわかります。

基礎体温グラフの例

月経がはじまると基礎体温は低温期に入ります。月経周期が28日の場合、約14日間の低温期を経て、排卵日を挟んで高温期へと移行します。高温期は低温期と同様に約14日間続き、次の月経が来ると再び低温期になるのが基本的なサイクルです。

この基礎体温の変化には、主要な女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が深く関わっています。低温期にはエストロゲン、高温期にはプロゲステロンが多く分泌されることにより、低温期と高温期が形成されるのです。

基礎体温をつけて低温期と高温期を可視化すると、その変化から排卵日や月経周期、妊娠の可能性などを精度高く推測でき、ダイエットに向いている時期の推定などふだんの生活におけるQOLの向上や妊活に活用できます。低温期、高温期の特徴は、それぞれ以下のとおりです。

低温期の特徴

低温期とは、月経開始から卵胞が育つ卵胞期をはさみ、排卵があるまでの期間です。

エストロゲンには心身を安定させる効果があるため、月経中は不快な症状があってもしだいに調子が上向き、前向きに過ごすことができます。また、エストロゲンには、内臓の脂肪燃焼や脂質の代謝を助ける働きがあります。適正体重に近づけるためにダイエットしたい場合は低温期が適しており、成果が出やすいでしょう。

なお、低温期の終わり間近になって、ガクンと急激に体温低下したときが排卵日です。排卵日に性交渉をもつと妊娠しやすいため、妊活中の方は必ずおさえておいてください。

高温期の特徴

高温期とは、排卵後から月経前までの期間です。

低温期と比較したときの体温の変化は0.3〜0.6℃ほどですが、風邪の初期症状のような熱っぽさを感じる方もいます。この時期はプロゲステロンが優位で、心身ともに不安定になりがちです。集中力の低下やイライラといった精神的な症状を感じる人も多いでしょう。

プロゲステロンは妊娠を継続させるホルモンなので、栄養素や水分を体内に溜め込んだり、食欲を増進させたりする働きによって太りやすくなる方もいます。排卵が終わって妊娠もしにくいため、意識的に休む時間をつくり、無理せず過ごしたい時期です。

基礎体温が正常でない場合

「基礎体温がきれいな二相に分かれない」「どちらかの期間が短い・長い」といった場合、子宮や女性ホルモンになんらかの問題があるかもしれません。

低温期・高温期が分かれない場合

月経から次の月経開始までのサイクルの中で低温期・高温期がはっきり分かれず、ほぼ横ばいの場合、月経があっても排卵が起きていない無排卵月経かもしれません。

高温期が短い・体温が安定していない場合

高温期が9日以内と短い、あるいは体温が安定しない場合は、卵巣機能が低下してプロゲステロンの分泌が減る黄体機能不全の可能性があります。

基礎体温は、ストレスや生活習慣による月経周期の乱れの影響を受けることもあります。基礎体温が二相に分かれない原因を探し、改善することで妊娠につながりやすくなるため、グラフに異常がある場合は、不妊治療専門クリニックに相談すると良いでしょう。また、基礎体温の計測がうまくいっていないこともあるため、計測方法を確認することも大切です。

妊娠が成立すると基礎体温は高温期が続く

通常、基礎体温は14日ほどの高温期を経て低温期に移行しますが、妊娠が成立すると高温期が続きます。

これは、受精卵(胚)の着床に備えて子宮内膜を厚く保つため、妊娠の維持に役立つプロゲステロンの分泌が続くためです。月経の予定日を超えても基礎体温が低温に下がらない場合、妊娠の可能性があるといえます。

妊娠が成立すると、基礎体温以外にも多様な変化が体に生じますが、変化の出方やその強度は個人差が大きいのが特徴です。受精卵が子宮内膜に着床したときに少量出血する着床出血が知られていますが、着床出血が起こらない方や気づかない方もいるため、一概にはいえません。

妊娠が成立した際に必ず起きる体の変化は「基礎体温の高温期が続くこと」と「月経が来ないこと」の2つだけです。妊活中は基礎体温を継続的に記録するようにしてください。

妊娠初期の高温期と、風邪の初期症状の見分け方

高温期は、熱っぽさやだるさ、倦怠感など、風邪に似た症状があります。妊活中に熱っぽさを感じたときに、妊娠したのか、それとも風邪っぽいだけなのかがわからないことも多いでしょう。高温期なのか、風邪の初期症状なのかを判断したい場合、下記に挙げた妊娠超初期に生じる変化の例を参考にしてください。

妊娠超初期に生じる体の変化

  • 高温期が続き、月経が来ない
  • 水っぽいおりものが増える
  • 眠気を感じる
  • イライラしたり落ち込んだりする
  • 腰痛が起きる

こうした体の変化がある場合は、月経予定日から約1週間が過ぎたら妊娠検査薬を使用して確認しましょう。なお、風邪をひいた可能性があるケースは下記のとおりです。

風邪の可能性が高いケース

  • 38℃以上の高温が続く場合
  • 熱が上昇を続ける場合
  • 関節が痛い場合

これらの風邪の症状に当てはまる場合、症状が重くなければ自宅で安静にして過ごしましょう。ただし、水分や栄養が十分に取れなかったり、高熱が続いたりする場合は、妊娠の可能性を伝えて病院を受診する必要があります。自己判断で市販薬を飲まないよう、注意が必要です。

基礎体温の正しい測り方

基礎体温を測定して記録をつければ、体の状態を客観的に把握し、効果的な妊活につなげることができます。神経質になりすぎず、できる範囲で続けましょう。

ここからは、基礎体温の正しい測り方について解説します。

基礎体温用の婦人体温計を使う

基礎体温は、婦人用体温計を使用し、毎日同じ時刻に同じ方法で測るのがポイントです。婦人用体温計は、小数点第二位まで測定でき、基礎体温のわずかな変化をキャッチできます。寝る際に枕元の手が届く場所に置いておき、計測したい時間にアラームをかけて忘れずに測りましょう。

朝、起きたときに布団に入ったまま計測する

基礎体温は、朝起きてすぐ横になったまま測ります。舌の中央の筋(舌小帯)にあてて、静かに計測してください。立ち上がったり、起床後しばらく時間が経ってしまったりすると正しく計れません。

婦人用体温計の使い方

体温の記録を残す

計測後は、自分でメモを取ったり、アプリに入力したりして体温を記録します。基礎体温表はドラッグストアで購入できますが、アプリは自動でグラフ化できるなど機能性が高いのでおすすめです。記録が面倒な場合、アプリとの連携で自動記録できるシステムを採用している基礎体温計を使うのもよいでしょう。

基礎体温のほか、性交渉があった日や月経開始日、おりものの状態、気分、服用した薬、体重の変化なども併せて記録すると体調管理にも役立ちます。

自己流の妊活よりも不妊治療専門クリニックをおすすめする理由

基礎体温を活用した妊活は手軽に始められますが、継続しても効果が出ない場合は早めに方法を変え、不妊治療専門クリニックに相談することをおすすめします。自己流の妊活よりも、不妊治療専門クリニックでの治療をおすすめする理由は、下記のとおりです。

基礎体温だけでは排卵日を特定しにくいから

基礎体温でわかる排卵日はあくまでも目安であり、正確な排卵日を特定することはできません。周期によって排卵日はずれることがあるほか、正しく体温を計れていない場合もあるため、自己流で正確な排卵日を知ることは難しいと考えてください。

不妊治療専門クリニックでは、血液検査や経腟超音波検査などの医学的見地で、排卵日を詳細に推測することが可能です。基礎体温を使った妊活で成果が出なければ、早めの受診を検討しましょう。

不妊であればより早く治療を始めることが重要だから

基礎体温を使った妊活で効果が出ない場合、不妊の原因が隠れていないとはいえません。

妊娠と年齢には深い関係があり、年齢を重ねれば重ねるほど、妊娠率は下がります。自己流の妊活が長引くと、不妊の原因の特定が遅れ、治療開始が遅れてしまいかねません。早めにクリニックに相談し、適切な検査を受ければ適した治療を受けることができ、妊娠の確率が高まります。

自分たちに最も適した治療を選ぶことができるから

多くの不妊治療専門クリニックでは、検査の前にカウンセリングを行い、患者さまのお悩みやご希望を丁寧にうかがいます。にしたんARTクリニックでは無料のカウンセリングを実施し、不妊治療について詳しくお伝えするとともに、早期に妊娠するための方法をご提案します。検査結果とカウンセリングの内容に基づいて治療を進めていくため、パーソナライズされた治療をご提供可能です。

男性側に不妊の原因が隠れている場合もあります。早めに相談すれば治療の幅も広がるため、ご夫婦(カップル)でいっしょにブライダルチェックを受けることもおすすめします。

ブライダルチェックについては、こちらのページをご覧ください。
ブライダルチェックとは?検査項目や費用とタイミングを解説

早期に妊娠したい方はお近くのにしたんARTクリニックにご相談ください

妊活において、基礎体温をつけて自分の体の状態を把握することは有用です。しかし、基礎体温を知るだけでは、できることは限られます。より早期に、確実に妊娠を目指すなら、不妊治療専門クリニックに相談しましょう。早期に相談することで治療の幅が広がり、妊娠率も高まります。

全国にあるにしたんARTクリニックでは、妊娠・出産に関連する異常や病気の有無を調べるブライダルチェックや、不妊治療についての無料カウンセリングを行っています。妊娠までの時間を短縮したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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