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無排卵月経の翌月は妊娠しやすい?無排卵月経の原因と治療法を解説

無排卵月経の翌月は妊娠しやすい?無排卵月経の原因と治療法を解説

不妊の原因は多岐にわたり、なかには自覚症状がないものもあります。無排卵月経は不妊の原因の1つですが、痛みも不快感などの自覚症状がないため、不妊を引き起こしていることに気づかないまま過ごしている人が少なくありません。

この記事では、妊娠を希望するなら早期の対処が欠かせない無排卵月経の原因と治療法を解説します。

無排卵月経とは排卵がないのに月経に似た出血があること

無排卵月経とは、月経のような出血があるのに、実際には排卵は起こっていない状態をいいます。無排卵性月経、無排卵周期症と呼ぶこともあるでしょう。卵巣機能の低下やホルモンバランスの異常などが原因となっている可能性があり、不妊の原因になります。

排卵の仕組みと無排卵月経について、下記で解説します。

排卵の仕組み

月経周期(生理周期)とは、月経が始まった日から次の月経が始まる前日までの期間を指し、この周期は25~38日が正常です。月経周期は月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4つの期で構成されていて、それぞれの特徴は次のとおりです。

月経周期のイメージ

月経期

月経期は子宮内膜がはがれ落ちて経血として排出される時期です。4〜7日間続き、この間はホルモンレベルが低下します。

卵胞期

卵胞期は、卵巣内で卵胞が成長する時期です。この時期はエストロゲン(卵胞ホルモン)が盛んに分泌され、基礎体温は低温になります。

排卵期

成熟した卵胞が卵子を放出する時期です。この時期はLH(黄体形成ホルモン)が急激に上昇し、排卵を促します。

黄体期

排卵後の卵胞が黄体に変わり、プロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。このホルモンにより子宮内膜が厚くなり、妊娠に適した状態に整います。妊娠しない場合、次の月経が始まります。

排卵した卵子は卵管の先にある卵管采にキャッチアップされ、卵管内で精子と出会って受精します。受精しなかった場合、厚くなった子宮内膜がはがれて血液と共に排出される月経が起こります。

無排卵月経と妊娠の関係

無排卵月経は、排卵が行われていないにもかかわらず、通常の月経と同じ時期に月経のような出血が見られることをいいます。特に更年期やストレスを抱えている場合や、ホルモンバランスが不安定な場合には無排卵月経になることがあります。排卵がないためにプロゲステロンが十分に分泌されず、厚くなった子宮内膜がはがれ落ちることによって出血するのです。これを破綻出血といいます。

月経は排卵があってこそ起こるものですから、月経の言葉がついていても無排卵月経は実際のところ月経ではありません。たまに起きることもあれば、慢性化していることもあり、自覚症状もないためクリニックで検査することで判明します。
なお、「無排卵月経の翌月は妊娠しやすい」といわれることがあるようですが、医学的根拠はなく、そのような現象はありません。無排卵月経の周期では排卵が起こらないため、妊娠することはできません。また無排卵月経が翌月の排卵の有無に影響を及ぼすかどうかも不確実です。無排卵月経は知らず知らずのうちに不妊の原因になっていることも多く、慢性化するとプロゲステロンの不足により骨形成や皮膚代謝、記憶力の衰退にもつながるため、早期治療が求められます。

無排卵月経の症状

無排卵月経は自覚症状がなく、通常の月経であると思ってしまうため気づくのが遅れがちです。早期受診につなげるために、無排卵月経で起こることがある代表的な症状を紹介します。

月経不順

正常な月経周期は、1周期25~38日です。25日未満で月経が来たり、月経が来ない月があったりするような月経不順の場合は、無排卵月経の可能性があります。

不正出血がある

月経期間以外に性器から出血がみられることを不正出血といいます。出血量や色は人によってさまざまですが、無排卵月経で見られる症状の1つです。

月経の期間が長い、または短い

月経の期間は、3~7日が一般的といえます。3日より早く出血が止まる場合や、7日を超えても出血が続く場合は、注意が必要です。

月経の出血量が異常に多い・少ない

月経時の出血量も、不調の見極めに役立ちます。昼間でも夜用ナプキンが必要なほど多い場合や、不正出血を疑うほどのわずかな量で終わってしまう場合は、一度検査をしてみると良いでしょう。

基礎体温が一相のまま

基礎体温を1ヵ月測定し、ほぼ横ばいのまま変化がない場合は、排卵が起きていないと考えられます。通常、基礎体温は月経周期内で高温期と低温期の二相を一定のサイクルで繰り返します。本来であれば排卵する時期なのに高温期にならない場合は、無排卵月経かもしれません。

無排卵月経の原因

無排卵月経は、特に思春期、授乳期、更年期などに、ホルモンバランスや卵巣機能が不安定なことが原因です。不妊治療中に服薬している薬剤の影響で生じることもあります。

無排卵月経の主な原因を、次でご紹介します。

ストレス

過剰なストレスがかかって女性ホルモンの分泌が阻害されると、排卵にも影響が及びます。卵巣機能を司る女性ホルモンを分泌する脳の視床下部と下垂体は、ストレスの影響を受けやすい場所だからです。

また、激しい運動で身体的な負荷が増えた場合も、女性ホルモンの分泌が減少して卵巣機能が低下することがあります。

体重の大幅な増減

太りすぎたりやせすぎたりすると、無排卵になることがあります。これは、体は生きるために身体機能を維持することを優先し、排卵が後回しになってしまうためです。肥満は男性ホルモンが優位になるため、卵巣機能が低下すると考えられます。また、過度なダイエットでは、エストロゲン(卵胞ホルモン)の産生を助ける体脂肪の減少につながります。いずれにしても体重の大幅な増減には注意が必要です。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、卵巣に複数の未成熟な卵胞ができる状態で、排卵が難しくなる病気です。卵胞が成長しないまま卵巣内にとどまって排卵が起きなくなり、男性ホルモンが過剰に分泌されて無排卵月経につながります。比較的若い女性に多い病気です。

甲状腺疾患

甲状腺機能が低下すると、全身の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンの分泌が減少します。そのため、排卵にも悪影響を及ぼし、無排卵月経の原因になる場合があります。

高プロラクチン血症

高プロラクチン血症は、抗うつ剤や向精神薬などの影響でプロラクチン(乳汁分泌ホルモン)と呼ばれるホルモンの値が増える状態です。高プロラクチン血症は排卵を阻害することがあるため、無排卵月経につながります。

無排卵月経の治療

無排卵月経が続くと、骨粗しょう症などのリスクが高まるため、妊娠希望の有無にかかわらず治療が必要です。
妊娠を希望しない方にはホルモン療法を行うことが一般的ですが、妊娠を希望する方には大きく下記の4つの治療法があります。

生活習慣の改善

ストレスや過度なダイエットに起因する無排卵月経は、生活習慣の見直しで改善することがあります。ストレス要因からできるだけ離れ、バランスの良い食事や、適度な運動を心掛けましょう。

排卵誘発法を使用する

不妊治療では、排卵誘発剤を使う治療も多く選択されます。クロミフェン療法やゴナドトロピン療法が代表的ですが、年齢やホルモン量によって選択されるため、医師とよく相談することが大切です。

漢方薬を使用する

無排卵月経の場合、卵巣の働きを改善したり、血液循環を良くしたりする漢方薬が使われることがあります。
漢方薬は副作用が起きにくく、自然治癒力を高めることが期待できます。

無排卵月経かもしれない方はクリニックで検査を受けましょう

「無排卵月経の翌月は妊娠しやすい」といった話を耳にすることがあるかもしれませんが、医学的根拠はなく、鵜呑みにするのは危険です。妊娠を希望する場合は排卵が正常に行われることが必須なので、今回ご紹介した症状に心当たりがある方はすみやかに検査を受けることをおすすめします。

にしたんARTクリニックでは、詳しい検査を通じて不妊の原因を探し、適切な治療をしてから不妊治療を行います。不妊治療について詳しく知りたい、まずは相談してみたいという方は、まずは無料カウンセリングでお話をお聞かせください。

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