体外受精
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体外受精(IVF/ふりかけ法)は、女性から卵子を得て体外で精子と受精させ、子宮に移植する不妊治療法です。一般不妊治療を行っている方の中には、体外受精を検討しているけれど、なんとなく怖くて治療に進めないという方も多いのではないでしょうか。そのような場合は、体外受精のリスクをしっかり理解することで、ステップアップへの決心が固まるかもしれません。 この記事では、体外受精がどのような流れで行われるのか、治療の中でどのようなリスクがあるのかを、治療の流れに沿って解説します。
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体外受精(IVF)の治療の流れ体外受精(IVF)の検査によるリスク体外受精(IVF)の卵巣刺激によるリスク体外受精(IVF)の妊娠率に関するリスク体外受精(IVF)による妊娠の継続に関するリスク体外受精(IVF)を検討されている方は、にしたんARTクリニックにご相談ください体外受精のリスクへの理解を深めるために、まずは治療の流れを詳しく見ていきましょう。体外受精は、下記のステップで進められます。
男女ともに不妊の原因を探ったり、排卵の様子を確認したりするために、スクリーニング検査を行います。にしたんARTクリニックで行っているのは、下記の検査です。
女性 | 超音波検査、感染症検査、甲状腺機能検査、血液検査、ホルモン検査、 AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査 など |
男性 | 精液検査、感染症検査 |
なお、体外受精を受ける方には、採卵周期に入る前に必ず術前検査(採血)を受けていただきます。
採卵に向けて、卵子の発育と正常な排卵を促すため、薬剤を使って卵巣を刺激します。
卵巣刺激法にはさまざまな方法があり、どの卵巣刺激法を行うかは体の状態を見て医師が判断します。
卵巣刺激法について詳しくは、こちらのページをご覧ください。
卵巣刺激法(排卵誘発法)
採卵が行われるのは月経12~13日目です。採卵針を使って、成熟した卵子を卵巣内の卵胞から採取します。採卵について詳しくは、こちらのページをご覧ください。
採卵について
胚培養士が、卵子と精子を受精させる媒精を行います。体外受精の場合に行われるのは、卵子に精子をふりかける、ふりかけ法です。媒精の方法には、ほかに顕微授精(ICSI/イクシー)があります。
受精卵(胚)を培養器に入れて培養します。にしたんARTクリニックで使用している培養器は、子宮内の環境を再現したタイムラプスインキュベーターです。内部に高性能カメラと顕微鏡が備えられているので、受精卵(胚)にとって居心地の良い環境を維持しながら観察することができます。
タイムラプスインキュベーターについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
タイムラプスインキュベーター
着床しやすい胚盤胞まで育った受精卵(胚)を、カテーテルを用いて子宮内に戻します。胚移植の方法には2種類あり、1つは採卵周期と同じ周期に移植する新鮮胚移植、もう1つは受精卵(胚)を凍結保存し、別の周期に移植する凍結融解胚移植です。
胚移植について詳しくは、こちらのページをご覧ください。
胚移植
妊娠判定は、胚移植から約12日後を目安として、血液検査と超音波検査によって行われます。
体外受精の検査では、不妊の原因を探ったり、排卵状況を確認したりするために、さまざまな検査が行われます。どの検査を実施するかは人それぞれですが、検査によって生じるリスクは、下記のとおりです。
体外受精の治療を行う中で、腟に器具を挿入する検査を実施する場合、卵巣の位置や既往症によって痛みを伴うリスクがあります。経腟超音波検査や卵管通水検査などがその例です。ただし、経腟超音波検査で使用するプロープという医療器具は親指ほどの太さで、通常はほとんど痛みを感じません。
卵管通水検査は、不妊の原因として卵管の異常が考えられた場合に実施します。子宮内に液体を注入するため、子宮や卵管に圧力がかかり、軽い月経痛のような痛みを感じることがあります。
体外受精で行われる経腟超音波や卵管通水検査、子宮内膜炎組織検査といった腟に器具を挿入する検査では、腟や子宮から出血するリスクがあります。出血をしたとしても量は少なく、短時間で止まることがほとんどです。出血の量が多いと感じるなど不安な場合は、医師に相談しましょう。
体外受精では、質の良い卵子を一定数確保するために、排卵誘発剤を使って卵巣を刺激します。卵巣刺激を行う際に考えられるリスクは、下記のとおりです。
体外受精で排卵誘発剤を使用するリスクの1つに、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)があります。OHSSは、卵巣が過剰に反応し、卵巣の腫れや腹水・胸水の貯留、血栓などを引き起こす疾患です。卵胞内に2~9mmの小さな卵胞がいくつも存在するPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の方や、卵胞数・採卵数が多くなりがちな35歳以下の方は、リスクが高まる傾向があります。OHSSのリスクが高いと判断された場合は、卵巣への刺激が弱い薬剤で治療を進めることも可能です。
体外受精の治療過程で卵巣刺激を行うと、太ったりむくんだりする可能性があります。これは、排卵誘発剤の影響で女性ホルモンのバランスが乱れ、一時的に食欲が出て食べすぎてしまったり、体に水分が溜まりやすくなったりするためです。
体外受精の採卵時に行われる採卵手術では、経腟超音波プローブにつけた細い針を卵巣に刺して、卵子が含まれた卵胞液を採取します。採卵にかかる所要時間は5~20分と長くはありませんが、手術中に発生するリスクとして挙げられるのは下記のとおりです。
体外受精の採卵手術は、少なからず体に負担がかかる可能性があります。手術では卵巣に直接細い針を刺すため、痛みを感じたり、腟壁や卵巣から出血したりするかもしれません。手術前には静脈麻酔または局所麻酔を打つのが一般的ですが、痛みが心配な方は、眠っているあいだに採卵が完了する静脈麻酔がおすすめです。また、出血については少量であれば自然に止まるため、過度に心配する必要はありません。
体外受精の採卵手術は、静脈麻酔または局所麻酔のいずれかの麻酔を打ってから行われるため、麻酔によるアレルギー反応や呼吸抑制などのリスクがあります。患者さま自身が麻酔を希望されない場合は麻酔を使用せずに行うことも可能です。
体外受精の採卵手術では、卵巣に針を刺す過程で腟内の細菌が体内へ移動し、感染症を引き起こすことがあります。子宮内膜症、腹膜炎の既往歴がある方は注意が必要です。一般的には、手術前後に十分な消毒を行い、抗生剤を投与することで防ぐことができます。
採卵手術では、卵巣の周囲にある子宮や腸、膀胱、尿管などを傷つける可能性があります。ただし、極めてまれなケースで、リスクは低いとされています。
体外受精を選択して治療を行っても、必ず妊娠に至るわけではありません。体外受精を行った場合の妊娠率については下記のようなリスクがあることを押さえておきましょう。
体外受精は卵子に精子をふりかける方法で受精を促すため、質の良い卵子を得ても、精子の状態によっては妊娠率が上がりません。受精に至るには、精子に自力で卵子までたどり着く力、卵子を覆っている殻を通過する力が必要です。
体外受精を行った場合でも、妊娠率は女性の年齢とともに低下します。不妊の原因はさまざまですが、加齢による不妊の原因としては、卵子の数や質が下がることが大きいと考えられています。
体外受精によって無事に着床・妊娠しても、妊娠の継続にあたってはリスクがあることを理解しておきましょう。妊娠が確認できた後のリスクは、下記のとおりです。
体外受精による妊娠のリスクの1つに、異所性妊娠(子宮外妊娠)があります。異所性妊娠とは子宮以外の卵管などに受精卵(胚)が着床してしまう現象です。胚移植の過程では、子宮内膜の最も着床しやすい場所を選んで受精卵(胚)を置きますが、採卵周期に行う新鮮胚移植では子宮収縮が起こりやすく、受精卵(胚)が卵管へ移動してしまうことがあります。そのまま卵管で受精卵(胚)が着床し、子宮外妊娠した場合、妊娠を継続することは困難です。適切な治療を行い、再び妊娠を目指すことになります。
体外受精による妊娠は、自然妊娠と比べて、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、前置胎盤、常位胎盤早期剝離、帝王切開、早産、低出生児分娩のリスクが上昇するとされています。これらは高齢出産のリスクと重なるところがあり、体外受精による不妊治療を開始する年齢が高い傾向があることも、原因の1つといえるでしょう。
体外受精のリスクとして挙げられるのが、多胎妊娠の可能性です。体外受精では、複数個の受精卵(胚)を子宮内に戻すことがあるため、双子や三つ子など、2人以上を同時に妊娠する可能性があります。多胎妊娠は早産や合併症のリスクが高いことを考慮して、にしたんARTクリニックでは基本的に1個の受精卵(胚)のみを移植しています。
体外受精による妊娠は、胎児に影響があるのではないかと不安になる方が少なくありません。しかし、体外受精による妊娠と自然妊娠とでは、生まれてくる胎児の先天異常リスクに大きな違いはないとされています。
体外受精ではさまざまな治療が行われるため、一般的な病気の治療と同じようにリスクを伴います。しかし、リスクが必ず現実に起こるわけではないため、過度に心配する必要はありません。まずは、体外受精のどの段階でどのようなリスクが考えられるのかを理解し、不妊治療の専門クリニックで相談してみましょう。不安を取り除きながら、リスクを含めて丁寧に説明をしてくれるクリニックがおすすめです。
にしたんARTクリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添い、お体の状態に合わせた適切な治療方法をご提案します。全国にあるすべての院で無料カウンセリングを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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